- Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
- / ISBN・EAN: 9784406056519
感想・レビュー・書評
-
貧しい暮らしから抜け出そうと、東海道沿いの山の開拓に希望を託す。
苦しい現実と先の見えない不安に向き合いながらも仲間を信じて懸命に生きる
若者達の物語。
子どもは自分も庄九郎の仲間になったような気持ちで一喜一憂しながら読めるのでは。ただ絞り染めを見たことがないと、理解が難しい部分もあるかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今に続く日本の大切な文化的産業を知ることが出来た。
登場人物は十代後半から二十代の若者達で、自分の暮らしをたてるために、苦労して月日をかけて有松絞りの技を習得している。
土地の開墾や、水はけの悪い土壌で農産物を育てる試行錯誤と苦労を乗り越えて今に続く産業になっていることに、深い感慨を覚える。
また、年配者は若者の未来を信じて勇気付け応援し、若者も感謝の心を忘れずに取り組む姿も美しい。 -
読みやすい。
昔の開拓って大変だったんだろうなあ・・・
情報社会の今だと調べることが簡単だけど、昔は知ることが大変だっただろうなあ・・・ -
有松は江戸初期に阿久比の人々が移り住んだ土地だった。そしてこの地で生まれた有松絞。生みの親はリーダーの竹田庄九郎。不毛の地、有松に有松染が生まれたのは、彼の聡明さと彼を中心とした移住者の勤勉さによるものである。
-
江戸時代に生まれた有松絞りという染めの技法。
生きるために生み出されたということを初めて知った。
日本の伝統ある誇れる産業がこれからも続くことを祈るばかり。 -
江戸の初期、尾張の国。鳴海と知立の間、東海道の街道沿いに新しい村を作ることに。庄九郎ら阿久比の庄の若者たちは、このまま村にいても自分の畑も財産もなく将来の希望も持てないと、移住を決意。ところが、開墾した畑は土が悪いのかなかなか野菜が育たない。
-
昔、農家の次男以降の男は、相続で土地はもらえず、長男家族のもとで農作業を
手伝い、肩身の狭い思いをして暮らしていた。
阿久比の荘に生まれた庄九郎も、長男夫婦に遠慮しつつ農作業に明け暮れていた。
尾張領主の徳川義直が、東海道の人気の無いところを整備して、にぎやかな
街道筋にする計画を聞きつけた庄九郎は、これは自分の土地が持てるチャンスだ
と思い、村内の次男や三男に声をかけた。
そして、希望を胸にたどり着いたその土地は、松ばかりが生い茂る
作物の育たない土だった。
25年度 課題図書 小学校高学年