林業少年

著者 :
  • 新日本出版社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784406056663

作品紹介・あらすじ

山持ちとして代々続く大沢家の長男・喜樹は、祖父・庄蔵の期待を一身に受けていた。家族から「干物」と陰口をたたかれる庄蔵だが、木材取引の現場では「勝負師」に変身する。百年杉の伐採を見届け、その重量感に圧倒された喜樹は-。山彦と姫神の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 林業に興味があり手に取った本。
    児童書ではあるけど林業を知らないとなかなか難しいかな?と感じましたが林業の仕事がどういうものなのか、興味深い内容でした。

  • 3歳の息子推薦(笑)
    図書館で「父ちゃんの本」と持ってきてくれたのでやむを得ず借りて折角だから読んでみたら思いの外面白かった。

    登場人物は生き生きとしていて、少年本らしく皆清々しい。好奇心と希望に溢れていて心が洗われるようだ。

    林業というテーマが興味深かった。
    林業のことなど何も知らない私には、木材の相場や、業務の進め方、業界の実態など初めて触れることばかりで新鮮だった。
    もっとも小説なのでフィクションも入っていると思うが、少年向けなので概ね信じていいはず。

    子供の頃に出会えていたらもっと心に残ったんだろうと思う。
    思いがけず知的好奇心も刺激してくれた良書だった。

  • 家業を継ぐ事について考えさせられました。

  • 林業を垣間見られる
    著者が林業をしていることもあり、山の仕事の内容やリアルな金額がわかる。日本は国土の多くが木に覆われている。木や山とともに生きていくことはこの国の課題だよな。

  • スカイエマさんの絵に惹かれて読んだ本。
    林業の厳しい現状や、木こり職人の仕事、家族について温かく描かれてあり、とても面白かった。
    子どもの時に読みたかった。

  • 百年杉の売買を通して家業の林業について体感していきます。
    大変だけど林業ってなんてすごいんだって思いました。

  • 山持ちとして代々続く大沢家の長男である5年生の喜樹。祖父、庄蔵はその山で林業を営んでいる。偶然、山の「百年杉」をめぐる取引を目の当たりにした喜樹は、「勝負師」としての祖父の厳しい姿をはじめて知る。跡取りとして百年杉の伐採に立ち会うように言われた喜樹。それに高校生の姉、楓も同行したいと言い出す。林業を嫌う母への手前、英文科を目指していた楓だったが、人知れず山への思いを抱え、進路を悩んでいたのだった…。危険と隣り合わせのうえ、採算も取れない日本の林業の現状もふまえながら、それに従事する人やその家族の姿をさわやかに描いた一冊。

  • 児童書の場合、文章の中に主人公の姿が挿絵として描かれることがしばしばあるけれど、児童書における挿絵の力っていうのは、良くも悪くもとても大きいんじゃないかと思う。表紙や挿絵に描かれる主人公の姿は、当然主人公の姿をそれとして決定づけるから読者が想像力を働かせる余地はなくなるし、同じ理由で物語の持つ色や雰囲気までも左右する。
    そういう意味ではスカイエマさんの絵には物語を魅力的に見せるセンスの良さがあると思う。これはもうほとんど主観の問題なのであって、言ってしまえば好みの問題なのであって、要はスカイエマさんの絵が好きだということだ。

    ただ、こんな風に書いてしまうと、この作品が挿絵や表紙絵のおかげで成り立っているかのように聞こえてしまうかもしれないが、決してそういうことではなく、著者である堀米薫さんにも個人的には馴染みが深い。著作には他に『チョコレートと青い空』があり、この作品は「国際理解」をテーマとするブックトークでも紹介したことがある。『チョコレートと青い空』ではガーナからの留学生とホームステイ先の子供たちの交流が描かれたが、『林業少年』では、山を生業の場として林家の誇りとともに生き続ける祖父と、その家督孫である主人公の少年を軸に、それを取り巻く家族それぞれの屈託が清々しく解消されていく様子が描かれている。

    文量の少ない児童書のこと、登場人物の心情が一般小説のように丁寧に描かれているというわけでは決してないけれど、児童書を読む場合にはこの辺りにこそ読者が想像力を働かせる余地があるのかもしれないなー、なんてことを思ったりもする。

  • 山家の跡取り孫である小学5年生の喜樹が主人公。
    進路、山と生きる林業のくらし、その価値を描く。
    YA向け良作。
    男子にも女子にも。

    作者は自らも秋田で和牛肥育・水稲・林業の専業農家を営む。

  •  喜樹(小5)の家は、相伝山のすそに張り付くように立っている。このあたりでは2番目の山持ち。しかし、林業の仕事はお金にはならないと喜樹の母はよく思っていないようだ。祖父の庄蔵のもとへ、杉の銘木がほしいとお客さんが来た。その木をいよいよ切り倒すことになり、高校生の姉とともにそれを見届けることに…。

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著者プロフィール

福島県生まれ。岩手大学大学院農学研究科修了。日本児童文芸家協会会員。宮城県で和牛飼育、水稲、林業を営みながら児童文学やエッセイを執筆中。『チョコレートと青い空』(そうえん社)で第41回児童文芸新人賞&青少年読書感想文全国コンクール課題図書。『あきらめないことにしたの』(新日本出版社)で第2回児童ペン大賞。他に、ノンフイクション『命のバトン』(佼成出版社)、絵本『ゆうなとスティービー』(ポプラ社)、歴史児童小説『仙台真田氏物語』(くもん出版)など多数。近著に『青空モーオー!』(学研プラス)、『はくさいぼうやとねずみくん』(新日本出版社)がある。

「2022年 『Orange 夕ぐれ時のふしぎ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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