沖縄の心 新装版: 瀬長亀次郎回想録

著者 : 瀬長亀次郎

• 新日本出版社 (2014年4月1日発売)

感想・レビュー・書評

[touxiaさんの感想 · 2019年7月31日]

まさに　不屈の人であり、
不屈の人の　たゆみない闘いが記されている。
沖縄が、沖縄であることを願い、闘った。

お母さんが言う
「ムシルヌ アヤヌ トゥーイ
（ムシロの綾のように、まっすぐ生きるんだよ）」

その教えを守り、ひたすら、沖縄のために一生を捧げる。
米軍の土地収奪に対して、怒り止めさせる。
常に先頭に立ち、自分が弾圧されても、それは自分だけでなく
沖縄の人であり、日本の人だと思って、闘う。

ずいぶん昔のような言葉遣いが多く感じられた。
しかし、その中での　沖縄の心を守る　揺るがない姿勢。
リーダーとは、こう言う人なのだ。

なぜ、世の中には貧乏人が多いのか。
なぜ、労働者のくらしは働いても働いてもよくならないのか。
なぜ、戦争が起こるのか。
なぜ、資本家だけは肥え太っていくのか。

このなぜ？と問いかけたことが、瀬長亀次郎を強く作り上げた。
沖縄では、アメリカが敵だと見えた。
日本では、見えなくなっていると言うのは、確かだ。
より巧妙に、支配を強めている。
基地のない、核のない　平和な沖縄を　返せ！
と言う切なる願いを　どう受け継いでいくのか。