字幕屋の気になる日本語

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著者 : 太田直子
  • 新日本出版社 (2016年7月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784406060394

字幕屋の気になる日本語の感想・レビュー・書評

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  • 2017.3.31

  • 図書館本。 字幕翻訳の大変さがわかると同時に、日本語の柔軟さに感動しました。太田さんの文体はリズムが良く、贅肉のない文章なので、すらすらと気持ちよく読めるエッセイでした。常に周りに溢れる言葉を取り上げて考える姿勢は、まさに職業病です。言葉に対する執着心にとても憧れを抱きました。字幕は一瞬で過ぎ去る文章ですが、そこには翻訳者それぞれの個性があることがわかり、日本語の表現度の高さを改めて認識しました。太田さんのエッセイはあと四冊あるそうだので、そちらも是非読んでみたい。太田さんの担当した映画も見てみよう。

  • 810

  • 映画の字幕というのは、一秒=四文字という字数制限の中で物語を適切に表現していかなければならない。内容をぎゅうぎゅうに凝縮してかなり激しい意訳をする。匙を投げたくなるような早口のマシンガントークにも対応しなければならない。複数の人間が同時にしゃべっているときは、どれかを省略せざるを得ない。字幕屋ならではの日本語へのつっこみが妙に可笑しい。文法的にいちゃんもんをつけるほどの素養はないと著者は謙遜するが、唸らせられるものは多い。字幕世界でも価格破壊が進んでいて、仕事が集中する優秀な若手ほど、便利に使われ身も心もボロボロにされ業界を去っていくなど、業界裏事情も興味深く読んだ。

  • 810.4 / 日本語 翻訳 映画 /

  •  1秒間に4文字。字幕の文字制限がそんなに厳しいとは知らなかった。
     確かに、画面上は短いのに深い言葉をいう時がある。
     ただ翻訳するのではなく、どの言葉を選ぶか、観客により伝わるように、端的かつ印象深い言い回しはどういうものかを考える仕事。
     個人的には、こちらのほうが語彙について考えさせられた。

     あまり関係ないのだが、この本の作者の太田 直子さんは、この前に読んだ「服を買うなら、捨てなさい」の地曳 いく子さんと同じ年の生まれなのだけれども、太田さんは服にこだわらない。他人にどう見られるかより、自分の内側の違和感にこだわる人なのかなぁ。外側と内側、わかりやすく差があるような、実は同じような。けれど、年を重ねるなら、太田さんのようになたいと思っていたら、急逝されていたとのこと。ショックを受けた。
     ご冥福を祈るばかりです。

  • ひとつひとつの短いエッセイの中に、思わず笑ってしまったり、ウーンとうなってしまったり、ともかく面白い。
    コミュニケーションの道具としての言葉に対して、もっともっと敏感に、慎重に扱ってくださいよ、というメッセージが込められている。
    自分もこんなエッセイが書けるようになると良いな、とは思うけれど、まだまだ修行が足りないのを実感します。

  • 今年1月に急逝した字幕翻訳者の太田直子さんの遺稿エッセイ集。タイトルに惹かれ、購入しました。

    僕自身は映画館で映画を観るのは少なく、洋画も吹き替えがほとんどで、字幕に「1秒につき4文字」という制限があることも知りませんでした。字幕翻訳とは、その言語のもつ歴史や文化を理解し映画の内容や意図を、定められたルールの中で日本語として正確に伝えていくという地道な作業なんですね。

    「言葉が豊かだと生きる楽しさは増すのではないだろうか」という指摘は、その通りだと思うし、「豊かでメリハリがあって相手の心を動かせる言葉」をきちんと使えるようになりたいととても思いました。一生懸命勉強しないといけませんね。もっと映画も見てみようと思います。

    お勧めの一冊です。

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