沖縄戦・最後の証言―おじい・おばあが米軍基地建設に抵抗する理由

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著者 : 森住卓
  • 新日本出版社 (2016年7月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784406060486

沖縄戦・最後の証言―おじい・おばあが米軍基地建設に抵抗する理由の感想・レビュー・書評

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  •  現在もなお、名護市辺野古と東村高江で米軍基地建設反対運動の最前線で座り込みを続ける8人のおじい・おばあの口から語られた戦争の記憶。当然だが、8人それぞれに人生があり、それぞれが肌で感じた戦場の恐怖がある。そんな彼女ら彼らがこうして戦場の記憶を何度もくり返し語ること、基地反対運動の現場に立ちつづけること自体が、自らの心と身体に回帰する恐怖と向き合うことでもあったのだろうと思う。なればこそ余計に、本書が刻んだ言葉は、ほんとうに重い。

     戦争の証言は、いつも私に、〈お前は戦争の何を知っているか?〉と問いかけてくる。でも、たぶんこれは「知識」の問題ではない。知識の有無は権力の問題につながるが、破局的な事態にさらされてしまった人間がその記憶を絞り出した結果としての言葉に対し、「知っています」「わかります」と応じることなどできない、と私は思う。なぜなら、〈お前は戦争の何を知っているのか?〉という呼び声は、ちゃんと聞け、記憶せよ、こういう人間がいたことを忘れるな、というメッセージでもあるからだ。
     
     おじいやおばあの語りには、アカデミックな議論の場面では批判されてしまうような内容も含まれている。しかし、大事なことは、「正しいこと」を語ることではないのだろう。言葉を語る、記憶を語る行為を動機付け、下支えする人間の感情情動を、どのように受けとめるのか。帯の惹句が言う通り、まさに「この思いをどう受けとるか、一人ひとりが問われている!」のだ。

  • <米軍基地建設が強行されている辺野古や高江。その建設現場に不自由な体を押して座り込む「おじい」「おばあ」がいる。対馬丸、米軍の凄まじい艦砲射撃、集団自決、県民を見殺しにした日本軍…。凄惨な沖縄戦を生き延びた体験者だ。記憶の蘇りに体調を崩しながらも「戦争を繰り返してはならない」との強い思いで語られた8人の証言。報道写真家が記録する渾身のフォトドキュメント>と、出版社HPで内容紹介されている本を読みました。

    この本で証言されている古堅実吉さんの話を、昨年、沖縄に行った際に直接伺いました。その時は戦争法が強行可決(2015年9月19日)直後、ご自身の体験を語りながら最後に、「戦争法をめぐる闘い、あきらめる訳でなく勝つしかないし我々には道理がある。屈しない限り勝利できる。頑張りましょう」と結ばれた時に、涙があふれてきたのを思い出しました。

    頭痛、めまい、不眠などの様々な症状をひき越しながら届けられた体験者の話し、文字を追うことが正直つらかったです。でも向き合うことを、やめてはいけないのだと思います。帯の島袋文子さんの写真と添えられている「戦わないために、今、闘っている」、この言葉にどう応えるかが問われているのだと思いました。

    「基地をなくし戦争のない日本と世界を実現するための行動する人が、一人でも増えてくれることを願っている」と、あとがきに書かれていましたが、そうなるように力をつくしていこうと思います。

    多くの方に読んでほしい本です。

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この思いをどう受けとるか、一人ひとりが問われている!渾身のフォトドキュメント!

沖縄戦・最後の証言―おじい・おばあが米軍基地建設に抵抗する理由はこんな本です

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