廃道 棄てられし道

  • 実業之日本社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408008387

作品紹介・あらすじ

道路の声が聞こえるか?廃墟と道路、ふたりのカリスマが結びついた。いま、沿道の人々が道路に込めた思いが溢れ出る。

感想・レビュー・書評

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  • 鉄道の廃線跡以上に、数多く、曖昧に出現する「廃道」。その対象に向けられた(さらには、彼方に垣間見える人間の営みに向けられた)作者の視点は、これまでの作品と同様に、まったくブレを感じない。そして、作者が切り取ったフレームの中で、それら「命なき道」は、生きていた時以上の「存在感」と「美」を獲得しているのだ。――僕が尊敬してやまない写真家・丸田祥三氏の最新作!!

  • ふむ

  • 巻末の平沼さんの文章が面白い。廃道にドラマありだね。

  • テーマはとても魅力的なのですが、けっこうガッカリ。

  •  廃道の写真集。うち捨てられた道に魅力を感じる気持ちはすごくよくわかる。このような道を見たら写真を撮りたくなるだろう。ただ、写真はすべてデジタル枝ルターが用い有られていて、画質が荒く明暗の差がはっきりとしていて、全体的にカラーバランスをわざと崩してある。そこが怪しげな雰囲気を強調していて一見楽しいのだが、本を通じて全部がそうだと、ややくどくも思えてしまう。これがなかったら魅力が半減するような気もするから、どうしたらいいのかはよくわからないが。

  • やっぱり廃道はいいなぁ…と写真一枚一枚に、そして文章にしびれたのですが、しかし未だに「なぜ廃道にひかれるのか」という問いに、僕の答えが出せずにいます。

    自然に還っているからか、人の息吹を感じるからか、見たことない風景と出会っているからか、マイナー趣味だからか…。
    分かりませんが、廃道への想いは高まるばかりです。

    もともとは幼い頃、トンネルの横にあるなぞの小道(大抵は旧道だったと思う)を見ては、どこに通じているんだろうと思った記憶があります。
    好奇心からはじまって、道に詰め込まれた息吹を感じる…といったところでしょうか。

  • ドラマティックで寂寥感漂うHDR/斜めに流れる視線/緑と土に飲み込まれ風化していくコンクリート/道路趣味

  • 真新しいトンネルの入り口の横から、くねくねと曲がりくねった旧道が森の奥深くへと入っていくのをチラッと横目で見た瞬間、ドキッと胸が高鳴る。
    ちょっと風が強いと波をかぶりそうな沿岸の旧道とか、使われなくなって入り口が塞がれた小さなトンネルとか、どこか時が止まった場所に通じてる気がして、なんともいえない余韻に包まれる。
    そんな僕はやっぱり廃墟のみならず、廃道マニアの血も流れているようだ。
    それにしても冒頭見開きの中央自動車道の廃道写真は圧巻!スケールがでかいとさらに異空間感が増して、どこか鏡の向こう側の世界を垣間見たような気になる。

  • 閉所恐怖症
    暗所恐怖症
    巨大物恐怖症

    の人は普通の人より楽しめますのでぜひ
    (当方3つ目に該当)

  • 「鉄ちゃん」という言葉を知ったのはそんなに昔ではない。だから道路趣味なかでも廃道趣味という数寄者がいることは知らなかった。鉄ちゃんにしても道路趣味にしても、インターネットの普及でそれらのマイナーな嗜好がひとつのジャンルになっていったことは興味深い。
    廃道は、車道であったが故にその「線形」に味わいがあるようだ。登山道とも獣道とは異なる、工事の残滓が人間の営為と歴史を物語り、もはや不用となり自然の猛威に占領されながらもまるでアンコールワットの遺跡を発見した人のような気分にさせそうだ。
    ロマンを感じるものでもある。なかなか楽しめました。

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著者プロフィール

●著者紹介
丸田祥三(まるた しょうぞう)
1964年東京生まれ。92年写真家に転身。94年日本写真協会新人賞受賞。93年のデビュー作「棄景」は、見捨てられた風景への独自な視線が話題となり、今日の廃墟(写真)ブームの先駆となった。
著書に「棄景−廃墟への旅」(宝島社/洋泉社)、「棄景II」(洋泉社)、「東京−棄景III」(洋泉社)、「1977鉄道少年の旅」(洋泉社)、「少女物語−棄景IV」(春秋社)、「鉄道廃墟−棄景1971〜」(JTB)、共著に「鉄道廃線跡を歩く」(JTB)、「全線全駅各駅停車の旅」(小学館)、「日本風景論」(春秋社、切通理作氏との共著)などがある。

「2003年 『廃車幻想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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