脳を創る読書

  • 393人登録
  • 3.03評価
    • (11)
    • (15)
    • (49)
    • (24)
    • (5)
  • 75レビュー
著者 : 酒井邦嘉
  • 実業之日本社 (2011年12月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408109077

脳を創る読書の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 「電子書籍の台頭で、紙の本が脅かされている」と、日々なんだか騒がれている。
    この本では、「紙」と「電子」の本のメリット・デメリットを比較し、言語学、脳科学なども用いて解説している。
    「教科書までもが電子書籍化していくと、こんな悪影響が」という解説はうなずける部分もある。
    「紙書籍の持つ美点」も大いに賛同したい。
    でもどこか弱いのは、あくまで「美点」に依る部分が多い点だと思う。
    一応”本屋”としては、もっと徹底的に科学的に警鐘を鳴らしてほしかっただけに、その冷静さがもの足りなく感じてしまった…。正しいスタンスなのだろうけど…。
    結局は「紙」と「電子」は、その役割分担を明確にし、(ある意味で)領域を不可侵にして共存していくのが良いのではないかと思う。
    それぞれにメリットはある。
    感情的にはイヤでも、致し方ない”流れ”なんだろう。

  • 言語脳科学者が脳の情報処理の仕組みから、紙の本の有用性を説く。
    先読みなどの脳の特性の説明も面白かった。
    近い将来、紙の本が電子書籍に取って代わられるのではないかという危機感から、電子書籍の現状での欠点が羅列されている印象もあり、今後普及する段階ではそうした課題にも対応が進んでいくようにも感じる。
    サイン本や初版本の価値を認める著者の様なニーズがあることや、少なくとも現状で紙の本の閲覧性を電子書籍が超えていないと感じられる中では、著者が危機感をいだくほど紙の本がすぐに駆逐されるようにも思わない。
    それぞれの特徴を生かして併存すればいいという著者の主張には賛成。
    12-122

  • 読書をすると想像力が養われる。
    ということはよくわかった。
    けれど、なぜ紙の本でなければいけないかはいまいち納得できなかった。
    電子書籍のなんだかわからない違和感には共感できた。
    あと、読書インストラクターって面白い。

  • 情報量が少ない=想像する
    電子と紙の違いは、どうなんだろうという感じ

  • 自分の経験や好き嫌いに多分に基づいた文章が多く、残念な一冊でした。著者が紙の書物が好きなのはよく分かりますけどね、、、。

  • 脳科学者が専門的な見地から脳の発達と紙の本による読書との関係を解き明かす…というのを期待していたがまったくの肩すかし。中身は自身の趣味と経験から世のメディアの電子化に違和を表明する随想のようなもの。自身の研究領域の蘊蓄が豊かだからといって門外漢が門外漢でなくなるわけではないという見本のようなもの。電子書籍は電子書籍なりのよさで云々とバランスをとってはみせているが、全体としてはアナクロというか「自分がふれてきたメディアが最高」という、よくあるタイプの電子メディア批判にすぎない。こういう話はお年寄りの専売特許かと思ったら、意外や1964年生まれでびっくり。紙に印刷したら誤字脱字が見つかる、というのはよく持ち出される話だけれど、この本の出版に携わった印刷関係者さんはずっと前から画面で校正をやっていて、ちゃんと誤字脱字を見つけているはずですけどね。全体の構成もこうしたしょうもない事実誤認も、もうちょっとプロの編集者さんがなんとかしてあげればよかったと思う。さてどこかにまともな電子書籍批判はないもんでしょうかね。

  • 期待外れの感あり。
    科学的に、ディジタルの危険性、問題点をもっと深めてくれるかと思ったが、物足りない。
    紙の本のよさも、もう少し立証的に書いてもらえるとよかったと思う。科学者としては「証明」不足といった感じ。

  •  「なぜ『紙の本』が人にとって必要なのか」と、副題にあるわりには、そこのところの記述が少なめ。内容がちょっとスカスカ気味? の印象を受けました。

  • 副題「なぜ『紙の本』が人にとって必要なのか」というのを見て期待した内容とは異なっていた。
    紙の本の優位性については、なんだか情緒的な話になっていた。使い込んだ本は財産であるだとか、初版本に価値があるとか。
    確かにそうなのかもしれないが、言ってしまえば個人の趣味の問題であって、逆に紙の本の優位性がそれくらいしかないのであれば、電子書籍のほうが場所を取らないしいいなあと思ってしまう。

  • タイトルに誘われて読む。
    前半の脳の話は興味深かったものの、後半の紙の本と電子書籍のくだりはもうひとつ。

    1 読書は脳の想像力を高める
    活字は脳で音に変換されて言語野へと送られる

    本を読む(黙読)~活字は視神経を通じ視覚野に入る~脳の中で音に変えられ、記憶との照合によって自動的に単語や文法要素が検索される~検索された情報はさらに単語の意味や文を作る文法を分析するために言語野へと送られる

    本を聞く~耳で音声で聞く場合、聴覚的刺激は聴神経を通じて脳の聴覚野に入る~その後は読むときと同じ
    ただし、音声で聞いた場合は文字だけで区別がつかないニュアンスの違いなどが朗読した人によって適切に判断され、抑揚、間などを含めた音声表現として発話される

    言語野の4つの領域
    読解、文法、音韻、単語

    他に映像と比較すると、以下の情報量になる

    入力の情報量
    活字<音声<映像

    受け取る「入力」の情報量が少ないほど、脳は想像して補う

    想像力で補われる情報量(想像力=自分の言葉で考える)
    活字>音声>映像

    手書き文字は活字より情報量が多い
    伝える「出力」の情報量が多いほど、脳はさらに想像力を高める

    出力の情報量
    メール<手紙<電話<会話

    言葉を通して他人と話ができるためには、聞くことと話すことの両方に想像力が必要。
    自分と他人の間でこの想像力に開きがある場合は、話が通じないことになる
    相手に想像力が足りないために起こる

    結論:読書と会話が大切!

    2脳の特性と不思議を知る
    *あらゆる言語は共通する性質を持っている
    「人間の言語は単に単語が直列的に並んだものではなく、互いに結びついて文法的な木構造を作る」~例みにくいあひるの子

    *「再帰性」は脳が想像する力のもとになる
    再帰性とはいくらでも繰り返し続けることができること 例(1+1)+1
    もしくは、マザーグースのつみあげうたのようなこと、ベートーベンの第五

    数学が得意な人は想像力のある人
    数学の美「単純・対称・意外性」

    *想像力が働かないと、記憶するのが難しくなる
    脳は予測して先読みする

    3)書く力、読む力はどうすれば鍛えられるのか
    言語は音声が先で後から文字が生まれた
    読書量が多ければ多いほど、言語能力が鍛えられる
    想像力が言語コミュニケーションを円滑にする

     映像は情報量が多い分、想像力の余地を与えない。想像力で補うべき情報は欠落したままなので、知識の応用も利かない。そのときにはわかったつもりになるのだが、想像力で補うことが必要とされないものにばかり接していると、結局、想像力が身につかないことになる。紙の本ではどうしても足らない情報を想像力で補うことにによって、その人に合った、自然で個性的な技が磨かれる。

    4)紙の本と電子書籍は何がどう違うか
    画面上では文字と画面の位置関係は一定していない=スクロールの必要がある
    紙野場合は文字と紙の位置関係が常に一定であり、前のページを広げて常に行きつ戻りつ参照できる。文字に対して常に空間的な手がかりが得られている(何ページ、何行め)

    本の量の手掛かりがわかりづらい~例、厚み

    材質、初版本の魅力

    5)紙の本と電子書籍の使い分けが大切

    酒井邦嘉http://mind.c.u-tokyo.ac.jp/index-j.html

全75件中 1 - 10件を表示

酒井邦嘉の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三浦 しをん
シーナ・アイエン...
ジャレド・ダイア...
朝井 リョウ
有効な右矢印 無効な右矢印

脳を創る読書を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

脳を創る読書を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

脳を創る読書の作品紹介

電子書籍化が進む今こそ、問う。『言語脳科学』の第一人者が真に「考える」ためのツールを検証する。

ツイートする