- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408395821
感想・レビュー・書評
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かなりの資産を築きあげた本多静六ストーリー。
山林はその時代そんなに化けたのか…と驚く。
税理士に言わせると、山林の申告はかなり手を焼きその専門は少ないと言う。
時代が時代であり、そうして化けに化けたものをポンと自治体に提供したり出来るあたり、普通のお金持ちではないしなかなかできる考えではない。かなり度胸がある。
投資も独自の方法を編み出しておられる。
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慶応生まれ、明治、大正、昭和を生きた大学教授であり産業振興に生きた本多静六。前半はお金の作り方、貯め方、そして運用。後半は生き方。
資産運用については、基本的なことを説いていて、商品の種類も多くテクニックに走りがちな現代人が求めるものはこの著にはないだろう。でも、多くの経済人がこの本に学んでいるということは、基本が大事で、あとがきにあるように、多くの人はその基本を踏むことさえ難しいからなのだろう。とても謙虚な人だ。若かりし頃は血気盛んでうぬぼれたところもあったと反省しておられるが、そうかなあ?と思う。
・苦しくても月給の25%を貯金する。
・「2割利食い、十割半分手放し」投資は2割儲かったら売る、2倍以上になったら半分売る。
・卵を1つの籠に盛らない
・好景気は勤勉貯蓄、不景気には投資。
後半の人生指南にも学びは多かった。
・仕事に謙遜は不要
・まずは本業に勤しめ。本業が楽しくてしょうがないくらいに極めろ。名利を目的にしてもすぐはがれる。名利は与えられるもの。
・保証人にはなるな。
・自分が明るくない事業には出資するだけ、経営するな、オーナーを儲けさせろ。それが周り回って事業を設けさせ、自分にもリターンをもたらす。
・政治家なんて、余裕のある金があれば、それで人に食事をふるまっていれば数年後にはなれるだろう。
印象的だったのは、寄付した金額が高額だったため、誤解と因縁を付けられ辞職勧告に追い込まれた時の話。相手の誤解と因縁に他ならないと思うのだが、彼自身、これまで相手を「打ち負かそう・自分の方が上」という態度をとっていたからだ、と分析。なかなかできる反省ではないなあ。私も実は今、似たようなことを振り返っている。
これって日本人の謙虚さの良いところかな。アメリカでは自己主張、競争を生き抜くことを徹底的に教えるけど、調和すること、負けて勝つ、そしてそれが全てうまくように導くコツなんて。
また、恥ずかしながら、普段聞くことのない熟語の勉強にもなった。
吝嗇 りんしょく 義理人情を欠いてまでも欲張る事。倹約とは違う。
煩悶 嘆き苦しむこと。
卑近 身近でありふれている事、高尚ではなくわかりやすいこと
鼓吹 吹き込み 繰り返し教え込む
通有性 つうゆうせい 同類のものに共通して備わっている共通性
剣突を食わせる(けんつくをくわせる)荒々しくしかりつける。とげとげしく拒否する。
今の私にとってとても学びある著だった。 -
人生即努力、努力即幸福、がすべて。貯蓄術としての天引きの有効性を唱えている財産告白の編も面白いが、社会体験記も相当参考になる。人付き合いには雅量を以て対峙すること、本業に集中すること、など、当時のものとは思えない、現代的な内容に、普遍性、一般解を感じさせる内容。
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本多式貯金法は、収入の4分の1を貯金し、臨時収入は全て貯金し、家計簿をつけ、これを投資していくという方法。
マネーフォワード代表の辻庸介さんがオススメしていたので読んでみたが、日本人が金を持つものを品性下劣と決めつけていることを非難し、金稼ぎを非難する人に対しての対処法を始め、議論をしている際の立ち回り方、部下への立ち回り方などは面白いと思った。
本多さんは、木材に投資をしていたが、今の時代ビッグトレンド入りしているもの、例えば情報通信技術などの専門知識を持っていないとなかなか投資に入り込めないような複雑化しているものに投資するしかないので、これを機に投資についても軽く触れておきたいと思った。 -
<この本に学んだ教訓>
・失敗は人生の必須科目
・お金は自己革新と努力の副産物であり、面白くてたまらないという道楽の粕である
・好きな仕事に一生懸命に取り組め、不得手でも好きなら熱意で上手になり、うまくいく
・本職の足しになり勉強になる複数の収入源をもつこと
・370作もの著作は、買い手の求めさえあれば、学問の切り売りでも良いスタンスから生まれた
・給与よりも投資や副業の収入が多くなれば、経済独立をする事で勤務にもますます励めること
・資産家への第一歩は、収入の25%・臨時収入の100%を容赦なく貯蓄し、その残りで苦しい生活を押し通し、質素に暮らすこと。ただし、義理を欠く出すべきものを出さないケチはダメだ
・貯蓄で富は築けない。富を築くには投資を行うこと。
投資は比較的安全という相対的有利な時に行うことが大事で、不景気でリスクを取り、好景気でリターンを取ることが肝要。
・投資先は、国家社会の発展を先回りして資金を投下すること
・超富裕層になるためには「金が金を生む」スノーボールを手に入れること
・人生計画を10年ごとに明確に持ち、感ずるところがあればそれを新たに修正し続けること
・世の中をまるがままに見、自分の頭で考えて生き抜き、低姿勢で謙虚に感謝の気持ちをもつこと
・85歳になっても「老い」ないのは、新しいことに挑戦し続けるからである
・欧米に比べ、日本は金持ちに気持ち良く金を使わせてやる雅量に乏しいので警戒すること
詳細は、
http://www.richbooks.club/entry/2015/11/05/155417 -
四分の一貯金をすること。
好景気には貯蓄、不景気には大胆な投資。
貸すな、借りるなの戒律。
仕事を道楽化すること。
凡人は本業に徹すること。
仕事に追われるのではなく、仕事を追うこと。
政治には金が必要。大きな成功を実現してから臨むこと。
人生即ち努力、努力即ち幸福。
人が知ってはいるができないことをいかに実行するか。
自分に相応の実力があるならば、もらった地位は受け入れること。 -
良い本です。生き方、姿勢みたいなものが特に印象深かった。
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東京大学の林学博士である本多静六教授の本。
お金と言えばこの著者の本を読めと友人の父親に進められた読了。
70年前に亡くなられたにも関わらず、今でも通用する貯蓄方法を提案している。
例えば、敷地を買い占めて地価が上がるまで保有する投資をしていたそうだが、現在の不動産投資に当たると感じた。
この著者の一番有名な貯蓄論は月給4分の1天引き貯金だが、今でも十分に通用する。
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ずいぶん前に入手して積ん読になっていた本。
前半の貯蓄・投資の心得(4分の1天引き貯金など)は実用的なノウハウ。
後半の処世訓が、カーネギーの人を動かす的な なるほど感があって良かった。渋沢栄一氏らが同時代人として登場するのがさらによし。
当たり前のことが書かれているが、圧倒的努力で実践続けることによって結果に差がつくことを思い知らされる良書。 -
明治維新の前年慶応2年(1866年)生まれの著者が昭和25年に著したもの。
具体例(山林投資など)は古いが、本質的な部分は現代に適用できる。
巻頭の著者肖像写真を背景に書かれた文を転記する。
これを読んで共感できる人は、読むための時間を投じるだけの価値があると思う。
「金儲けは理屈でなくて、実際である。
計画でなくて、努力である。
予算でなくて、結果である。
その秘伝はとなると、
やっぱり根本的な心構えの問題となる。
金というものは重宝なものだ。
ところが、世の中には、
往々間違った考えにとらわれて、
この人生に最も大切な金を
頭から否定してかかる手合いがある。
投資の第一条件は安全確実である。
しかしながら、絶対安全のみ期していては、
いかなる投資にも、手も足も出ない。
だから、絶対安全から比較的安全、
というところまで歩み寄らねばならぬ。
人生の最大幸福は職業の道楽化にある。
富も、名誉も、美衣美食も、
職業道楽の愉快さには比すべくもない」 -
巨万の富を築いた東大教授により、昭和25年に書かれた本。財産を築く過程や、その使い方などが披露されており、誰でもできる範囲で努力すれば到達可能としている。そのきっかけとなったドイツ留学中のブレンタノ博士の言葉に巡り合えた幸運が大きいと思われる。「金のために自由を制せられ、心にもない屈従を強いられる。財産を作ることの根幹は勤勉貯蓄で、そのあとは有利な事業への投資」との言葉を忠実に実行しただけとしている。
後半にある体験社会学も、「人生即努力、努力即幸福」をモットーとした著者の経験から、誰でもできる範囲で努力すれば到達可能としている。ほとんどの人が理解していてもできないので、できる人が成功しているとの解釈になるのだろう。 -
人生即努力、努力即幸福。
株は益2割利食い、10割で元手ゼロの株とするなどは、他でもよく聞くように、普遍的な手法なのだろう。
収入の1/4 貯金は、確かに資産形成の基本である。
経済的な独立が、本業の道楽化をもたらす。
若いときから、貯金と著述を自らに課し、実践して結果を出した、というのが素晴らしい。
投資には心構えが必要、ということで
不惑の年を過ぎてはいるが、是非とも実践したい。
手元に置いておきたい、名著だった。 -
65年前の本なのに、すんなり読めた。
給料の四分の一を貯金する
不景気に投資 景気の良いときは節約
仕事の道楽化 -
本多静六著「私の財産告白」実業の日本社(2005)
* 株式の話からすれば、2割利食い、十割益半分手放しの原則です。
* 失敗は社会大学における必須科目である、
* 人生の最大化は職業の道楽化にある。 -
「財産4分の1貯蓄法」という考え方を読んでびっくりした。今自分がやっているお金の管理方法とまったく同じだからだ。自分の場合は目標に対してこれだけ貯蓄したいと思った額を逆算し、月額の貯金目標額を設定したのだが、たまたまその額が月収の4分の1と同じだった。この目標が間違っていないことを裏付ける内容だったので、読んでみて安心感が得られた。
著者の考え方は、身の丈に合った生活をし、吝嗇と節約を分けてお金を貯める。ためたお金によってお金の「芯」ができたら、それを投資に回していくというものだ。奇をてらった実践は一切なく、誰もが意識すればできてしまうお金の管理法だ。だが、誰もがこの実効性と効用に気付いていても、それを実践できる人は一握りだという。
今の段階で「正しいお金の管理」について考える機会があってよかった。お金に支配されない生活をしたい自分にとって、この本はお金の管理の基本となる考え方を余すところなく学べる良著だった。 -
多くの成功者が読んでいた。伝説の億万長者が明かす財産と金銭の真実
不朽の名著、復刊。
「誰もが知っているごく当たり前のことしか本多静六は語っていない。しかし、だからこそ、これが痛烈なパンチなのだ」
本多静六を御存じだろうか。日本の林学博士で明治神宮の森の設計にあたった人である。海外に留学した時、留学先の先生より「いかに学者でもまず優に独立生活ができるだけの財産をこしらえなければ駄目だ、そうしなければ常に金のために自由を制せられ、心にもない屈従を強いられることになる」との助言を受け「本多式四分の一貯金法」により元手を作り、財を成した人である。内容に新鮮味はないが著者が成した事実には重みがある。私は林学博士という面から興味を持ったが、本書も読む価値は十分にあると思われる。 -
「人生計画の立て方」に続き、「私の財産告白」が届いたので、読んでみました。
結論。これは子供に教えておくといい考え方ですね。西洋的に言うと金持ち父さん本と同じかもしれませんが、真面目な本家本流の蓄財法です。
本は二章に分かれていて、第一章がいわゆる「私の財産告白」、第二章は「私の体験社会学」ということで、本多さんの経験談が書かれていました。経験談の方は例によって時代の違いによる価値観の違いもあるので、ほんとにさくっと流し読みしましたが、不朽の名作と言われている「私の財産告白」は今でも使えるノウハウです。
その方法を簡単に言うと、毎月の給料の4分の1を貯蓄する。臨時収入はその全額を貯蓄する。貯蓄から上がってくる利息は通常収入とし、その4分の1を貯蓄し、4分の3は使っていいものとする。こうやって貯蓄が増えてきたら投資に回す。雪だるまの芯が出来ると、資産は雪だるま式に蓄積されていく。
投資の仕方としては、投機や思惑(怪しい儲け話)にはまることなく、安全確実ではなくともそれに近い投資先を探して投資を行う。景気のいいときは貯蓄に努め、不景気のときに思い切って投資をする。
自分ではどうしようもない世の中の激変によってダメージを受けても気にしない(実際、本多さんは晩年戦後のインフレで資産の大半を失われ、60歳くらいで一部を残してすべて公に寄付されています。子供に資産は残さない方が良いとのお考えです)。
とまあこういう方法です。当たり前っちゃ当たり前なんだけど、ちゃんと実践している人はあまりいませんよね。
「金儲けは理屈でなくて、実際である。計画でなくて、努力である。予算でなくて、結果である。その秘伝はとなると、やっぱり根本的な心構えの問題である」
とのことです。
素晴らしいのは50歳以降の理想として、収入の4分の1で生活し、4分の1を貯金し、4分の1を交際修養にあて、残り4分の1を社会有用の事業に投ずることを理想としていたというのです。
私、50歳なんてもう目の前なんですが、そんな理想・・・とても手が届きません。
やはり若い頃からきちんと計画的に蓄財していてこそ、50歳でそんなことを成し得るんですよね。
もう自分には無理だ、と思うのはいけません。
スタートは遅くなりましたが、その分、長生きすればいいんですから、今からでも遅くない。出来ることはやりましょう!
その他、気に入った言葉をいくつか・・・。
「「天才マイナス努力」には「凡才プラス努力」の方が必ず勝てる。」
「汝の上位は常に空席である。門戸はいつも開かれている。努力の前に閉ざされた扉はひとつもない。」
そう、やってやれないことはないんです。
人間はその気になれば何だって出来ます。
出来ないと思っている人は、そう言って逃げてるだけですね。