すべてのマラソンランナーに伝えたいこと

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408453729

作品紹介・あらすじ

マラソンの練習はきつかった。何度もやめそうになった。しかし現役中、練習を途中でやめたことはただの一度もない。現在、マラソンは明るく健康的なスポーツとして、多くの市民ランターに親しまれているが、その本質は泥臭く、根性がいるものだと思う。苦しいからと言って、練習を途中でやめては「いつでもやめていいんだ」と甘える癖がついてしまう。苦しくないマラソンなどない。15戦10勝のマラソンランナーが語る折れない心の作り方。

感想・レビュー・書評

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  • 昭和生まれの私にとって、瀬古選手はヒーローでした。
    イカンガーや宗兄弟、中山選手など、当時のレース模様をぼんやりと思い出させる内容でした。
    たしかに根性論かもしれませんが、筋は通っているし、潔く、指導者としての失敗も認めているし、読んで清々しい気持ちになれました。
    。。。モスクワ五輪の話は、もうすっかり遠い記憶になっておりましたが、きっと眠れない夜を何度も過ごされたのだと思い、胸が熱くなりました。
    また、中山選手の「這ってでも出てこい」のことばは、はっきりと「なかった」としていましたので、もう37年も経っていますが、素直に信じたいと思いました。37年間、誤ってインプットされていました。

  •  瀬古さんはやはり天才で、天才の思考は凡人の論理では説明のつかないものなのだな、と改めて認識した作品でした。

     そんなわけで、とりわけ市民ランナーにはTipsにはとうていなりえない本ですが、トップアスリートのかけひきだとか、あのロス五輪で何がおこったのか、などは興味深い話でした。

     でも、本人も認めているけれど、瀬古さんは指導者には向いてないですね。

  • 今は箱根駅伝などの解説者として活躍の瀬古さんの1冊。オリンピックには縁がなかったというのは御本人の談ではあるけれど、第一人者であったことは変わりない。そしてストイックなアスリートだったことも。レベルを問わず楽しめる人が増えるのは大歓迎だし、自分自も今後も楽しみたい。

  • 現役時代を知らないため、瀬古さんの走っている姿は想像しづらいところはあるが、実績は抜群でレジェンドだ。
    故に、説得力はあるし、アスリートに対しては厳しい事を言っている。
    福士さんの初マラソンの件は覚えていて、スピードが落ちても棄権しなかった事が理解できた。
    練習方法については、距離が全てでは無い気がする。あくまで、あれだけ走ったという自信を得るためではないかと個人的には感じる。効率的なトレーニングで、自己ベストを出していきたい!また、達成感を得るためにウルトラマラソンを走るというのもありかな!?

  • 以前読んだということを忘れて借りてきてしまい、再読。
    非常に読み易く、瀬古さんの言いたいことがわかりやすく書かれている。
    プロランナーとしての意識を感じる。
    大迫さんの本も読んだけれど、意識部分での共通点が多いと思う。
    練習のやり方は多少違うようだが、それは表面的なもので、マラソンランナーを根本から支えているのは、マラソンに全てをささげて集中するという意識だ、と感じる。
    市民ランナーは泥臭く走っているだけでは成り立たず、生活と仕事に追われる中走らなくてはならない。
    だから、向き合い方や考え方も、プロほど真摯にやってしまうと、他がひずむように思う。
    ただ、結果を出すということに重点を置くなら、これくらい真剣に取り組まなくては、早い段階で頭打ちになる。
    こういう本は、ダレてきたころに、気持ちを引き締めるために読むのがいいのだろうと思う。




    2019/08/25
    非常に興味深く読んだ。
    もちろん、私は市民ランナーであり、趣味で走っているだけなので、仕事として人生をかけたアスリートの練習はとうていできない。
    体力もちがう。
    それでも、プロ目線の言葉にはやはり深みがあるし、学ぶところや感じるものがあった。
    はやく次の箱根駅伝が観たい。
    そんな気分になった。

  • 良くも悪くも走る才能がある人が書いた本であまり参考にはならない。瀬古さんが好きな人にはどうぞという感じ

  • ひとりで行うには孤独過ぎるのだ。

  • 瀬古氏の人間性、考え方が良く伝わる本です。私が抱いていたイメージ通りのことが書かれています。お会いしたことはないのですが、実際お会いしたしても同じ感想を持つのだろうと思います。仲間が居るから走ることを続けられる。しっかり練習を積んだから、自信を持ってレースに臨めるという点は、すべてのことに通じるのだと思う。

  • 180603読了 安易なHow to本ではないところが瀬古さんらしい。当時の世間はみんな瀬古さんに熱狂してたんだよね。彼ぐらいの選手でも、オリンピックが特別なものになってしまって・・・それを魔物って言うんだろうけど。多くの市民ランナーが、これからも自己ベストを目指して走ることを楽しんでいるなか、「もう私が自己ベストを更新することは不可能です。これからその喜びを味わえる人がいると思うと、正直、少し羨ましい気がします。」という心境を吐露しつつ、「走っている人を見るとなぜか元気が出ます。」と、やはり走りに取り憑かれた一人なんだなぁ。根性論でやってきたことを否定する必要もないし、実際そういう時代だった。瀬古さんの時代以降、いろんなスポーツ科学やら方法論やらが出ては消えていった中、自分にあった形でのコントロールとかアンカーになる精神状態をどう構築していくかが、むしろ難しい時代になってるんじゃないか?って、問いかけに感じた。万人向けではないが、現役時代を少しでも知っている人には響く言葉がある良書だね。

  • 決して瀬古さんと同じことはできないが、ぶれない文章を読んでると黙々と走りたくなる。実績のある人ならではの力強い一冊。

  • 資料番号:011452810  
    請求記号:782.3/セ

  • 割りと精神論が多かった印象。

    僕は科学的にいかに最大の効率で、つまり楽をして、記録を伸ばすかをテーマとしています。
    もちろん練習もしてるし、節制もするけど、そんなにシリアスではない。無理ない範囲で楽しんでます。

    そんな私には、瀬古さんの伝えたいことは、ちょいとヘビーな御指摘だったかな。

    すべてのマラソンランナーに向けている事がかえって焦点ぼけてしまった感じがします。

    瀬古さんは私の世代にとってスーパーな存在です。本書の瀬古さんは普通のアスリートに見えます。そんな事ないでしょう?もっと狂気の精神構造を見せてもらいたいのでありました。

  • 少々根性論的な部分もあるかも?
    一時代を築いた人の言葉には重みがあります。

  • 呼吸法について興味深い記述がありました。「私は疲労が足にくることが多かったが、こんな時は、足まで空気が行き渡る意識で呼吸をしていた。そんな心がけだけで疲労感がうまく解消されることもあるから、人間の意識、そして体の機能とは不思議なものだ。」

  • いい話が最後にあった。昔の陸上の辛さもよく伝わってくる、花田氏や渡辺康幸氏の苦労も伝わってきたな。。。

  • 瀬古さん、いい人なんですね!

  • フォームは歩いて固める 自信を持つために練習する マラソンは努力も才能も必要だ マラソンを教えるのは難しい しっかりと身体と対話しながら走ってこそ、練習の効果がある いつかはマラソンを走るんだという志を持っていることが重要だ 

  • ランニングのノウハウ的な内容はないが、瀬古さんに個人的に興味を持っている方には、様々な発見がある書。文章が読みやすいので、あっという間にページが進む。

  • 「マラソンの真髄」の簡易版?  「~真髄」より肩の力を抜いて書いてはいるが、求めている内容はやはり高い。また、より素の部分のコメントが多く盛り込まれているようで、人間瀬古の魅力をより身近に感じられる。

  • 瀬古さんらしい根性論の本ですね。
    フルマラソン走る前に読むにはよいと思います。

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