崩壊以後 ~日本サッカーは監督を変えるだけでは変わらない (じっぴコンパクト新書)

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  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408455167

作品紹介・あらすじ

FIFAW杯ブラジル大会。サッカー王国で開催されたこの大会に、日本代表は「史上最強」という国民からの期待を背負って臨んだ。しかし、0勝2敗1分、グループリーグ最下位で敗退。内容も輪をかけてふるわず、結果以上の"惨敗"だった。「なぜ1勝もできなかったのか?」「我々のサッカーとは何だったのか?」などを現地で取材を重ねる著者ならではの鋭い切り口で分析していく。多くのサッカー好きに、新たな視点をもたらすパワフルな一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 本書は2014W杯ブラジル大会の取材と同時進行で書かれた。当時はザッケローニに悪い印象を持っていなかった。日本の裏側で行われた各試合をリアルタイムで見ることはほとんど無かったため、自分が日本代表の試合結果を知ったのはダイジェストのみだった。2敗1分け・グループリーグ最下位という結果は、JFA、監督、そして選手起用の失敗だと言える。本大会での日本に批判的なことから、著者のメディアへの露出が少なかったのだと思われる。日本のスポーツ民度の低さの現れにも思える。しかし、サッカーというゲームを試合会場の高いところから俯瞰で見続けた著者の論法を、私は気に入っている。

  • 相変わらずこの本の作者はサッカーの戦術の優劣を古い、新しいで断定している。
    サッカーのフォーメーションはそのときの選手の特性、コンディション、相手の布陣や強さなどで決定されるものであり、古い、新しいで優劣は付けられないはずである。

    サッカーの監督の仕事も試合のときの采配だけでなく、チーム作り、選手のモチベーターとしての役割など多岐にわたるのであり、フォーメーションを決めるのはほんの一部に過ぎない。

    そういう自分のサッカー感や他のジャーナリストとの比較で見ていくと、この本もそれなりに楽しめると思う。

  • サッカーの布陣(フォーメーション)、攻撃サッカーの優位性、サッカー偏差値etc は、私は杉山氏の著作から学んできたことである。しかし、杉山氏もある意味最先端を走っていた時期から、他の評論家が同じような視点で分析できるようになったにも関わらず、杉山氏はいまだ新しい視点の分析がない気がする。本書は、杉山氏の本が初めての人にはよいとは思うが、私にとってはある意味予想通りの内容の本だった。

    ただし、ザックジャパンが崩壊であったことは確かであり、その現地での取材やほかの国などやフォーメーション等からの分析は、ブラジルW杯を振り返るにはよかった。時代はアギーレを経て、ハリルホジッチになったが、なかなか良い方向には進んでいると思う。そのあたりを杉山氏はどのように考えているのか、次作に期待したいと思う。

  • 試合を見る度に感じていた不満がぶちまけられており、読後に満足感が得られた。特にW杯惨敗後の言い訳にはいら立ちしか感じなかったので、よくぞ書いて下さいましたという感想です。そして、自分が思っていた以上に、問題点が多かったことも分かった。
    著者の視点は鋭く、戦術的に分析していることで理解が深まる。そのため指摘内容に賛同できる。次は、アギーレ解任に対する見解を聞いてみたい。

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著者プロフィール

スポーツ・ライター

「2015年 『攻撃的サッカー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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