廃道探索 山さ行がねが (じっぴコンパクト文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408456713

感想・レビュー・書評

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  • ウェブとは別の愛おしさを感じる。机上調査が好き。

  • 全国津々浦々に存在する忘れ去られた廃道群を、面白おかしく調査し紹介してくれている一冊。
    めっちゃ面白いのですが、本書より他のディープな廃道を紹介している「山さいがねがウェブサイト版」のほうが写真や記事のボリュームも多くおススメ!というのが正直な感想でした。

  •  意図しない廃道歩きは大変だ。廃道だと思わないまま道に突っ込んでみたら廃道だった、というパターンだ。
     思い出すと、秋田県の夜明島渓谷から太平湖に抜ける夜明島林道、長野県の朝日村から木祖村への鉢盛山林道は完全に廃道だった。
     道が崩れ落ち、背丈より高い木が林立し、そういうところに限って棘のある草が生えていて引っかかって痛い。
     そんな道にはクマも闊歩して、出合頭に口と目をひん剝いたクマの驚いた顔を覚えている。

     オブローダー(廃道マニア)にとって最も有名なサイトが「山さ行がねが」通称、山行がである。
     数十年前に離散した村が建設した林道だったり、
     上高地に至る幻のスカイラインだったり、
     南アルプスを走った森林鉄道の長大路線跡だったり、
     華厳の滝を正面に未だ残る渓谷の橋だったり。

     失われた道の記憶をたどる。
     そこに今でも挑戦するアホがいる。
     道は人が通ってこそ道だ。
     道としての機能を呼び起こすオブローダーの生態の一端に触れる。

  • 2016年8月刊。廃線でも廃墟でも酷道でもなく「廃道」探索の探険日記。立入禁止はされていないけど、現在では使われなくなった地図にない道を文献を頼りに歩く。予想以上に面白く、また新しい分野を知ってしまった、と思った。

    日光の華厳の滝の観瀑台には、今は有料エレベーターからしか行けないけど、昔は第一いろは坂を抜けたあたりから、徒歩で滝まで行く道「滝壺道」が存在した。「左 華厳瀧壺」と書かれた古びた道案内の石碑が現在もちゃんと道端に残っているのが驚き。

    文庫だから仕方がないけど写真がカラーだったらもっとよかったな。

  • ウェブサイトのままの「推論」、「実践」、「結論」(机上調査)の順番の方が座りがよいようにも思ふ。でも面白さに変りなし!

  • <目次>
    第1章  加須良林道
    第2章  数坂隧道
    第3章  三郷スカイライン
    第4章  千頭森林鉄道大間川支線
    第5章  束松新道
    第6章  鵲橋
    第7章  鳥越林道
    第8章  武陵洞

    <内容>
    最近ブームの「酷道」シリーズかと思いきや(いやいや「酷道」なんですけどね)、初めから「国道」とは名乗っていないさまざまな「道」を辿る話です。著者は自転車と徒歩でこうした道(多くは「林道」なので結構な山道、時に「酷林道」)を踏破していますが、「国道」ではないので、かなり事前調査しています。そこで今回の本に登場する「道」に歴史を感じ、そこを意識しながら実態調査しています。「道マニア」の方の中には、こうした”感傷的”なレポを嫌われる方のいるでしょうが、私は「ツボ」でした。歴史好き、地図好き、旅好きなので…。ただ体力には自信がないので、読書で済ましてしまいましょう。

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著者プロフィール

昭和52年千葉県松戸市生まれ。横浜市で鶴見川のサイクリングロードを友とした小学生時代、秋田県潟上市で「山チャリ」(マウンテンバイクで林道を走る)に目覚めた中学生時代、峠の旧道に愛着を覚えはじめた高校生時代を経て、大学中退後に就職。しかし山チャリの味が忘れられず、興味の中心は旧道の先に眠る「廃道」へ。2000年、WEBサイト『山さ行かねが』を開設。2007年、住み慣れた秋田を離れて東京都日野市へ単身転居。活動の軸足を関東に移すと同時に、廃道で生計を立てる日本初のプロ・オブローダー(廃道研究者。自身も執筆に加わる廃道専門WEB雑誌「日本の廃道」による造語)を目指しはじめる。著書に『国道?酷道!?日本の道路120万キロ大研究』『廃道探索 山さ行がねが』、共著に『廃道本』『廃道 棄てられし道』(実業之日本社)、『廃道をゆく』シリーズ(イカロス出版)、『廃線跡の記憶』シリーズ(三才ブックス)ほか。ドキュメンタリーDVD「廃道クエスト」シリーズ(日活)主演。トンネルも大好きで、「横須賀トンネルツアー」のガイドも務めた。

「2021年 『日本の道路122万キロ大研究 増補改訂版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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