天使はモップを持って (ジョイ・ノベルス)

著者 :
  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408504094

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  • 深く刺さった、小さな棘のような悪意が、平和なオフィスに8つの事件をひきおこす。社会人一年生の大介にはさっぱり犯人の見当がつかないのだが―「歩いたあとには、1ミクロンの塵も落ちていない」という掃除の天才、そして、とても掃除スタッフには見えないほどお洒落な女の子・キリコが鋭い洞察力で真相をぴたりと当てる。
    「BOOKデータベース」より

    今この瞬間手元にある紙きれが、”ゴミ箱”という箱の中に入れた瞬間、何か汚れたもの、もう自分からは切り離されたもの、になるという感覚が、いつも不思議に思う.このことを考える時、人間は頭の動物なんだな、と思う.
    ゴミはその人のなにかを表す、というのは分かる気がする.捨て方に性格からくる違いなんかもあるんだろうな.
    清掃は、ちょと苦手だ.きれいになるとすごくすっきりして、気分が良くなるのに、なかなか重い腰は上がらない.なんとかして習慣にならないものかといつも思う.清掃人キリコを見習いたい.
    本書は会社内で起こった事件を清掃人キリコと社員の大介が解決していく話.ちょっとした一般にありがちな事件が解決していくときに、人情とかやさしさがあって、読んでいてほのぼのする.

  • 20年前の出版。
    シリーズの原点である。
    清掃人キリコと新入社員大介の出逢い。
    次々と起こる怪事件?
    パワハラ、セクハラ全盛期のオフィス、
    理不尽な事をどう乗り越えるか?
    危なっかしい大介だけど、
    思いっきり応援したくなる!

  • 一番最初の章で女同士のややこしいのがあったので一瞬ウンザリしかけたけど、キュートなキリコにハマりました。鮮やかな謎解きは掃除の賜物。それを蔑むおバカも出てきたけど、それでも「この仕事が好きなの」と言い切るキリコにも、ひたすら理解し支える大介にも何だか感動をもらった気がしました。最後は「え?」となって、オチで「びっくりさせんといて!」となる訳で、近藤さんにやられました♪醜い感情も、弱さも、嫉妬も何もかも、キリコにお掃除してもらってピカピカになればいいのにな。

  • 部屋には人が表れる。インテリア、クロゼットの服、本棚の本。だけどやっぱりゴミと掃除には本性が表れるよね。片付け下手、掃除苦手な私には、若いのに清掃を天職としてるキリコちゃん尊敬。ラスト、すごくびっくりしたけど…遅まきながら大介ヤルジャン!

  • キリコの仕事の姿勢に感服します
    藤色のバッグのたとえ。見習いたい。
    ミステリーとしては、推理飛躍しすぎ?というところもありますが
    おもしろくて一気に読めます

  • キリコちゃんすごい◎◎
    素晴らしきプロ根性。

    謎は、キリコちゃんの素性と年齢でしょうか。

    最終話で、大介の家庭環境(しかもヘビー)が明かされるのは、ちょっと唐突だったかな。

  • 短編身近ミステリーでした。どれも面白く読めました。お掃除ネタなのに作品の雰囲気はヴァン・ショーと似てました。最後の一作で完全に騙されてしまいちょっと負けた気持ち。
    この終わり方で続くって、どんな展開になるのか逆に気になります。

  • 掃除をしている時の描写が掃除が好きなのだなと思えるのとキリコの性格が良かったのと会話がテンポ良く面白かった。

  • 新入社員大介と
    清掃員の女の子キリコがオフィスの謎に立ち向かうお話
    ちょっとした謎から殺人事件まで
    会社で起こった謎をキリコが解明していく
    テンポよくサクサク読める短編集
    主人公大介とキリコのやり取りが軽く心地よい

    8章までのお話
    短編なのに7章で盛り上がり
    8章でまさかの大きな展開があり。。。
    最後までサクっと面白く読めました
    特に最後のお話は間を開けることができず一気に読みました
    そしてその章をもう一度読みました
    ヤラレタ(^o^)心地よい感じです

    あと近藤史恵さんのあとがきも良かったです

    シリーズ作品ですのでこの次も楽しみです

  • 読み易いし、楽しい。

    事件解決と平行して、キリコちゃんと大介の関係も進展があって、このシリーズの中では一番よかった。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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