- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408533858
感想・レビュー・書評
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長さバラバラの四編。都合のいい女と、息をするように女をうまく使う男の「記憶」が良かった。イラつきながら読むも、こんな風に恋してしまってどうしようもないことってありそうだよなと妙な説得力。征人が憎めないキャラなのがなおよし。
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口内射精されたモノを男性にキスするふりして飲ませ復讐する主人公が印象的。
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黎子と悠介は、学生の頃からの“友人”。恋人同士であったこともないが、三十半ばになっても黎子が頼りにするのはいつも悠介だった。しかし、黎子の元夫が失踪し、二人の微妙なバランスが崩れて…「欲望」。
水商売をしている女の孤独と無力感を、冬空とタクシー運転手を背景に描く「安い涙」。
優柔不断でどうしようもない男に、どうしようもない男であるが故になぜか引き寄せられてしまう女たちを描いた「記憶」。
――世の中で自分がいちばん不幸だって思えちゃうときもあるけど、ホントは違うんだよねえ(安い涙)
(感想)
性格も背景も環境もまったく違う四人の男女の「失恋」の物語。「失恋」とは、恋人だけにするものだろうか?
自分の思いが相手に届かない、という意味で考えてみると、私達は、友人、家族、仕事相手、時には通りすがりの人にまで失恋をしている。しかし、あとがきにもあるように、それでも、ひとは恋をするのをやめない。さらっと読めてしまうのですが、個人的にものすごく印象に残る、という作品ではなかったので★は3つ。 -
続けて読んだからかなぁ。1つめの話が「バイバイ」と書き方が似ててそこがちょっとやだったかも。
「安い涙」のなかの「世の中で自分がいちばん不幸だなんて、ほんとうにひどい思い上がりだと思った」っていう言葉が身にしみました。
でも、不幸とかって他人と比較するものでもないんだよね。自分の中で不幸だったら不幸なんだ。だから自分の中の幸せのカタチをいっぱいもってなきゃいけない。
(06/01/03)