天窓のある家

  • 73人登録
  • 3.45評価
    • (5)
    • (19)
    • (14)
    • (3)
    • (3)
  • 22レビュー
著者 : 篠田節子
  • 実業之日本社 (2003年9月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408534459

天窓のある家の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 表題作の「天窓のある家」は嫉妬や執着、思い込みによって壊れて行く女性が描かれている。誰しも多少は持っている負の感情。自分自身でうまく処理できないとこうなるんだなぁと恐ろしくなります。

    「友と豆腐とベーゼンドルファー」は一家の大黒柱として頑張るピアノ教師の有子が主人公。遅くまで働いて、節約して、自分の欲しいものは我慢する日々。ある日、夫がかつての部下にお金を貸してやりたいと言ってきた。悩む有子。決断にエールを送りたい。

    仕事でも家庭でも完璧であろうとする有能な会社員が主人公の「手帳」、生まれてこなかったはずの我が子の幻覚を見、怪しげな霊能者に高額な代金を払ってしまう「誕生」、老いた母の元を週に一度訪ねていることを妻に言えないサラリーマンの話「密会」など、どの話も日常生活で実際に耳にしそうなことがテーマ。私はこの本好きです。

  • 9編からなる短編集。
    中高年を迎える女性の心の変化を描く。総じて暗く希望が見えない話である。
    確かに女性も40代を迎える頃から人生は希望より絶望の方が多く、明るさは見えにくい。夫婦の関係も綺麗事ではすまないエゴのぶつかり合いやそれを避けてお互いに無視を決め込まないとやっていけない現実がある。
    でも、私の好みとしては、そこを描いたままで終わって欲しくはなかった。
    チラッとでもいいから、希望の光があるものが好きだ。
    現実感のある描写に優れている篠田節子は、現実の提示で終わる作品が多いし、そこがウリだろう。この作品も、身も蓋もない現実のオンパレードで、実に「そうだよなあ」と共感は感じるが。しかし、私はワザワザ時間を割いて憂鬱な思いしたくない。じゃあ、エンターテイメント小説だけ読めば、と言われても困るけど。
    そこが、星一つマイナスなところ。
    このなかでは、「パラサイト」が好きかな。実際こんな生活をしている男女は現在多いと思う。これからももっと増えそうである。

  • (収録作品)世紀頭の病/パラサイト/友と豆腐とベーゼンドルファー/密会/誕生/果実/天窓のある家/手帳/野犬狩り

  • 一気に読んでしまいたくなる本だった。リアルな情景が心情が伝わる。若い女性や男性には伝わりにくいものもあるだろう。篠田節というのかどうか、この作家にはいろんな実体験もあるのだろうか。

  • 充実した短編集だった。登場人物の心情にとても共感できるのに、数滴の不思議がじわじわと別世界に読むものを引き込んで行く感じ。どの作品もいいけど、特に「手帳」が好き。

  • 短編集。篠田節子の魅力は綿密な取材と構成に依るところが強いと思っているので短編ではそれが活かされ切ってないように感じた。同じようなモチーフを繰り返し描くのはなぜだろう。

  • 人間の、特にここでは女性の愚かさ、醜さをいつもの篠田節でこれでもか!と辛らつに描いた異色短編集。複雑な設定にも関わらず、簡潔・明瞭な描写が潔く、多少の荒唐無稽な物語でもすとんと腑に落ちるのが篠田さんのすごいところだ。あまりにも女性を追求しすぎていて、男の僕には今ひとつのめりこめなかったのが残念。
    「世紀頭の病」が馬鹿馬鹿しくて面白かった。

  • 連作ではない短編集。人の心の、気がついていても目をそらしてしまいがちな汚い部分にあえて焦点をあて、抉って拡大して見せるようなお話。篠田節子の描く女性像には勇気付けられることが多いのだけど、本作はすこし毛色が違っていて戸惑った。好きだったのは一話目「友と豆腐とベーゼンドルファー」。これは救いがある。五話目「世紀頭の病」は深刻そうに見えて喜劇で、星新一ばりのオチが面白かった。六話目「誕生」は一転してホラー。題材が題材だけに読むのが辛い。どの話のヒロインにもすこしずつ自分自身を重ねられるところがあるのが怖くて上手い。

  • 久しぶりに篠田さんの作品を読んだ。

    女性のどろどろした思いを込めた短編集。

  • 読み応えのある短編集。女性の性(さが)が、痛々しい作品や、パニックものなど、篠田ワールドに浸れる。

全22件中 1 - 10件を表示

篠田節子の作品

天窓のある家を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

天窓のある家を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

天窓のある家の作品紹介

幸せに見捨てられた女。偽りの幸せにすがる女…。緩慢な日常の流れの中に身をまかせる女たちが、決意する一瞬。誰も、気づかぬうちに、女は心に変調をきたす。偽りの幸せなんて、許さない。あの人の不幸を、心から願う-。直木賞作家の円熟味あふれる9つの物語。

天窓のある家はこんな本です

天窓のある家の文庫

ツイートする