三島由紀夫が死んだ日 あの日何が終わり 何が始まったのか

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制作 : 中条 省平 
  • 実業之日本社 (2005年4月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408534725

三島由紀夫が死んだ日 あの日何が終わり 何が始まったのかの感想・レビュー・書評

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  • 8+4編。引退=廃業する為の事件という説を聞いている。当時、私はアルバイトに新聞配達をしていた中学生で、三島事件を知ったのは翌日の朝刊報道だった。図書館本。52

  • 文学史上最も壮絶な死を遂げた作家といえば、
    三島由紀夫を置いて他にはいるまい。

    ある日突然、自衛隊の総監室を占拠し、
    自衛隊員へ意味不明の大演説をした挙句の割腹自殺…

    当時の日本を代表する売れっ子作家である彼が
    何故そんなことをしたのか。

    当然当時の人々は大混乱に陥った。
    様々な人が色々な分析を試みてはいるが、
    本当のところは、誰にもその謎は解けていない。

    そんな謎を今更ながら考えてみたというのが
    この本だ。



    彼の存在は、私にとっても驚きの連続だった。
    最初は中学生の時、図書館でたまたま開いた写真集だった。

    そこには、三島由紀夫がかつて住んでいた
    『悪趣味』としか言いようのない豪邸が写っていた。
    ページをめくると、どうやらこの人は、
    訳のわからぬ事件を起こし、更に訳のわからぬ死に方をしたようだった。

    一体この男は何者なのか。
    官僚の家に生まれ、本人も東大法学部から、
    大蔵省へと進む。
    いつの世も、これ以上にないであろう
    エリート中のエリートであった彼が、
    大蔵省を辞めた理由は『天下り』ではなく、
    『小説家への転向』。

    そんなのありえないだろう。
    最も安定した職業から、
    最も不安定な職業への転向。

    そんな彼が『小説家として生きる』という
    覚悟を見せ付けた作品が『仮面の告白』。

    事実上のデビュー作でなんで自分がホモだということを
    アピールしないといけないの?そりゃ売れるかもしれないけれど、
    他にネタはなかったの?

    大学時代、この本を読んだ私の正直な感想だった。

    更に、その後の異様なまでの肉体美への陶酔。
    品のいいえなりかずきが、何故にブルース・リーみたいになる必要があったのか。

    そこまできたら、わからないところだらけ。

    『死んだらおしまい』とは言うけれど、
    現時点で彼を狂人扱いするのは容易い。
    しかし、一度でも彼の本を読んだことのある人間であれば、
    そう簡単に片付けられはしないだろう。

    率直に言って、彼の趣味はいいとは思えないが、
    彼は決して頭の悪い人ではなかった。
    むしろ、普通の人には理解できないような、
    『天才』としか表現のしようのない人だと思う。

    もう10年近く彼の作品は読んでいないので、
    今では殆ど覚えていないが、
    彼の文章は、私など、真似しろといわれても、
    真似は出来ない。

    表面的かもしれないが、
    村上春樹の本を読んで、
    『自分も小説家になりたい』
    と思う人はいても、
    三島由紀夫の本を読んだら、
    大部分の人が、
    『小説家ってこういう文章がかけないとだめだろうな』と
    諦めてしまいたくなる。

    結局のところ、『昭和』とほぼ同じ時間の流れを
    生きていた彼にとって、戦後の日本というのは、
    とても受け容れ難いものだったようだ。

    特に、彼が亡くなった昭和45年ごろは、
    80年代のバブルに至る経済優先路線が
    鮮明に見え出した頃のようであり、
    それはかつての『日本』とはいろんな意味で
    様相を変えていたのだろう。

    いわゆる『変わらなくてはいけないもの』と
    『変わってはいけないもの』という話だろうけど、
    彼に言わせれば、日本はその後者の誤りを
    犯し続けたのだろう。
    如何に彼が当時の人気者であったにせよ、
    その流れを止めることまで出来るはずもなく、
    彼としては自分なりの筋を通すため、
    止むを得ない行動だったのかもしれない。

    普通の人であれば、
    多少世の中が納得の行かない方向に進んだとしても、
    それなりに生きていくことだろう。
    しかし、そんな自分を許すことが出来なくなって
    あんなに最期を迎えたとなると、
    才能って何なのだろうと思う。

    やっぱり、『普通に生きる』というのは、
    意外と難しいのかもしれない。

  • 中条省平氏が編集者としていい仕事をしている。わたしのような凡人には、三島が何に殉じたのかわかる術もないが、三島が偽善と呼んだものはよく分かるつもりだ。まえがきで、この偽善について、「民主主義の美名のもとに人間の生き方や国の政策に関する意思決定を自分で行おうとせず、個人と国家のとりあえずの目標を経済成長のみに置き、精神の空虚を物資的繁栄で糊塗する態度にほかならない」と書かれているが、本当にその通りだと思った。三島は、以下の言葉を残している。「私はこれからの日本に大して希望をつなぐことができない。このまま行ったら日本はなくなってしまうのではないかという感を日ましに深くする。日本はなくなって、その代わりに、無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目がない、或る経済的大国が極東の一角に残るのであろう」 偽善すら通用しなくなった現代。我々はどこに向かって漂流しているのか・・・

  • その時代に生まれてたらなああ、と思う一冊。

  • 「村上春樹の隣には三島由紀夫がいつもいる。」を読んだからには!1970年11月25日、人々は何を感じたのか?

  • 三島由紀夫が衝撃的な自殺を遂げて35年。三島由紀夫の自殺とはなんだったのか、という歴史を知るべく手に取った本である。多くの知識人たちが、三島の死に関し、各自各様の意見や解釈を寄せて、編集されている。この本一冊で、三島の死というものへの基礎的理解は出来ると思う。多くの若者(当然自分も含め)が、三島由紀夫という昭和の文豪の生き様を知らない現在、三島の自殺直前の檄に、改めて耳を傾けてみるためにも、本書が多くの人の手にとられることを望む。

  • 没後35年。今、改めて三島を考える。三島とは何だったのか?その意味を問う一冊。

  • 三島の言葉と行動が、現代を生きるものにどれだけ刺さるのか。これだけ刺さりやすく著してなおどれだけ刺さるのか。万人に読んでもらいたい書だ。

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