狐弟子

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408534831

感想・レビュー・書評

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  • 昔の中国が舞台の怪奇に近い短編集。表題作は、狐だと自称する占い師のもとに訪れた「弟子」のお話。これが一番面白かったし、後味もよかった。弟子可愛いけど黒いとこがよし。

  • 図書館。
    比較的初期の作品かと思ったら、
    18面や琥珀枕の後なのか。
    奇譚ぽいが、やや生々しかったり、
    下世話だったり。

  • 7話からなる短編集。
    鳩胸、雲鬢、股肉、狐弟子、石榴缶、碧眼視鬼、鏡像趙美人。
    中国唐代のちょっと奇妙な短話。

    はじめの4話が面白かった。

  • 洛陽城中の破れ寺に住まうのは、狐の化身で占いの名人と評判の老人・毛潜。
    そしてそんな毛潜に、狐になりたいと弟子入りした少年・馬孝児。
    立派な狐になるため…との方便で、日々修行といって良いのかどうか微妙な労働や助手の真似事をし、させるふたりの前に、妻の不貞に悩む夫が相談に訪れるが……。「狐弟子」
    酒浸りの父に悩み、荒れる少年・沈恒之が出会った占い師の李姉弟。生前李家に施された恩に報いるために現れたという幽鬼の力を借りて、占いを行うという姉・瑞芳。姉の鬼卜を何かと手助けする弟・蘭圭。
    瑞芳の卜占と蘭圭が香精を精製するために使う蒸留装置・石榴缶が、恒之とその父の運命を変えていく……。「石榴缶」
    ほか、「鳩胸」「雲鬢」など全7編。中国の唐代を舞台に怪異な人間の情念を描く奇譚集。

  • 中国の話だけど文章が堅すぎなくて読みやすい。
    でも平易な文というわけでもなく、ほどよくて好き。
    話も暗すぎず、でもどろっとした部分もあって
    バランスが良い。

  • ぽつぽつと結構読める話があった。
    女主人公がブサだったり男もイマイチな性格だったりで
    人物描写がある意味リアルで残酷だったりするから、夢はみれないけど。

    すごく好きって話はないんだけど
    「鏡像趙美人」が良かったな。
    双子が双子を書いていたってのが意外だった。

  • 森福都の中国奇譚集。
    唐代、主に武即天の時代を中心に7話からなる時代劇短編集。

    「鳩胸」
     体格も胸も大きく、嫁の貰い手の無いジャジャ馬娘の悩み。遠縁にあたる青年への恋心と、その後の流行への意外な影響。
    「雲鬢」
     女性の髪型の流行は、高く結い上げる"雲鬢"。その技を得意とする梳髪師の青年の本業は?女の情念が渦巻く世界。
    「股肉」
     人間の腿の肉は、最大の良薬!?姑に自分の腿の肉を与え、孝女と評判の柳おばさんの意外な真相とは?
    「狐弟子」
     狐になりたいと願う貧しい少年と、狐の化身だと嘯くイカサマ占い師の先生との、トラブル始末記。
    「石榴缶」
     ダメ医者の息子が出会った少年は、美人占い師の弟。薬を生成する"石榴缶"という道具を貰い、やる気の無い父を発奮させる。
    「碧眼視鬼」
     鬼(幽霊・妖怪)が視える能力を得た青年が、夢のお告げに従って都へ。そこで出会った、同じ能力の美女と騒ぎに。
    「鏡像趙美人」
     双子の絵師が、宮中の"趙美人"を描き、技を競う。趙美人に恋した兄弟の作品は、優劣をつけられるのか?そして趙美人自身にも謎が。

    二話だけ本当の怪異話がありますが、残りの五話には怪奇現象にちゃんと人為的なカラクリがあり、それも楽しめますw

    ニン、トン♪

  • 化身、幽鬼、卜占、趙美人…。長安や洛陽などを舞台に、怪異な人間の情念に
    迫る中国唐代の奇譚集。狐になりたかった少年の理由とは? 狐の化身に弟子
    入りする少年を描く表題作のほか、「鳩胸」「雲鬢」など全7編を収録。

  • 中華な短篇集です。
    表題作は、実は狐だと言われている人物に弟子入りする少年のお話なのですが、お師匠様は狐でもなんでもなくていきあたりばったりの人です。
    少年が何故狐になりたいのか最後にわかりますが、なかなかとぼけた味わいの作品です。
    表紙もこれがモチーフになっているようで可愛いです。
    最後に収録されている双子の画師の話はもしかしたら『双子幻綺行』と微妙にリンクしてるのかも??(何分だいぶ前に読んだので記憶があやしい……そして中国人名は覚えられないww)

    装画 / 佐藤 美絵
    装幀 / 中島 かほる
    初出 / 『週刊小説』'98年10月2日号、'99年12月10・24日合併号、『月刊ジェイ・ノベル』'04年1月号、'05年9月号、『オール讀物』'98年3月号、『小説すばる』'99年10月号、『別冊文藝春秋』'98年冬号

  • この本も「長安牡丹花異聞」同様、唐代の奇譚集。ふっと、この本に出会えたのは「碧眼視鬼」の幽鬼たちの仕業だろうか。その幽鬼たちよりも凄まじきものを生身の女性の執念が見せてくれる。

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