Coffee blues

著者 :
  • 実業之日本社
3.51
  • (44)
  • (129)
  • (166)
  • (17)
  • (7)
本棚登録 : 915
感想 : 162
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536002

作品紹介・あらすじ

1991年、北千住の洋館を改装した「弓島珈琲」。店主の僕(弓島大)はかつて、恋人の死に関する事件に巻き込まれた。その時関わった刑事の三栖は、今では店の常連だ。近所の小学生の少女から、いなくなった姉を探してほしいと頼まれた僕。少女の両親は入院と言い張り、三栖も何かを知るようだが、事件性がないと動けない。そんな折り、麻薬絡みで僕の恋人を死に追いやった人物が出所。事態は錯綜するが、店の営業も中学生の少女探しも続けなくてはならない…。紫煙とコーヒーの薫りが漂う"弓島珈琲"。中学生の少女捜しが一転、麻薬絡みの騒動へ。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 主人公ダイが営む喫茶店に小学生の女の子みいなが姉を探して欲しいと相談にやってくる。
    親に聞いても心配ないからいないことは誰にも言ってはダメと言われていると。この事件がダイ自身が深く関わった過去の事件ともリンクしていくのが面白い。
    登場人物みんな個性があってよかったけれど私のお気に入りは丹下さん。カッコよすぎよ

  • 久々の小路幸也さん。“東京バンドワゴンシリーズ”もいつの間にか読まなくなっちゃってたからなー・・なんて思いつつ手に取った本書。続編とは知らずに読んでしまいました(>_<)。

    <弓島珈琲>の店主・ダイこと弓島大は、近所の小学生・みいなから中学生の姉・あゆみの行方を捜してほしいと頼まれます。みいなの両親の不自然な態度は何か訳アリの様子。そんな折、過去にダイの恋人を死に追いやる元凶となった人物が出所したことを知りますが・・。

    前作を読んでいないのですが、ダイに関わる人達との関係性や彼の抱える事情は、読み進めるうちにおおよそ解ってくる感じです。
    読む前は珈琲店を舞台にした人情ものなのかなと思っていたのですが、結構ヘビーな内容でした。
    ただ、<弓島珈琲>の常連さんやダイの友人達が皆いい人達ばかりで協力的なので、内容のわりに重くならずに済んでいますね。
    登場人物が多くて、色んな人が入れ替わり立ち替わり出てくるのですが、人物の描き分けがお上手で誰が誰やら・・とならないのは流石ですね。
    個人的に、<弓島珈琲>で働く元女子プロレスラーの丹下さんはいいキャラで好きでした(ミートソース、大好物です!)。
    複数の事件が絡み合い、どう収集つけるのかなと思いながら迎えた結末は、刑事の三栖さんが明らかにしてくれはしたものの、麻薬や監禁といった犯罪性ある事なのにウヤムヤにするんかい!と、ちょっとモヤモヤした感じが残りました。
    とはいえ、無事に終わったということで読後感は悪くないです。

    前作『モーニング Mourning』読んでみようかな。(内容が)重そうだけど。

  • 小路さんの本を読みたくて図書館で見つけたもの。どうやらシリーズもので、もうひとつ前に物語があった模様。

    勝手にもっと軽い事件を想像していた。5年前の事件、それに伴ってダイにふりかかったこと、元上司との関係、その黒幕は?!と、まぁ、話が進むにつれて加速度が増すような物語。続きはもう少し穏やかな話だろうか。

  • これまで手に取ったけど読むにまで至らなかったシリーズについに手を出してみたら結構好きな感じだった!小路幸也は長編あんまり好みじゃないかなーと思ってたんだけどこれはわりと好きかも。ぼちぼちシリーズを制覇したい。

  • 個性的なキャラ達が出てきて面白いのだが、人間描写や物語の展開、黒幕含め説明も少なく、少し分かりにくい感じを受けた。もしやこの本は続編なのか?と思いながら読み終わった。

  • 喫茶店のオーナーの元に持ち込まれた奇妙な「依頼」が次々に波紋を呼び起こすミステリ。主人公にまつわる不穏な過去など、かなりシビアで重い内容もありますが。それでも読み口はあまり重くありません。
    魅力的なキャラたちが物語を引っ張ってくれる感じでぐいぐい読めました。特に丹下さんがいいなあ。最後の大立ち回りは見もの。
    少女失踪事件の真相もやや重いものが残らないでもないけど。読後感はすっきりします。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      小路幸也は「東京バンドワゴン」シリーズしか読んだコトが無いのですが、これ面白そうですね!(実はコーヒー好きです)
      と書いたけど、ao-nek...
      小路幸也は「東京バンドワゴン」シリーズしか読んだコトが無いのですが、これ面白そうですね!(実はコーヒー好きです)
      と書いたけど、ao-nekoさんは評価ナシなんですね、、、
      2012/10/24
    • ao-nekoさん
      面白かったですよ~。
      私の評価は特にめちゃめちゃ気に入ったのにしかつけないんですよ。
      基本、だいたい面白く読めてしまうので(苦笑)。
      面白かったですよ~。
      私の評価は特にめちゃめちゃ気に入ったのにしかつけないんですよ。
      基本、だいたい面白く読めてしまうので(苦笑)。
      2012/10/25
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「特にめちゃめちゃ気に入ったのにしか」
      ナルホド、、、
      では、それを基準に参考にさせて貰います。
      「特にめちゃめちゃ気に入ったのにしか」
      ナルホド、、、
      では、それを基準に参考にさせて貰います。
      2012/11/02
  • 読み終わった時に、こんなにホッとして、優しい気持ちになれる小説は久しぶりだ。登場人物みんなの、他人を思いやる心と言葉に泣きそうになった。
    これぞ小路幸也、というような、シリアスだけど優しい物語。面白く、そして温かい。良い話だった。

    「モーニング」を先に読んだ方がきっとより楽しめる、のかな。別に読んでいなくても平気だけど、読んでいると、最後の8行がもうなんかすごく心にくる。これはもうモーニングという作品を読んでいないとわからないと思う。うまく説明できないけど、なんか泣きそうになった。

    小路幸也が描く、善人が好きだ。安心する。こんなわけがわからないくらい善人しか出てこない、すごく良い話を書いちゃうから、大好きな作家なんだ。
    この話のような、とびきり優しくて温かい素敵な街がきっとどこかに存在していると、信じてる。[2012.01.30]

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「とびきり優しくて温かい素敵な街」
      良いですねぇ、、、
      小路幸也の作品って、「東京バンドワゴン」シリーズしか読んでないのですが、これは良さそ...
      「とびきり優しくて温かい素敵な街」
      良いですねぇ、、、
      小路幸也の作品って、「東京バンドワゴン」シリーズしか読んでないのですが、これは良さそう、、、早く文庫にならないかな?
      2013/07/03
  • ★「ブルースが流れ続けるってわけさ。お前の毎日には」p.349
    ▶ダイは三十歳前後のようです。『モーニング』の十年くらい前でしょうか。▶小路幸也さんの話にはミッションの発生するものが多いですが今回はみいなちゃんが捜しているあゆみちゃんの状況を調べ解決することと、ダイの恋人だった夏乃が死んだ事件の原因になった男を夏乃の父が殺すつもりなのをどう止めるか。▶追加で、何者かがダイをハメようとしている。誰が、なぜ?▶出てきた音楽はB.B.King、オーティス・レディング、チェット・ベイカー、マディ・ウォーターズ、クリスタル・ゲイル、エリック・クラプトン、ロッド・スチュアート、ライ・クーダー、スティービー・ワンダー、B.B.King「Tomorrw Night」。

    ■弓島珈琲についての簡単なメモ(シリーズ通して)

    【一行目 モーニング】葬儀が、終わった。
    【一行目 コーヒーブルース】ひらひらと一枚きり。

    【茜】緒川茜(おがわ・あかね)。皆が十九歳だったとき二十四歳のOLだった。かわいい感じの人だった。ダイが「パラダイス」でしでかしたほとんど唯一の失敗によって親しくなった。短大の頃バンドでボーカルをやっていた。
    【あやか】ダイが猫を捜してあげたらしい。
    【あゆみ】ダイと結婚する女性。
    【あゆみ】芳野あゆみ。『コーヒーブルース』でみいなが捜している姉。千住若葉中学一年生。『モーニング』でダイが結婚する予定になっている「あゆみ」とたぶん同一人物と思うが?
    【生原堂】和泉のお気に入りの和菓子屋。
    【和泉朋樹/いずみ・ともき】ダイが働いていた会社の同僚でコピーライター。
    【インターフェイス】ダイたちのバンドの名前。
    【有働/うどう】刑事。
    【柿沼裕平/かきぬま・ゆうへい】淳平の父。離婚した父親は後に有名な調理人になった。
    【香世/かよ】大きめの前歯がキュートな女の子。ご近所の高校二年生。子どもの頃から顔見知り。純也とは幼馴染み。幼稚園の先生になりたい。
    【苅田/かりた】ご近所の常連さん。駅前の通りでビリヤード場を経営しており町内の防犯安全委員会の会長。商売柄荒事には慣れている。「シューズアダチ」の(のある建物の?)二階に住んでいる。三栖とは少し因縁がある。
    【花凛/かりん】ある人物と結婚する女性。美術関係の仕事をしている。
    【関係】淳平と真吾は高校の同級生で後の三人は大学に入ってから知り合った。ダイと淳平が同じカフェ「パラダイス」でアルバイトし知り合い、ダイの祖父母が亡くなり空き家になった一軒家で一緒に暮らすことになったところに他の三人も参加した。バンド「インターフェイス」を組んだのは淳平以外皆が高校時代にバンドをやっており偶然、真吾がドラム、ヒトシがベース、ワリョウがキーボード、ダイがギターとうまい組み合わせとなった。淳平は歌がうまくルックスが良いのでボーカルにスカウトした。そのまま四年間仲良く暮らした。その家を改装して始めたのが今ダイが経営しているカフェ。ワリョウいわく《ヒトシはやたら熱くて、真吾は素直で優しくて、ダイは不思議で温かくて、淳平はスマートでカッコよくて》モーニングp.237
    【クロスケ】「弓島珈琲」の家族。大きな黒い犬。子どもと女性には大喜びを示すが大人の男には愛想がない。
    【小菅秋人/こすげ・あけひと】ダイの高校時代の友人。剣道部員だった。中学教諭。『コーヒーブルース』時点で千住若葉中学教諭。笑っているように見えるのが地顔で「スマイリー小菅」と呼ばれていたがクラス一の武闘派だった。
    【時代】1980年からの四年間を『モーニング』の五人は共に過ごした。ジョン・レノンが殺され、ファミコンが発売され、映画「ET」が話題になり、バブル期の萌芽の時期。
    【じゃうじー亭】真紀のお気に入りのハンバーグを出す。
    【淳平/じゅんぺい】大野淳平。やたら大きなワンボックスカーを借りてきた。劇団俳優。売れなかったがテレビでヒロインが通うバーのマスター役をして以来その甘いマスクと渋さで人気が出てきているところ。真吾の葬儀のあと、レンタカーで行けるところまで行って自殺すると言い出した。真吾とは高校の同級生。バンド「インターフェイス」ではボーカル担当。母子家庭だった。
    【純也/じゅんや】ご近所の高校二年生。子どもの頃から顔見知り。香世とは幼馴染み。
    【真吾】河東真吾(かわとう/しんご)。『モーニング』冒頭で彼の葬儀が行われた。交通事故だった。真吾の妻の裕美子(ゆみこ)は茜の妹、娘は結花(ゆいか)。バンド「インターフェイス」ではドラム担当で才能があった。皆の中では弟キャラだった。メガネ男子だったがいつも奇妙なメガネを選んだ。酔っぱらうとメガネを失くした。実家は福岡なのに横浜の高校に来ていた。
    【千寿朝日小学校】ダイの母校。千寿第二小学校と合併して千住元町小学校になった。店の窓から見える位置。
    【ダイ】語り手の「私」で主人公。弓島大(ゆみしま・だい)。カフェを経営している。四十五歳で初めて結婚したい相手ができ、十七歳年下らしい(ということは二十八歳)。父親は大学教授で偶然同じ大学の同窓生だった(顔を知っている程度)だったがその後本当に親しくなった。バンド「インターフェイス」ではギター担当。《無個性であることが逆に個性になるタイプ》らしい(モーニングp.159)。高校時代のあだ名は「ダイ善人」。武闘派ではない。
    【退職】《自分の周囲の細かな事柄に眼を向けられるようになったのは会社を辞めてからだと、ついこの間気づいたばかりだ。やはり三十という年齢になるというのは、そういうことなのかなと思う。》コーヒーブルースp.4
    【丹下】「弓島珈琲」のもしかしたら実質的な店長かも。特製ミートソースは絶品。ふくよかで子どもに人気があり男の子たちは「ボヨヨンおばさん」と呼んでいる。ダイの母の高校時代の後輩で親しかったゆえ幼少時からダイを知っている。元女子プロレスラーの草分け的存在。ヒールでリングネームは「キラー・ザ・怒子(どこ)」。夫もプロレスラー。たばこはショートピース。書道三段。
    【チップス先生さようなら】茜さんがよく読んでいた本。
    【津村まりも】『コーヒーブルース』時点で千住若葉中学教諭。あゆみの担任。小菅と結婚する予定。空手の有段者で空手部を作りたがっている。気が強い。
    【ドラクエ2】「ずさわがしへへじたそすらぶまやほちさひめつずぺきぬじぶひぼぱぽぴくほずらわえらごべがじすきみちとゆべたざ」は最強の「ふっかつのじゅもん」なんだとか。ぼくもまだ持ってるので試してみようかしら?
    【中島宏】茜の婚約者だった男。
    【夏乃/なつの】ダイの恋人だった。同僚でグラフィックデザイナーだった。薬漬けになって亡くなった。
    【並び】学生の頃から歩くときなぜかダイと淳平、その後ろにヒトシとワリョウ、最後に真吾という並びになった。
    【年齢】ダイが四十五歳ということなのでだいたい皆それくらいだろう。
    【橋爪道雄/はしづめ・みちお】夏乃が死んだ原因を作った男。夏乃の高校時代の部活(ブラバン)の先輩。『コーヒーブルース』開始時に刑期を終えて出所した。
    【母休養日】香世と純也の母親は仲が良く何ヵ月かに一度発作的に家族の世話を放棄し揃って遊びにいくそうだ。
    【パラダイス】ダイと淳平がバイトしていたカフェ。オーナーで店長は渋谷。
    【ヒトシ】上木晃一(うえき・こういち)。名字が「ウエキ」なので淳平が「ヒトシ」と言い出した。水戸で中学校教師をしている。大柄で四角い顔。今は丸刈りに近いが昔はアフロっぽい頭だった。バンド「インターフェイス」ではベース担当。
    【フロマージュ】夏乃のお気に入りのパン屋。
    【本間】ダイが小学四年生のときの担任。その家庭のゴタゴタに巻き込まれた結果、本間の息子の名前が「大」になった。
    【真紀/まき】ダイの元同僚。グラフィックデザイナー。
    【マコト】ダイの幼馴染み。上関精肉店(かみぜきせいにくてん)の三代目。弓島珈琲が忙しいとき手伝ってくれたりする。
    【マスター】《カウンターにマスターがいつもいてこそ、その喫茶店の雰囲気が保たれる。》p.243
    【松田】神保町にある松田珈琲店のマスター。十七歳のとき北海道から家出してきてそのまま東京に住み着いたという噂。ダイが会社員時代よく来ていた。
    【みいな】芳野みいな。小学二年生。姉のあゆみを捜している。父は芳野建機社長。
    【三栖良太郎/みす・りょうたろう】常連客。刑事。係長補佐。三十五歳。息子の宏太は別れた妻に引き取られており養育費でいつもピーピーいってる。下戸のようだ。「弓島珈琲」二階の住居スペースにあるファミコンやスーファミで遊ぶことがある。細いが五人前のミートソーススパゲティを平らげる。半年ほど前に上司の失態のスケープゴートにされたらしい。ダイの両親が伊豆に引っ越したので空き家になった家を借りた。苅田とは少し因縁がある。コーヒーは濁っていればそれでいいというタイプ。あ、ぼくもそうです。《どんな事件でも、自分で動けばなんとかなる。》コーヒーブルースp.266
    【裕美子】真吾の妻。茜の妹でよく似ていたが姉に比べ元気で活発。話題があっちこっちに飛ぶタイプ。
    【弓島珈琲】ダイの店。実家を改装した。BGMはCDプレイヤーはなくレコードをかける。十時に開店し最初の一曲はブルースと丹下さんが決めている。閉店時間は適当に。コーヒーはサイフォンで淹れる。酒は出さないが常連が持ち込んで呑むのは騒がなければOK。古くからのご近所さんたちが古いものを持ち込んでくるのでそれを修繕して売ったりしている。
    【弓島昭子/ゆみしま・あきこ】ダイの母。夫とともに伊豆に引っ越した。
    【弓島晃次/ゆみしま・こうじ】ダイの父。大学教授だったが『コーヒー・ブルース』じてんでの昨年退官し第二の人生を楽しむために伊豆に引っ越した。
    【弓島大/ゆみしま・だい】→ダイ
    【芳野建機】芳野一慶(かずよし)が創業、現在の社長芳野邦彦(くにひこ)が、あゆみとみいなの父親。妻はのぞみ。建設機械のリースと建築資材の卸などをやっている。若干傾きかけている。
    【芳野みいな】→みいな
    【吉村武彦/よしむら・たけひこ】ダイが会社員だったときの上司で取締役。有名なグラフィックデザイナー。夏乃の父。
    【若林/わかばやし】カメラマン。
    【ワリョウ】美園和良(みその・かずよし)。金沢の豆腐屋「美園豆腐/みそのとうふ」の四代目。学生時代から継ぐと決めておりそれまでは遊びまくるとナンパを繰り返し成功率は高かった。バンドではキーボード担当で才能があった。

  • 2022.9.18

  • 小路幸也ワールド。
    読む前から安心して浸れるとは、なんとも有難い。
    読み進むうちに、登場人物が目の前に登場し、映画のように、あっという間にハッピーエンドとなる。
    なんという贅沢な事だろう。

  • ダイシリーズ2。
    中学生のあゆみちゃん捜索。
     
    C0093

  • タイトルと読み始めからは想像してなかったスリリングな話だった。雲行きがどんどんドス黒くなってちょっと恐怖すら感じたけど、やたら腕っぷしの強い仲間がいつの間にか主人公の周りを固めていて"いざ!"って時には1ミリも心配せず見守る事ができた。
    事件が話題の時はかなりピリッとした雰囲気だけど、日常のリラックスした穏やかパートも好き。純也にやたら警察官を薦めるくだりフフッとなる。
    どんな人でもクロスケが寄ってくるとちょっと笑いかけて可愛がる描写があるのも、なんとなく人間を感じて好き。

  • 複数の事件が入り交じって、おもしろかった。
    前作の mourningを読んでからかなり時間が経っているため、背景を忘れてしまっていた。

  • 5年前に恋人を失ったところから始まる事件と、ある小さな女の子の来てお姉ちゃんを探して!と頼んだことをきっかけに明るみに出た事件とが、絡んで展開するお話。
    コーヒー店を手伝う丹下さんも、刑事の三栖さんも、高校生2人組も、刈田さんも、登場人物たちの個性があふれていて、楽しく読めました。
    (題名からイメージした話とはだいぶ違っていたけど)

  • この作家さんの本は初めて。図書館にも沢山本が並んでいて、この人の本面白かったからこの先の読書生活が潤うことを思って嬉しくなった。ダイの過去が悲劇的だけど全体的にあまり思い感じではないのが良かった。
    スカイエマさんの装画がイイ!

  • ダイシリーズ2弾。30代のダイ。
    未来の恋人、あゆみと出会うきっかけの事件。
    誘拐か、脅迫か、復讐か。
    過去の恋人を失った後悔が絡んで。その原因となった橋爪が出所した。余計にややこしく。
    ハラハラドキドキ。心に傷は負ったかもしれないけれども、誰もが無事で良かった。

  • 6

  • 1991年、北千住の洋館を改装した「弓島珈琲」。店主の僕(弓島大)はかつて、恋人の死に関する事件に巻き込まれた。その時関わった刑事の三栖は、今では店の常連だ。近所の小学生の少女から、いなくなった姉を探してほしいと頼まれた僕。少女の両親は入院と言い張り、三栖も何かを知るようだが、事件性がないと動けない。そんな折り、麻薬絡みで僕の恋人を死に追いやった人物が出所。事態は錯綜するが、店の営業も中学生の少女探しも続けなくてはならない…。紫煙とコーヒーの薫りが漂う“弓島珈琲”。中学生の少女捜しが一転、麻薬絡みの騒動へ。

  • 北千住の洋館を改装した“弓島珈琲”。紫煙とコーヒーの薫りが漂うこの喫茶店には、常連も事件もやってくる。店主の弓島大が依頼された中学生の少女捜しは一転、麻薬絡みの騒動に発展して…。『ジェイ・ノベル』連載を書籍化。

    最後にバタバタと解決。

  • 面白かった。夜勤前に一気読みでした。

  • 勘や何か違和感があるという
    わざとらしい伏線が多すぎるのと
    登場人物が無駄に多くて
    楽しめなかった。
    内容も過去のお話にとらわれすぎて
    あたし的には
    合わなかったかな。

    もう少し善悪の解りやすい捕物帖になっていると良かったんだけど。

  • 「弓島珈琲は午前10時開店、閉店時間は適当に」。オーナーのダイと従業員の丹下さんの営む喫茶店に突然、振ってきた2つの事件。常連さんたちが集まって、事件を解決しようと奮闘してくれる姿は、ダイの人柄が愛されている証拠。少女失踪と麻薬がらみの2つの事件が同時進行で進む。人は誰でも、一生、背負っていかねばならない物を秘めて生きていくものなのかもしれない。ダイも「それ」から逃げることは出来ない。でも、彼は毎日、コーヒーを淡々と提供し続ける。ちょっと、急ぎ足のエンドだったが、やはりコーヒーがある風景は人をなごませる。

  • 洋館を改装した<弓島珈琲>。
    店主の弓島大はかつて、恋人の死に関する事件に巻き込まれた。その時関わった刑事の三栖と彼をとりまく友人たちの手によって身近に起きた事件を解決していく。
    やさしいお話。

  • ★2016年4月5日読了『コーヒーブルース』小路幸也著 評価B

    小路氏にしては、珍しく本格的なサスペンス推理小説的な長編作品。ただ、それでも善人力を合わせて、事件を解決していくところは、東京バンド・ワゴンシリーズと何ら変わりはないけれど。

    今は東京郊外で祖父母の家を改造して、喫茶店のマスターをやっている弓島ダイ。一度は広告代理店に8年前に就職したものの、ある事件が5年前に起こり、誤認逮捕をされて結局、会社をやめた。その因縁の誤認逮捕をした刑事の三栖良太郎はバツイチだが、いまは弓島喫茶の常連で3日と空けずに通ってくる。その喫茶店にひょんなことから、芳野あゆみという小学2年生の子が、姉の捜索を頼みに飛び込んでくることから、弓島と三栖は、芳野家の事件に巻き込まれていく。そして、5年前の忌まわしい事件、ダイの恋人を死に至らしめた犯人の橋爪も出所して、あゆみの姉の行方不明事件に関係してくるのだ。

  • 終盤まで事件の謎が全く見えて来ないのでとても惹きつけられるけど、
    種明かしを読むとあまりにもご都合主義過ぎてガッカリでした。
    あと、文章の書き方が僕には合わな過ぎて、物語を自分の中に飲みこむに苦労しました。

  • 登場人物が多くて、ちょっとイライラしてしまった。なんか腑に落ちない場面があって、次作を読むかは微妙なところですね。花咲小路シリーズの方が面白かった。

  • 小路幸也さんの作品2作目です。
    モーニングの15年ほど前の話みたいですね。
    展開が急激にスリリングになっていきますが、ドキドキ
    しながら読みました。
    2つの事件が繋がっていく面白さがあったし、何よりも
    かっこいい大人たちのいることよ!
    こんな喫茶店の常連になりたいな~。

  • やっぱスカイエマさんの画は素敵ですね。
    雰囲気があって好きだー。

    そして、小路さん。不思議図書館ものがおもしろかったので
    他のもよんでみよーっと手にとる。
    こみち、じゃなくて、しょうじ、さん、なのね。

    恋人を失い、仕事を辞め、家を改装して喫茶店を始めた青年。
    気の良いご近所さんに囲まれ、それなりに穏やかな生活を送っていたのだが、小さい女の子の姉を探して欲しいという頼みごとから、なにやら不穏な気配が・・・。

    喫茶店と同じくなんだか雰囲気のある主人公。
    辛い過去を抱えている、というとこよりは、
    人の気配を感じる力、とゆーか、直観力の鋭さ?みたいな、ああ、勘がいいってゆーやつかな、そーゆー人間自体の魅力が大きい。
    人間的魅力、といえば周りのキャラクター全てにいえることで、こーゆーのをキャラが立っている、というのかも。配役がしやすそうだ。

    三栖さんの忠告電話なんて、普通気づくもんだろうか?
    うーん、私なら軽くスルーしてまんまと捕まりそうだ。

    最奥の事件、いわゆる友達の気持ちを推し量り過ぎて暴走、に関しては、アリ、なのか?だとか、
    え?娘がクスリに手を出してその挙句死んだのをなぜ恋人のせいにするんだ?とか、ちょいちょい違和感はあるものの、全体としておもしろかった。

    なにやらあったらしい、主人公の大学時代の話だとか気になる。

    にしても喫茶店のナポリタン、いいですねー。
    そーいや、喫茶店で食べたことはない気がする。

  • 最初はまどろっこしい感じで中盤から加速しかけたのに、またゆったりなって最後の30ページでねじ伏せたな、と。

    ある女の子がお姉ちゃんを探してと主人公に頼むところからはじまるのですが、ミステリーではない。
    ジャンル分けが難しいな、これ。

    不快な感じではなかったのですが、どうもつかみどころのない話だったな、と。

    人物造形は素敵。
    丹下さんがすごくカッコいい!

  • 喫茶店を営む男の人が主人公。出てくる人たちの雰囲気が小路さんらしいなと思う。先が気になってぐいぐい読んだけれど、結末があぁそうなのかと思う。
    2015/7/23

全162件中 1 - 30件を表示

著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

小路幸也の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×