ガレキノシタ

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 152
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536057

感想・レビュー・書評

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  • 崩壊した瓦礫の下で、それぞれの生き抜くための闘いが始まる。
    何があっても生きて戻る!
    危機的状況の中で一番必要なものは、生きて戻るという強い意思なのだろう。
    人との出会いは成長していく過程で大きな影響を与える。
    北野との出会いが、少年を救う。
    そして北野の普段の生き方が、結果的には多くの命を救うことになる。
    北野のように、そして瓦礫との闘いを経験した者たちのように、いざというとき強くあることができるだろうか?
    強くありたいと思う。
    諦めてしまいそうな弱い心に打ち勝ちたいと思う。

  • 突然の学校の崩壊。瓦礫の下に閉じ込められた生徒や先生、色々な立場・境遇の人たちのお話。
    つらい境遇に置かれた彼らだけれども、爽やかな読後感。
    キーマン北野がカッコ良い。言葉がストレートに響く。

  • 書帯の通り!…それぞれの極限状況下の青春小説は心に突き刺さる。確かに確かな、ほんとうのヒーローだネ♪

  • なかなかよかったですが、ガレキノシタだからこそ、という部分が今一つという感じです。

  • はじめはすごく引き込まれたが中だるみした感じ。
    第一話はありきたりな展開ながらぞくとっした。
    あとはラストくらいかなあ。
    でもエピローグはまたきれいにまとまりすぎてつまんない感じも。。。

    このミス受賞作の屋上ミサイルは途中で挫折したけど、もう一回トライしてみるか。。。ほかの作品を読んでみるか。

  • 山下貴光をはじめて読んだ。なかなか面白い。
    この人、青春小説の名手になりそうな予感がするなぁ。ちょっと追いかけてみよう。

    本書は突然崩壊した校舎に生き埋めにされた7組の高校生や教師達の物語。
    瓦礫の下に閉じ込められ、改めて自分と向き合い、他人と向き合い、自分を見つめなおす若者たち。異色の青春小説だ。
    彼らが恐怖の中で希望を失わなかった理由とは…。

    この小説のキーマンは北野くんというキャラクターだ。
    皆が瓦礫の下で希望を失わなかったのは、北野くんの行動や言動が彼らの心に痕跡を残していたから。

    北野くんは他人の痛みを自分のこととして感じることができる優しい男だ。そして、いつも友人のそばでメッセージを発し続けている。
    すなわちそれは、著者から若者たちに向けたメッセージなのだけれど。

    印象的な場面がある。
    ある生徒がいじめを理由に自殺をした後の緊急朝礼で、学校の責任を認めようとしない校長の曖昧な発言に北野くんが立ち上がった。彼はおもむろに校長のいるステージに上がると、校長の肩を突き飛ばした。そして、さらにそれを冷ややかに見つめる生徒たちに向かい、彼は机に自らの額を打ちつけ、額から血を流しながら「恥を知れ!」と咆哮したのだ。

    そんな彼の存在が何故か「ガストン・ボナパルト」と重なる。
    というのはちょっと大袈裟かな。
    個人的には北野くんをもっともっと活躍させてもよかったかなと思うんだが。まあ、また、別の作品に登場しそうな予感がするので、しばし待とう。

    『男には人生の中で本気を出さなきゃいけない時が、三度あるんです。(中略)将来の道を選択する時、プロポーズをする時(中略)それから、本気を出さなければいけない時』(P198)

著者プロフィール

1975年香川県生まれ。京都学園大学法学部法学科卒。第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2009年受賞作「屋上ミサイル」を刊行。著書に『ガレキノシタ』『HEROごっこ』など。

「2016年 『筆跡はお見とおし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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