東京ネバーランド

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著者 : 吉川トリコ
  • 実業之日本社 (2012年7月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536064

東京ネバーランドの感想・レビュー・書評

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  • つかみどころのない不思議な男、波多野一人。あるときはデリバリーホスト、あるときは十代相手の便利屋…定職を持たず、ヒモのように様々な女性の間をふらふら渡り歩きながら東京を漂う彼。OL、主婦、中学生…空虚さを抱える様々な世代の5人の女性によって語られる「一人」像は、正直新鮮味は感じないのだけど、何故だか妙に惹かれるのだ。きっとこのテの人たらしイケメンに昔から弱いからだとは思うのだが。
    とはいえ、小ネタいっぱいのマシンガントークが持ち味の吉川作品に慣れていた私にとっては、この展開がちょっと普通、というかベタすぎる?とも思った。のだが、読み進めるほどに謎めいていた一人のキャラが少しずつ明らかになっていき…ラスト2章、特に最後の一人による語りの章は、吉川さんらしさが詰まっている。ここは賛否両論かもしれないけど、私は好きだな。彼の本音の一部を知ったことで、腑に落ちた部分もあり。ありがちなモテ男キャラにひねりを加えていて、適度に汚れた感じがかえってすんなり受け入れられる。
    もうひとつ魅力的なのが、たうみまゆさんによる本文イラスト。え、マンガのイラスト?イメージ限定されそうな?とも思ったのだが、むしろそれがよかった。たうみさんの描く一人はイケメンでありながら、独特の倦怠感を滲ませていて絶妙。
    一人=ピーターパンと安直に絡めたくはないが…ピーターパンにしては小汚いし小狡いし、あれこれ器用にこなしちゃうところが小憎らしいのだけど、嫌いになれないのがまた悔しいのよね~。地に足付いてないところが彼の魅力なのだ。
    彼と出会って、何だかんだ振り回されつつも、結局は皆自分を取り戻し、一歩前に踏み出せるようになってる。できることならもっと一人の物語を読みたいかな。きっと、一人に会いたい!と願う人続出に違いない。妄想上等!もひとつできることなら、たうみさんによるマンガ化も希望。

  • 読み終わった瞬間 「しまった。うかうかとヒトリに恋しちゃたじゃないか」と思ったw。
    1章読むたびに、なんてひどい男だ。サイテーサイアク!と文句をつけていたのがいつの間にかヒトリという男が気になって気になって仕方なくなる。そして最終章でストンっ!と落ちます。そう、恋に。まっさかさまに。
    まさにトリコにトリコ、状態です、はい。
    「ヒトリ恋メン(ヒトリに恋するメンバ)」絶賛募集なう!

  • 何処にもない国に、住み続ける「ヒトリ」にも実は家族がささえっだったのね?って、オチで。

  • 美しく整ってはいるが、何を考えているのかわからない男。女たちを魅了しながら特定の誰にも執着できない男。

    実写化するならジャニーズの伊野尾くんでお願いします。

  • 評価は全体。
    デリバリーサンタクロース…窓の外に降る雪と部屋の中の儚い恋がシンクロしているみたいで印象的。
    漂泊シャネル…雨の中に消えていく恋。森高千里の雨(古い!)を思い出す自分に幻滅。
    東京タイガーリリー…登場するのは自由な人たちばかりだけど、サラサラした海辺の砂に似た心地よい感触が残った。
    ウェンディ、ウェンズデイ…ちょっとした火遊びを通していつまでも褪せる事のない永遠の日の想い出が蘇る。
    ティンカーベルは100万回死ぬ…兄を愛する妹の叶わぬ願い。この願いを抱えながらいつも一緒にいるのも辛そう。
    屋根裏のピーターパン…これほど女に恵まれているのに、そこにあるのは底の見えない孤独感。生涯一人の異性とも出会えない人からすれば憎たらしい話だけど。

  • これから応募するのの参考に…と思って過去に受賞された方の著作を読んでみました。
    吉川トリコさんは「この部屋で君と」というアンソロジーの「冷やし中華にマヨネーズ」という短編を読んだことがあります。
    その短編を読み、駄目男書くの上手いなぁと思いましたが、この作品の中でもホント上手い。
    「冷やし中華に~」の方は割と所帯じみたダメ男でしたが、今回はミステリアスな美形かつ床上手設定で(笑)、さらに惹かれました。
    実際のこういう男はお断りって人多いだろうし、本の中でこそまさに生き生きと「生きる」設定だと思います。

  • トリコさんの作品はちょっぴりエロスなイメージだけどこれはあまりその辺が気にならない。野良猫のようなヒトリが魅力的。好きになるつもりがなくたって気がつけばはまってしまいそうなキケンなカオリのするオトコ。これを読めばあなたもヒトリ中毒。2013/424

  • 帯タイトルは
    「波多野一人、通称ヒトリ。
     ふしぎな男。
     どうしようもなく
     恋しい男。」

    装丁が綺麗で
    タイトルが綺麗で
    手にとりました。
    読みやすいので、
    ドキドキしたくて恋愛を読みたかった私にはぴったり。笑

    中にも各章ごとに一枚ずつ絵が差し込まれてます。
    どれもヒトリと、
    ヒトリと出会った女性を描いてますが
    これが世に言うヘビ顔男子?笑

    三白眼と
    くしゃくしゃな髪の毛と
    華奢な体。

    心を許しているようで
    結局置き去りにされるといい、
    みんな利用して
    通り過ぎていくというヒトリ。

    だけど、
    女性たちは女性たちで
    自分のコンプレックスと向き合ったり
    彼が本当に私を好きになるのか
    疑い、苦しみ、
    それならばと自分の持ち場に戻っていく。

    ヒトリだって充分すぎるほど、
    ふらりと心を何処かへやってしまうじゃないか。

    女性たちの渇きを潤しているとき、
    ヒトリは誰かに満たされていたのかな。

    「だから、せめて、
     おれのことはおぼえててほしいと思えるような、
     そういう相手としかやらないよ」

    女が本気で欲しいと気付いたとき、
    ヒトリは絶対に手に入らないと気付く。
    そして失望していく。

    どんなに恋しても欲しても手に入らないヒトリ。

    からから笑って、ふわふわと近寄って、
    忘れられないものを残していく。

    そんなヒトリがいる場所は、ネバーランド。
    いつまでも少年のようなピーターパンの側には
    純潔なティンカーベル。
    そしてひと時を過ごすウェンディ。
    やがてウェンディは大人になるために
    年を重ねるために元の世界に戻っていく。

    忘れられない少年が聖なる夜に現れた「デリバリーサンタクロース」

    買い物にのめり込む私の前に
    薄汚れた格好でシャネルを持って現れた「漂泊シャネル」

    いびつな家族のかたちに立ち向かおうとする私の前に
    ドリームキャッチャーをつけて現れた「東京タイガーリリー」

    夫と子どもと枯渇しかけ、私の前に現れた「ウェンディ、ウェンズディ」

    ずっと側にいることを決めた妹の私「ティンカーベルは100万回死ぬ」

    ドアを開けるとそこには俺の子だという赤ん坊が「屋根裏のピーターパン」

    どれもタイトルが本当に素敵です。
    ただ、その中に織り込まれているのは
    甘く甘く希望に満ちたおとぎ話なんかではなく
    セックスも嫉妬も悲しみも混ぜ込んだ
    夢物語です。

    関わってはいけないと思っていても
    惹かれずにはいられない、
    手をのばさずにはいられないヒトリという存在。

    最初はふしぎな男の子だったけど、
    最終話はなんだかその辺にいるような男の子に感じれました。
    装丁や挿絵から感じられるように
    あまり深みとか奥行きまで見ようとせずに
    その場に流れている空気や
    どこか現実なのかわからない感じを大切に読んでました。

    個人的には
    長年思いこんで美化というより、
    もう一生忘れられないくらい
    とっておきの場所にしまいこんでいる
    鏡子が好き。

    ノーセックスなのも。
    とゆーか、気持ちが鏡子に近いのかも。笑
    いちばんスマートでロマンティックで。

    私もカガミコちゃんになりたい。笑

  • 本文イラストとそこにある言葉に惹かれて購入。
    どちらかというと大人の女性向けの内容で、子供が呼んでもピンとこない。
    女の理想像的な男を描いた話かなーという気がしたけど、それはそれでいいと思う。

  • 2013.4.12〜2013.4.12

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東京ネバーランドの作品紹介

波多野一人、通称ヒトリ。ふしぎな男。どうしようもなく恋しい男。五人の女性たちが出会ったひとときの夢物語。

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