微笑む人

著者 :
  • 実業之日本社
3.08
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本棚登録 : 1178
感想 : 252
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536071

作品紹介・あらすじ

事件はすべてのはじまりにすぎなかった。エリート銀行員はなぜ妻子を殺したか。

感想・レビュー・書評

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  • 初めての作家さん。
    タイトルとは真逆の内容にびびってしまった。

    中途半端な物語の終わり方は、逆に読む人の想像力を刺激してくれます。

    微笑んでいる人は、本当はどんな人なのか考えてしまいそうになります。実際は見た目を信じてしまうと思いますけど。
    暗い心の中を覗きたくない人には、おすすめできないかもしれません。

  • 自分が飲み込めない理由を持っている人への興味もまた一つの魅力であり、畏怖であり狂気の根源への期待であったりすることから、関わりながら生きていく事の面白さを知るところである

  • ものすごくモヤモヤ。読中も読後もモヤモヤ。せめてラストを読者にゆだねるのはやめてほしかった。これはドラマとか映画で見た方が怖さが増して面白そう。

  • 人を見る時、自分のフィルター(先入観とも言うのかな?)を通してみると、相手の本当の部分が見えなくなる。と、言いたかったのかなぁと思います。
    で、結局、事件はどうなったの?という感じで、中途半端です。

  • とっても久しぶりに貫井徳郎の本を読んでみた。小説家がノンフィクションを書く態で、淡々と物語が語られる。仁藤と言う男性が妻と娘を殺したところから、物語は始まる。とても穏やかで人当たりも良く、およそ人を殺すことなどあり得ない仁藤の動機は自宅の本を置くスペースを確保したかったから。動機に納得出来ない作家の主人公は過去に遡り、仁藤の人物像を暴いていくうちにいくつもの不可解な事件に遭遇する。ラストが騙されたのか、主人公が行き着いた先が本当の答えだったのか、非常に悩む。これまで読み慣れた作品と一味もふた味も違う内容に戸惑いも多々あるので、評価は少し辛め。

  • 一体仁藤とは何者だったのか?
    妻子を殺しているので極悪人には
    間違い無いのだか、本の置き場所が
    無いから殺したと言う理由にもならない事
    で殺人を犯すとは、誰も納得出来ない。
    誰もが理解出来ない恐ろしい事には
    皆が納得する理由が必要だ。
    だが、理由なき殺人は現実にも確かにある。
    まともな人間には理解出来ない、理解出来な
    いからなお恐ろしのだ。

  • 解決すると思って読んではいけない。
    なんでも自分のものさしと視野だけでみていてはだめなんだろうな

  • ある小説家によるノンフィクション風ルポタージュ

    プロローグ
    第一章 逮捕
    第二章 疑惑
    第三章 罠
    第四章 犬
    第五章 真実

    妻子を「本を置くスペースがなくなったから」という動機で殺害した仁藤俊実に興味を覚えたある小説家は、仁藤の過去から現在に至る関係者に話を聞いてまわる。

    仁藤の評価は高く、とても殺人を犯すような人柄ではないと皆口を揃えて言うが、過去に仁藤の廻りで不審死が起きていることが分かり、不審死にまつわる仁藤の狂気の片鱗を集めていく。

    とても殺人を犯さないような評価の男が、このような動機で殺人を起こすと、周囲は理解できずに自分の腑に落ちるところに物事を落ち着けようとするが、「いい人」の中にも、狂気な一面を覗かせる仁藤のような人間に、小説家は徐々に恐怖と確信を抱いていく。


    賛否両論、読者の好みも分かれると思いますが、大変興味深く、いろいろ考えさせられる作品でした。

    理解できない動機で犯罪が起きる昨今、大部分の人は自分が腑に落ちる形に物事を当てはめ消化しようとするけど、理解できない動機が真実だったとしたら、人間というものの脆さ、恐ろしさに身震いしてしまう感じがしました。

  • どんな残虐な事件よりもこわいかもしれない。夜なべして読むんじゃなかったわ、表紙も今見ると怖いし。。
    怨恨での殺人より無差別の通り魔とかの方が怖いけど、それはたぶんその犯人にとっては社会への恨みとか自暴自棄とか動機があったり(報道が真実とすれば、だけど)心神耗弱状態だったり理由らしきものがあるわけで、この本の犯人の動機は。。
    他人の心の中なんて誰にもわからない、推測することしかできない。推測の確度をなるべく上げるってだけで100%なんて無理なんだろう。そもそも仁藤なんて真っ白か真っ黒かもわからない。

    わかりやすいストーリーを当てはめて納得したい普通の感覚の人への警鐘?皮肉?なんだろうか、この終わり方は…。

    全然違うけど、ドラマ「カルテット」では、人生白黒はっきりわからないことばかりだよねって納得してたのに、こと犯罪となるとそうはなかなか考えられない。

  • 人を完全に理解することは
    できない
    なので言葉にしてくれ
    とお願いするお単細胞なわたくし

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著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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