煽動者

著者 :
  • 実業之日本社
3.20
  • (9)
  • (27)
  • (56)
  • (17)
  • (3)
本棚登録 : 249
感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536118

作品紹介・あらすじ

無血主義を貫くテロ組織に隠された謎。これぞ閉鎖状況ミステリーの傑作。

感想・レビュー・書評

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  • これを読み終えてから気がついた。
    『攪乱者』という本があっての『扇動者』なんですね。週末テロリスト集団。

    淡々とした登場人物の語り口、これに違和感を持つ人も多いかと思いますが、私は嫌いじゃないな。
    論理的に分析しつつ、順序だてて物事を整理して仮説を立てて結論を導き出そうとする。
    (そう、私には備わっていない能力だからなんですよ。)

    他にも週末テロリストシリーズってあるんだったら読んでみてもいいなと思いました。

  • 「無血主義のテロリスト集団」というロジックを展開したいのか、ミステリーを読ませたいのかが微妙なバランスである。ミステリーとしては、あまりにも厳重なクローズドものだし、犯人当てはあまり意外性がない。ただその犯罪を成立させているのが、「無血主義のテロリスト集団の存在」というロジックなので、そこが納得出来ないとすべてが受け入れがたいものになる。
    確かに無血のテロという考え方は理想のひとつではあるが、果たしてそんな漠然とした不安だけでなんとかなるだろうか。というよりむしろ、大衆はそこまで信頼に足る存在だろうか。風評で簡単に動くし、間違っていようとも多数決の論理に流されやすい。
    石持浅海さんらしい、ちょっとひねって斜め上のロジックと展開で、「こういう世界だ」と受け入れさえすれば楽しめる。ラストの一行も含みがあって面白い。
    登場人物たちの奇妙な行動や行動原理はすべて、大前提となるロジックの許容にかかっているといえよう。

  • 「撹乱者」からの「煽動者」
    テロ組織「V」に集められた8人が巻き込まれる殺人事件。
    消去法で犯人があぶり出された感じだけど、果たして本当にそうなのかと勘ぐってしまう感も。
    組織は実は…っていうオチもなかなか。

  • ミステリーとして楽しめた。動機や犯人は目を瞑るとしよう。

  • 閉鎖ミステリー、と銘打っているがさほどの閉鎖間もないし、クローズドサークル物を思わせるような建物の配置図や部屋割りがついているが、全くと言っていいほど本筋と関係ない。
    確かに殺人も起きるが説得力もない上、アリバイとか動機とかもう適当すぎてなんら説得力がない。
    さらに、事件に至るまでや、渦中でのメンバー同士のダラダラとした会話は単に紙面を費やしているだけだし、不要な描写&ダブった描写も多い。
    これが全く知らない作家の作品だったら、ただの”外れ”で終わるが、石持氏の作品と思うと余計に残念。こんなレベルの作品をよく一冊にして販売したな。

  • そのテロ組織の名はV。目的は流血によらず現政府への不信感を国民に抱かせること。メンバーは平日一般人を装い、週末だけミッションを実行。各人はコードネームを用い、メンバーはお互い本名も素性も知らない。週末、兵器製造のため軽井沢の施設に召集されたのは八人、ところが作戦会議終了後、一人が謀殺された。施設は部外者の侵入は不可能、犯人はメンバーの誰か……。

    テロ組織についての疑問やテロのやり方についての話し合いなどの密度が濃すぎて殺人事件についての印象が薄かった。あんまり突き抜けていなくて淡々としていた。

  • 10/25/2016 読了。

    図書館から。

  • 図書館で借りた本。

    テロ組織の正体が判明。ちょっと説明文が多いけど、面白かった。

  • 3.5

    初期の作風っぽい、と思ったら2012年ですね。
    黒幕は検討ついたがラストシーンは類は友を呼ぶ、という感じでしょうか。

    犯人、動機、については材料が足りない。
    第一被害者の彼女がなぜそういう発言をしたのか、根拠薄い。推測だし。
    自分の子どもが死んだら、他の子どもも、って思わないでしょう。
    自分の子どもが他の子どもからうつされた伝染病で、となっても思わないでしょう。

  • 20141107

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著者プロフィール

1966年、愛媛県生まれ。九州大学理学部卒。2002年『アイルランドの薔薇』で長編デビュー。03年『月の扉』が話題となり、〝碓氷優佳シリーズ〟第1弾となった05年『扉は閉ざされたまま』(祥伝社文庫)が 「このミステリーがすごい!」第2位。同シリーズの最新作に『君が護りたい人は』(祥伝社刊ノン・ノベル)。本作は『Rのつく月には気をつけよう』(祥伝社文庫)の続編。

「2022年 『Rのつく月には気をつけよう 賢者のグラス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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