終わらない歌

著者 :
  • 実業之日本社
3.90
  • (71)
  • (123)
  • (78)
  • (4)
  • (4)
本棚登録 : 711
感想 : 135
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536156

作品紹介・あらすじ

卒業生を送る会の合唱から3年、少女たちは二十歳になった。御木元玲は音大に進学したが、自分の歌に価値を見いだせなくて、もがいている。ミュージカル女優をめざす原千夏が舞台の真ん中に立てる日は、まだ少し先みたいだ…。ぐるぐる、ぐるぐる。道に迷っている彼女たちを待つのは、どんな未来なんだろう。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 音楽が大好きで、そして同じくらい深く言葉を愛する人なら、ぜひ!
    (ただし、できることなら前作『よろこびの歌』を先に読んでくださいね♪)

    4歳でピアノの手ほどきを受けて、夢中になりました。
    でも、その頃から、読んでいる間は呼ばれても気づかないほど
    本を読むのも大好きなこどもでした。
    大学受験では、音大を目指すのか文学部を目指すのか、ハムレット並みに迷ったものです。
    そんな私にとって、音楽も歌詞も堪能できる「歌」は、まさしくご馳走。

    だからこそ、作家と言う立場から音楽の力を語るにあたって
    器楽ではなくて「歌」を選んだ、宮下奈都さんの誠実さがうれしくて
    「うんうん、歌ってすばらしいですよね!」と、できることなら駆け寄って手を取り
    ぶんぶん振り回したくなってしまいます。

    前作『よろこびの歌』から2年と少し。
    あの時、2年B組が歌う『麗しのマドンナ』を、みんなの前に立って指揮していた玲と
    実家の手伝いの合間に必死で練習してピアノ伴奏をした千夏。
    彼女たちが、もはや「クラスみんなの歌」ではなく
    それぞれに「わたしの歌」をちゃんと見つけて、その歌でまた繋がっていく姿に
    「もう!すっかり大きくなっちゃって。」と、またまた親戚のおばさん化し、涙ぐんで。

    ことに、高校時代、実家のうどん屋を毎日けなげに手伝い、何分に一度か
    店で大好きなブルーハーツの曲をかけてもらうのだけを楽しみにしていた千夏が
    なんと振り切るように家を出て、すべての時間とエネルギーを歌に費やしているのが
    ひたむきで、眩しくて、なんだかうれしくてたまりません。

    玲も、千夏も、そのほかのクラスメイトも
    窮屈だった制服を脱ぎ捨てて得た自由に、かえって戸惑いながら
    未来に向かって必死で手を伸ばしている。
    わかりやすい「一番」になれなくても、誰もが認めるような場所に立てなくても
    自分でみつけた場所で、それぞれのやり方で、輝ければいい。

    居酒屋で、自分だけのために歌ってもらった『ハッピーバースデー』のように
    iPodの中に大事にしまい込まれた、懐かしいクラス合唱のように
    ささやかだけど、温かい光を放ちながら。

    • まろんさん
      noboさん☆

      そうなんです!20歳になったり、なろうとしている玲や千夏に会えるんですよ~♪
      発売から4ヶ月、図書館に入ってすぐに予約して...
      noboさん☆

      そうなんです!20歳になったり、なろうとしている玲や千夏に会えるんですよ~♪
      発売から4ヶ月、図書館に入ってすぐに予約して、待って待って、
      や~っと読むことができました!
      あのふたりだけじゃなくて、優等生だったひかりとか、気になる他のクラスメイトの
      その後のお話も丁寧に描かれていて、うるうるしながら読みました。
      歌を通して手を取り合うような、玲と千夏の輝きに胸が熱くなりますよ!ぜひぜひ♪
      2013/04/02
    • まろんさん
      kwosaさん☆

      図書館の予約待ちの数字がまだ二桁だった頃
      この本についてのkwosaさんのレビューを読んで
      「あ~、読みたい読みたい読み...
      kwosaさん☆

      図書館の予約待ちの数字がまだ二桁だった頃
      この本についてのkwosaさんのレビューを読んで
      「あ~、読みたい読みたい読みた~い!」と読書欲をさらに刺激されて
      きーきー言ってたのは内緒です(笑)

      というわけで、この続きは、その罪深い(?!)kwosaさんのレビューのコメント欄のほうに
      書かせていただきますね♪
      2013/04/02
    • kwosaさん
      まろんさん!

      思えば前作『よろこびの歌』がきっかけでまろんさんとお近づきになることができました。
      その時に『終わらない歌』が続編であること...
      まろんさん!

      思えば前作『よろこびの歌』がきっかけでまろんさんとお近づきになることができました。
      その時に『終わらない歌』が続編であることを教えて頂き、すぐさま図書館に予約を入れたのです。
      いつの間にかまろんさんを追い越してレビューを書いているとは。
      なんだか不思議な感慨があります。

      というわけで、続きは我が家の本棚で。
      2013/04/03
  • 「よろこびの歌」の続編。
    高校生だった彼女らが20歳に。
    抱える葛藤はリアルで、みずみずしい。

    御木元玲は、ヴァイオリニストの母を持ち、高校の頃は歌ではトップクラスだった。
    順当に音大の声楽科の学生となったが、優秀な人が集まったクラスでは七番手ぐらいと自覚し、これでどうなるのかと自信を失っている。
    同級生の原千夏は進学せず、ミュージカル女優を目指して小さな劇団に所属しているが、オーディションに落ち続けて、尊敬する人に「育ちがよすぎる」と指摘される。
    その意味は?

    肩を壊してトレーナーの勉強を始めた中溝早希。
    家を出て遠くの町で働き始めた東条あや。
    2年B組で「麗しのマドンナ」をともに歌った仲間達。
    それぞれの事情を抱え、内心の不安を抑えつつ、一歩ずつ進んでいく‥

    千夏が、同期で優秀な七緒と共に、主役で劇団の舞台に立てることになった。
    もう一人歌が上手い子がほしいと主催者に言われた千夏は、玲と一緒に歌いたいと望む。
    演技経験のない自分がまさかと思った玲だが、いきなりのオーディションで存在感のある歌の魅力を認められて、レッスンが始まる。
    そして‥?

    悩みは、十分ありうるものばかり。
    それぞれに出会いがあり、経験の広がりがあります。
    クライマックスはこうでなくちゃという嬉しさ。
    丁寧に描かれた成長ぶりに心あたたまり、励まされました。

    • りなぽんさん
      ものすごい数の?ですね!

      びっくりしました。

      この本を読みたくなりました。
      ものすごい数の?ですね!

      びっくりしました。

      この本を読みたくなりました。
      2014/01/08
    • sanaさん
      りなぽんさん、
      はじめまして☆コメント、ありがとうございます!
      ものすごい数の?なんでしょう。
      花丸?
      この本、いいですよ~読んでみ...
      りなぽんさん、
      はじめまして☆コメント、ありがとうございます!
      ものすごい数の?なんでしょう。
      花丸?
      この本、いいですよ~読んでみてください♪
      2014/01/10
  • 「ああ、千夏っちゃん、ずいぶん立派になったなあ。もうすっかりお嬢さんだ。それに玲ちゃん、みんなも。うんうん」

    久しぶりの親戚の集まりで、姪っ子の成長に目をみはるおじさんの気分だ。

    前作『よろこびの歌』から三年後の設定で、高校二年生だった2Bの彼女たちは、すっかり二十歳の大人の女性になっている。
    彼女たちはちゃんと息をしている。
    ご飯もちゃんと三食食べて、電車にも乗って、時々恋をして。
    そうやって体の細胞の隅々まで動かして、ここまで育ったのだろう。
    単にキャラクター設定と環境を三年後にワープさせたのではなく、
    ああ、あの娘が三年間きちんと生活をしたならば、こういう女性になるだろうなぁ。そう思える。

    前作では初々しくも真摯な悩みを抱えつつ、すこしずつ向き合い歩を進めていた彼女たち。
    大人になった今作でも、それぞれの方向を向きながら壁にぶつかり、もがいている。
    しかし、高校時代のそれとは質も濃度も変わり、大地を踏みしめる足取りも力強くたくましい。それでいてよりしなやか。

    『終わらない歌』を読んでいると、窓を開けて換気をしたくなる。部屋の掃除がしたくなる。
    心に風を入れたくなる。台所のシンクを磨き上げるように気持ちをぴかぴかにしたくなる。

    本のページを開く。
    部屋着でだらだら過ごしていた休日。玄関先に、前から気になっていた彼女が突然現れてあたふたする。
    「珈琲淹れるけど、飲んでく?」
    なんて平静を装うけれど、寝ぐせとTシャツのたるみを隠して、あわてて部屋を片付ける。たとえるならそんな感じ。

    いまの自分は恥ずかしくないか。
    サッシの曇りを気にしながら窓を開ける。

    • まろんさん
      kwosaさん☆

      kwosaさんの、この愛情深いレビューを読んで「読みたい熱」がインフルエンザでの発熱並みに高まってから約3週間。
      やっと...
      kwosaさん☆

      kwosaさんの、この愛情深いレビューを読んで「読みたい熱」がインフルエンザでの発熱並みに高まってから約3週間。
      やっとやっと、姪っ子の成長に目をみはる
      おじさんおばさんの仲間入りを果たすことができました!

      なによりうれしかったのは、kwosaさんのレビューのひと言めが
      「ああ、千夏っちゃん」で始まっていたこと。
      音楽的な環境には恵まれなくて、でも、だからこそ音楽に向かって懸命に手を伸ばす千夏が
      『よろこびの歌』の頃から、誰より愛おしくて。
      あらまあ、kwosaさんも同じように千夏がお気に入りだったのかしら♪とほくほくしてしまいました。

      絵空事でなく、ちゃんと息をして、きちんと生活をしてきた彼女たちがここにいる、と
      書いてくださったお気持ちが、読み終えた今、さらに深く心に響いて、感動しています。
      ちょっぴりだらけていた休日に、気になる彼女が突然現れて。。。という例えが
      うんうん、まさにその通り、と思いながら、いかにもkwosaさんらしくて
      この本を読み終えた人がこの文章を目にしたら
      クスっと笑いながら、やっぱり窓を開けたくなっちゃうんだろうなぁ、と思いました。
      2013/04/02
    • kwosaさん
      まろんさん!

      前作『よろこびの歌』では第一話終盤から『カレーうどん』への流れにノックアウトでした。
      今回、あらためてまろんさんのご指摘を受...
      まろんさん!

      前作『よろこびの歌』では第一話終盤から『カレーうどん』への流れにノックアウトでした。
      今回、あらためてまろんさんのご指摘を受け「ああ、僕は千夏ファンだったんだ」と気づく始末。
      彼女のけなげさと芯の強さ、そして意外にも熱い秘めたる情熱に、ついつい応援したくなるんですよね。
      そして今作『終わらない歌』での一番の成長っぷりに驚き、まだまだありそうな伸び代に目が離せなくなっています。

      願わくば、今後の彼女たちの成長の物語も読んでみたい。
      でも、眩し過ぎて目が潰れてしまわないか心配でもあります。
      2013/04/03
    • まろんさん
      kwosaさん☆

      私も、『終わらない歌』の終盤を感動のうちに読みながら
      「でもでも、千夏と玲の舞台の話をもっと読みたい!終わらないで~」
      ...
      kwosaさん☆

      私も、『終わらない歌』の終盤を感動のうちに読みながら
      「でもでも、千夏と玲の舞台の話をもっと読みたい!終わらないで~」
      と思っていました。

      あの舞台のことも気になるし、kwosaさんキラー♪の千夏の今後の成長も気になるし、
      玲がクラシックからはっきりと転向を図るのかも気になるし
      宮下さんには、タイトル通り本当に終わらないで、続きを書いていただきたいですね。
      もし続刊が出たら、目を細めながら読むとしましょう!
      眩しさに目が潰れない用心と、成長を見守るうれしさ、両方のために♪
      2013/04/03
  • 「よろこびの歌」から3年。それぞれの道を歩きだした玲たちの姿を描く短編集。大学生になり、社会人になり、各々悩みを抱えながら生きている。でも、ふと思い出すのは歌。「麗しのマドンナ」を歌った高校生の頃。これからの長い人生、嬉しい時も悲しい時も思い出せる幸せな記憶なんだろうなと思った。そういうの良いね。
    どちらかというと声楽寄りな玲がブルーハーツの歌を歌うという想像ができないんだけど、どんな感じなんだろう。

  • いやぁ~、良かった!
    あの傷つきやすい少女たちが
    こんなに逞しくなって帰ってくるなんて…(泣)
    まるで古い級友に再会したような、あったかくて懐かしい気持ちにさせてもらいました。

    しかし、稀にこういう、ご褒美のような楽しみがあるから
    やっぱ読書は止められへんねんなぁ~(嬉)

    本作は高校二年の春、卒業生を送る会の合唱で出会った少女たちの三年後を描いた宮下さんの代表作「よろこびの歌」の続編です。

    歌うことへの情熱を失い、社会経験を積むべく、一人旅や初めてのアルバイトに励みながらも苦悩する御木元玲を描いた 
    『シオンの娘』、

    スポーツトレーナー養成学校に進んだものの選手時代のように熱くなれない自分に悩む中溝早希は
    ひょんなことから大学のオーケストラを観てトロンボーン奏者に感銘を受ける…
    『スライダーズ・ミックス』、

    絵を描くことが好きだった里中佳子(かこ)の失恋と高校二年のクラス会の顛末を描いた
    『バームクーヘン、ふたたび』、

    東京を離れ北陸にある眼鏡の製造会社に就職した東条あやと
    心に傷を抱えた先輩OLとの心のやりとりを描いた
    『コスモス』、 

    舞台のオーディションに落ちた原 千夏は失意の中、ひさびさに実家に帰り弟特製うどんから力を貰う…
    『Joy to the world』、

    千夏の劇団の若手公演に千夏とライバルの早瀬と共に急遽出演することになった玲。
    そして物語は感涙のフィナーレとなる…
    『終わらない歌』、

    の計六編の短編が連作の形で収められています。

    どんな障害をも越えていく情熱が欲しいと願う、
    ヴァイオリニストの母を持つ二十歳の音大生・御木元玲(みきもと・れい)。
    玲の高校時代のクラスメートで
    小さな劇団に所属し、ミュージカル女優を目指している原 千夏(ちなつ)。
    保育士を目指す元クラス委員の優等生・佐々木ひかり。
    スポーツトレーナーを目指す中溝早希。
    恋に悩む里中佳子。

    大人になってもみんなそれぞれに
    悩みや葛藤を抱えて
    このままでいいのだろうかと自問自答しながら、日々揺れながら生きている。
    彼女たちと同じ年代の読者なら登場人物に自分を重ね合わせて読んじゃうだろうし、
    彼女たちより上の世代の読者なら悩みながらもなんとか前へ進もうとする健気で不器用な姿に懐かしさを覚えたり、忘れかけてた情熱の炎が胸に灯るのを感じる人もいるかもしれない。

    僕も高校時代からバンドを組んでいたので、
    音楽が、歌が、思いがけない記憶を引き出してくれる奇跡や
    歌だからこそ誰かに届くことがあるという
    「不思議な力」を今まで肌で感じてきました。

    宮下さん、この小説を読み始めて
    彼女たちが逆境を跳ね返すたびに
    千夏や玲みたく、
    僕の身体の奥のポンコツモーターも「ウィ~ン!」って動き出しましたよ。
    熱い血潮が身体を巡って
    やる気スイッチにカチリとスイッチが入るあの感じ。
    (人の心に前向きな作用を及ぼす力というのも物語が持つ奇跡なんですよね)

    それにしても、『コスモス』という短編の
    「君が星だよ」のエピソードには心撃たれたなぁ~。

    “一人一人が星
    だから自由に生きていい”

    歌ってホンマにええなぁ~って改めて思った。
    二十五年も前の歌が今も変わらず胸を打つ不思議。

    歌は終わらない。
    いい歌は時なんて軽々と越えていく。

    そして誰の心の中にも
    それぞれの歌は流れている。
    誰の心にも大切なそれぞれの物語がある。

    たくさんの人と心通わせながら
    僕もそれを知りたい。
    そんなふうに生きていきたいって、この作品を読んで思いました。

    中田永一の合唱もいいけど、
    是非ともコレを映画化して欲しいなぁ~( >_<)
    ( 「リンダ リンダ リンダ」「天然コケッコー」「深夜食堂」「 山田孝之の東京都北区赤羽」の山下敦弘監督なんてどうやろ?)

  • 宮下奈都さんの小説にふと出逢う。ふと手にしている。
    いい余韻を残す物語を紡ぐよな...と読み終えるたびに感じていた。
    あ、好きなんだ、宮下奈都さんの描く物語。
    今ごろ気づいた。

    『終わらない歌』

    御木元玲、原千夏、中溝早希、佐々木ひかり、里中佳子、東条あや。三年の月日が流れ、少女たちは二十歳になった。

    それぞれのもやもやした思いを言葉にしてくれる。
    静かなメロディーが聴こえそうな音にのせて、徐々に力強く勢いあるメロディーにのせて言葉を伝えてくれる。

    未来という光に向き合いたくなる物語でした。

  • 「よろこびの歌」のその後。
    続けて読んで、感動ひとしお。
    大学に進学したり、夢に向かって下積みしてたり、地元を離れて就職したり
    それぞれ行ったり来たり、足踏みしたり飛躍したり、
    先が見えたり迷ったり、いろいろある時期です。
    そして、彼女たちは自分の意志と力で前に進んでいく。

    玲と千夏も、まぶしく変化しているけど
    16にして余生を生きていた早希のスライダー
    3年越しの失恋をした佳子のダラダラ歩く形
    シュークリームみたいなあやちゃんの宇宙の星屑
    彼女たちの転機が、いい感じに力が抜けててよかった。
    みんなの中に2Bで合唱した「麗しのマドンナ」が生きていて、
    未来の自分のために歌った歌がちゃんと届いて受け止められてる。

    懐かしくなって、iPodで眠っていたブルーハーツを久しぶりに聞いてみた。
    確かに音楽は色褪せず、終わることなく続いていく。
    聞こえてほしい、あなたにも
    ガンバレ!

  • 千夏も玲も、2B のみんなも大人になったねぇ・・と
    しみじみしながら読みました。

    ミュージカル女優を目指している千夏、音大で声楽を学んでいる玲。
    2人とも、夢や希望を持ちそれに向かって日々悩み、奮闘している姿に
    目を細めずにはいられません。
    2人が即興で歌った「ハッピーバースデー」
    千夏、玲、七緒の3人の舞台「終わらない歌」
    この本にCDがついてて歌が実際に聞けたらいいのに・・と思いました。

    • まろんさん
      noboさん、こんにちは!

      千夏たちの成長が眩しいですよね♪
      CDがついていたら。。。って、素敵な提案です。
      図書館派の私も、この本にCD...
      noboさん、こんにちは!

      千夏たちの成長が眩しいですよね♪
      CDがついていたら。。。って、素敵な提案です。
      図書館派の私も、この本にCDがついていたらぜったい買ってしまいます!
      っていうか、前作から続けてドラマ化してくれたら素敵なのに(*'-')フフ♪
      2013/05/16
    • nobo0803さん
      まろんさん

      本当!本当!
      ドラマ化してくれたら素敵ですね♫
      千夏、玲は誰がぴったりかなぁと考えると楽しくなります!
      まろんさん

      本当!本当!
      ドラマ化してくれたら素敵ですね♫
      千夏、玲は誰がぴったりかなぁと考えると楽しくなります!
      2013/05/16
  • 『よろこびの歌』を読まずにこちらを読んでしまいましたが、違和感なく読めました。
    歌を通して成長していく姿が爽やかに描かれていて好きな作風。前作も読んでみます。

  • 高校二年の時の合唱大会。
    クラスみんなで声をそろえ「麗しのマドンナ」を歌ってから早や三年。
    少女たちは大人の世界への入り口に佇んでいた。
    あの感動の余韻を抱いたまま、大学生として、或いは劇団員として。
    「あの頃はよかった」などと感慨に浸る余裕もなく、現実の厳しさ、苦しさにもがき苦しんでいた。
    それでも、昔の仲間たちとの再会によって、今の自分を新たに見つめなおす機会を持つことで、前に懸命に進もうとする。

    一生懸命に何かに打ち込む。
    この姿を見せられた時、何故に私たちは心動かされるのだろうか。
    少女たちの真摯な姿勢。
    戸惑い、葛藤しながら、何とか殻を打ち破り、前へ進もうとする彼女たち。
    或いは他の子の懸命な姿に触発され、自分ももう一度希望を抱き、頑張ろうとする。
    その姿が胸を打つ。

    ------歌うことが楽しくて、歌うことがよろこびで、歌うことが生きていることで。
    千夏と同じステージで、体中によろこびを満ち溢れながら歌い始める怜。
    そこには、歌というものの不思議なまでの力を改めて感じざるを得ないのだ。
    あの合唱大会の「麗しのマドンナ」を超えた怜がそこに生まれた。

    前作「よろこびの歌」よりも、さらに登場人物個々の心情が細やかに描かれた良作だと思う。

全135件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1967年、福井県生まれ。上智大学文学部哲学科卒業。2004年、第3子妊娠中に書いた初めての小説『静かな雨』が、文學界新人賞佳作に入選。07年、長編小説『スコーレNo.4』がロングセラーに。13年4月から1年間、北海道トムラウシに家族で移住し、その体験を『神さまたちの遊ぶ庭』に綴る。16年、『羊と鋼の森』が本屋大賞を受賞。ほかに『太陽のパスタ、豆のスープ』『誰かが足りない』『つぼみ』など。

「2018年 『とりあえずウミガメのスープを仕込もう。   』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宮下奈都の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊坂 幸太郎
伊坂 幸太郎
瀬尾 まいこ
小川 洋子
朝井リョウ
三浦 しをん
PK
伊坂 幸太郎
三浦 しをん
中田 永一
有川 浩
中島 京子
伊坂 幸太郎
伊坂 幸太郎
小川 洋子
大島 真寿美
宮下奈都
朝井 リョウ
宮下 奈都
夏川 草介
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×