夜明けのカノープス

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536286

感想・レビュー・書評

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  • 主人公をイラつかせる人ばかりでずっと落ち着かない。
    映子の抱く劣等感がそうさせるのかな。
    しかし最後はとても良かった。じわり。

  • 小さなきっかけの重なりで勇気を持って何かが少し動き出すときの感じ

  • えっ、これで終わり?という最後でした。
    消化不良。

  • その星を見たら、きっと私は変わることができる。

    夢を諦めて契約社員として働く主人公。憧れの先輩への恋も叶いそうにない。何者にもなれていない自分。このままでいいのだろうか?
    そんな風に考えること、誰もがあるんじゃないだろうか。それでも、日常の中で起きる小さな発見や変化で自分の中の何かが変わる。そんなささやかな瞬間を描いた作品。
    冬の澄んだ冷たい空気が、すうっと肌にしみるような、そんな読後感。

  • 教師になる夢をあきらめて小さな教育系出版社で契約社員として働く映子。
    現状に満足していないのに、今いる場所から動き出す力もなく、日々を過ごしている。
    不安はあっても淡々とした毎日を送っていた映子は、仕事をきっかけに幼い頃に家を出て行ってしまった父親と再会を果たす。ぎこちない、親子とは呼べない関係を少しずつ築きながら、映子は過去を振り返り、現在を見つめなおす。
    さらりと軽い内容で、正直な感想としては少し物足りない。ラスト、この先のさまざまな人間関係は結局どうなっちゃうの、と曖昧なまま閉じてしまった物語を残念に思った。

  • 激しい変化だけが、感動を生むのではない。
    主人公の映子の人生が劇的に変わるわけでもないこの小説を読み終わった後、多分すごく時間が経った後に、自分の中の何かがあの時変わっていたんだな、と気付くようなそんな変化があるんだろうね、きっと。
    今、私は、妻であり母であるけれど、過去のある時期、他の何者でもない、ひたすら「娘」だった時間があって。
    そんな「娘」と自分の「父」の間にあった無敵の信頼感と、思春期のある時期に感じた微妙な距離感と、そして大人になって知った「分かり合う気持ち」をじわじわと思い出しながら読んだ。

    カノープスという星でつながった、空白の時間。埋めることはできなくても、その空白を共に感じることはできる。
    全ての「父」と、全ての「娘」に贈りたい。
    心細い夜にそっと開きたい、夜空に輝く星のような一冊

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著者プロフィール

一九七五年、宮城県生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了。二〇〇七年『月のうた』で第二回ポプラ社小説大賞優秀賞を受賞。同作は、傑出した筆力を書評家などから絶賛された。他の著書に『かなりや』(ポプラ社)、『これからの誕生日』『むすびや』(双葉社)、『夜明けのカノープス』(実業之日本社)がある。

「2019年 『青と白と』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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