星々たち

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著者 : 桜木紫乃
  • 実業之日本社 (2014年6月4日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536453

星々たちの感想・レビュー・書評

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  • 桜木さん、またしてもこれですか!
    ホント、どうしようもない人達ばっかり。
    ろくでもないし、救いようがないし、ときにこざかしい。
    でもね、愛すべき人達なんだよね。
    彼女の作品の根底には常に“赦し”がある。
    どんな非道なことをしてもそこを責める姿勢はない。

    そもそも清廉潔白な人間なんてそうそういるもんじゃない。
    白黒つけるばっかりが正しいばかりじゃないと思う。
    そんな優しさが桜木さんの作品にはあるんだよね。
    そこがたまらなく好きだな。
    なんだろう、この余裕って昭和な感じがする。
    この物語の舞台が昭和40年代ってのもあるのかな。
    なんだか懐かしいんだよね、レトロで。

    この作品な千春という一人の女性とそれにかかわった人達のそれぞれの物語が描かれている。
    連作短編集って微妙だけど、桜木さんは巧いですね。
    一つ一つの物語もそれだけで成り立つし、そこから千春の生きざまもリアルに浮かび上がってきて。

    ラストの短編「やや子」、良かったです。
    最後に希望を残して終わって良かった。
    千春とやや子、出会う事があるんだろうか。
    気になるところです。

  • 桜木さん2冊目。「ホテルローヤル」の方が好き。

    最初は咲かない子で咲子…という涙が出そうになったし、千春の事件も誰にも知られずに内密に処理され…、なんて切ないの。と哀しくなったけど、途中から話が千春メインで何か私には合わなかった。

    でも母子三代、おばあちゃんも入れれば母子四代。何て幸が薄い、でもありがちな内容なんだろう…と、読んでいて苦しかった。しかも北海道、さらに昭和の演歌のような世界観は癖になった。

    咲子、千春、やや子で北の星座。それを取り巻く名もない星々たち。みんな細々とでも力強く生きてゆく様が何とも言えず格好良い。私たちも名もなき星々。

  • なんて幸薄い親子なんだろうか。でも、それでも自分ではこれでいいと思っているのだろうか。
    時代なのかな。千春がああいう人生を歩むのは。
    私も幼い頃は母と離れて暮らしていた。だからなんとなく読んでみたかった。
    情が薄い。それは私も感じてた事だった。そういうものなのか。
    やや子は幸せになってもらいたい。

  • 心情を一切明かさなかった千春が最後に言った言葉、
    「母を頼ろうと思って」が、心に重く響いた。
    身も心もボロボロで彷徨の果て、行き場もなくて。
    そんな時、まだ母を頼ろうとした千春がいじらしく哀れだった。
    何度も裏切られたのに。

    どんよりと重い空気が作品全体を覆っていて、
    読んでいる間ずっと息苦しさを感じていたが、最後の明るい兆しに救われた。
    作者は不幸を追求することにより、
    今は光の届かないどん底でも、そこからまた立ち上がれるんだよと、
    逆説的に読み手の心に希望の灯をともしているように思えた。

  • これといって他に特徴の無い胸の大きい女、千春が別々の物語で存在感うすく登場する。
    ちらちら出て来てだんだん気になり出し、物語に引き込まれた。

    素晴らしい演出だなぁ。

    巨乳とは縁遠い体型の私は、もし巨乳だったらどんな感じなのか想像もつかない。
    まず、走るのに邪魔だから困るよね。
    でも1日だけなら巨乳になってみたい気もするなぁ。
    とか関係ない妄想をした。

    なかなか面白かったです。

  • 桜木さんの本は「ホテルローヤル」に次いで2冊目。
    北海道の地に生きる、母、娘。
    娘の塚本千春の来し方を中心に描かれる。
    桜木さんは「生き方」ではなく「来し方」という言葉を使われているが、その言葉が深く心に残った。

    最後の「誰も彼も、命ある星だった。夜空に瞬く、なもの愛星々たちだったー。」が良いなぁ…

    桜木さんの本はまだ2冊しか読んでいないのだが、何となく同じ風を感じる。
    他の本もぜひ読んでみなくては。

  • 「濃厚な昭和だ~」という感じがしました。表現がおかしいですが。もちろん物語の背景のほとんどが昭和から始まっていることも大きいのですが、テイストが昭和というか、ビジュアルで言えばセピアめいていると言うか。

    愚鈍で、官能的で(悪く言うとオマタが緩い…?)流されるように生きていく女、というもはや定番と言っていいような
    桜木さんワールドがこれでもか、これでもかと展開。

    「案山子」「やや子」が個人的には好きです。
    桜木さんのテーマがどこまでもこういう女性像なのだろうと思うのですが、正直言うとこのテイストの主人公ではない女性の話もそろそろ読んでみたいところ。

  • 各話に同じひとりの女性が出てくる。その人にすごく惹き込まれる自分がいる。ついつい気になってすぐ読んでしまいました。読めてすごくよかったです。

  • 連作短編。全9編。
    10代でを千春を産み、母に預けて家を出た咲子。千春に見捨てられた娘のやや子。親子三代にわたる女性の様々な生き様を、塚本千春中心に描く。
    幸せとはほど遠く、切なく、そして悲しく感じてしまうが、何故か最後まで読み終えるとほっとした気持ちにも。それも生きてさえいればこそなのだろう。

  • 初めて読んだ作家の本。
    1話読んで、自分に酔っているような文章だと思った。
    登場人物の言動も陶酔っぽい。
    読んでも読んでも内容が頭に入ってこず、何度読み返しても同じ。
    手ごたえがないというか・・・。
    文章にクセがある。
    かっちり話の筋を追っていくというよりは雰囲気を味わうタイプの小説だと感じた。

    内容はひと言で書くと、千春という女性の半生を彼女の周囲の目線で描いた話。
    最初の話は彼女の母親目線で描かれた「ひとりワルツ」という話で、千春は放蕩者の母親に置いて行かれ祖母と暮らしている。
    そしてそろそろ胸の膨らみが気になる歳になっている。
    2話目「渚のひと」は千春の隣人の主婦目線で描かれた話。
    彼女には出来のいい自慢の息子がいるが、彼と高校生の千春がつき合っていると気づいた彼女はヤキモキして千春に嫉妬する。
    その後も、千春に関わる人たちの話が続く。
    全9話。
    後半の2話はそれまでと趣きが変り、「ああ、そういう事か」となる仕掛けがある。

    よくある形式の話で、複数の人の目線から一人の女性が見えてくる、という風になっている。
    ただ、人によって千春という女性の違う側面が見えるというよりはその人物像が固定されていくという感じ。
    この本でよく使われている言葉は「愚鈍」。
    うまく生きられない女性の姿が多くの人の目線から浮彫になっていく。
    最初から最後まであまり恵まれた環境で生きてこなかった千春という女性。
    ただ、同情なんて感情は一切わかない。
    彼女はなるべくしてそうなった、という人生を生きているし、周りがどう変わってもそうなってたんだろうな・・・と思う。
    それだけ自分を客観視して淡々と生きてきた人生が見えてくる。
    読み終えて、何がどうだったと具体的によく覚えてないが全体的な雰囲気を味わう事はできた。
    私には読みにくい文章だったが、これは個人の好き嫌いによって分かれると思う。

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星々たちの作品紹介

奔放な母親とも、実の娘とも生き別れ、昭和から平成へと移りゆく時代に北の大地を彷徨った、塚本千春という女。その数奇な生と性、彼女とかかわった人々の哀歓を、研ぎ澄まされた筆致で浮き彫りにする九つの物語。

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