あしたの朝子

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 145
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408536651

作品紹介・あらすじ

激動の昭和30年代を生き抜いた、波乱万丈の人生!恋に破れた朝子は、新宿でウェイトレスをやりながら声優を目指すも、突然退職-下町の鋏工場へ嫁いだ。舅との確執、夫の不倫、愛人との闘い、工員の心中騒動、降りかかる難題を乗り越えて、たくましく生きていく。銭湯、洗濯板、初めてのテレビ、東京オリンピック…失われた時間が愛おしくなる、著者初の自伝的小説。

感想・レビュー・書評

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  • 表紙の絵が可愛い‼️
    この作家、私と同い年。
    昭和を描いてる本がとても多い。
    東京が舞台で、私の両親は埼玉の田舎者だけれど、私の親にもこんな青春があったのかと、思わせる。
    新宿に住んでいた叔父や叔母に小さい頃連れていってもらった、憧れの東京を思い出した。

  • (15-54) フィクションだけどヒロイン朝子は作者のお母さんがモデル。どこまでほんとにあった話なのかすごく興味深い。結構実態に即してるようだし。私はお母さんと作者のちょうど中間くらいの世代なので、この小説の時代雰囲気がすごく分かる。
    明るい性格の朝子は少々の苦労をものともせずに生きていくが、その苦労の程度はやはり恵まれていたのだと思う。朝子にも自覚があって、幸福と不幸を分けるのは運だと達観。
    そんな朝子さんが大好き!お母さんへの素敵なプレゼントですね。

  • 山口恵以子さんの作品は流れるように頭の中に文章が入ってくるから好き
    この時代の人達って短い間にたくさんの経験をしてるなあって思う
    今の人達が安定を求めすぎなのかな?

    婚活食堂4 の時も思ったけど、終わり方が雑な気がする

  • 図書館で借りたもの。
    舅との確執、夫の不倫、愛人との闘い、工員の心中騒動…。昭和30年代、下町の鋏工場へ嫁いだ朝子は振りかかる難題を乗り越えてたくましく生きていく。

    モデルは著者の母。
    朝ドラを観てるみたいで面白かった。

    おおらかでたくましい朝子が羨ましい。
    “「この世に完璧な人間なんていないのよ。誰にでも欠点はあるの。だから他人の欠点を気にしても始まらないし、自分の欠点を苦にするのもつまらないわよ」”

    義父ともうまくやってて、なんなら夫よりも信頼関係を築いててすごかった。

  • 「食堂のおばちゃん」つながりで読んでみたが、時代背景が私はこの後の世代のせいかいまいちピンと来ず…
    ただ、この頃って家族同士でも敬語で話したりした時代。特に女性の言葉遣いの美しさが読んでいてとても心地良い。

  • 第二章くらいまでは朝子の恋愛劇かなーと思っていましたが、全然そんなことなく、妻として親として、経営者として、そつなくこなす姿にグッときました。
    お義父さんのところでは何故か号泣…やられました(笑)何回も読みたくなりそうです。

  • 戦後から昭和へ、時代がどんどん良くなっていく流れの中での物語。
    この時代に生きるってことが、どれだけ変化の激しい中に揉まれていくことか、よく分かります。
    ところどころの生活描写、流行りものの登場に、あとがきに込められた「その時の時代を体験する」という気持ちを感じます。
    にしても朝子さん、自由で気分屋な性格なのに、にくめない。素敵な老後に万歳。

  • 山口さんのお母様の半世紀に基づいた私小説。山口さん自身の朗らかで楽天的な人柄が、お母様の人間像を通して、読後にとても温かい灯を心に点してくれました。当時生きる人たちは、戦後の不便で、不合理、不平等な時代とうすうす気づきながら、ひたむきに生きた様が、潔く、粋です。高潔な登場人物ばかりではなく、邪な人との出会いもあるのですが、そこは山口さんの筆力。嫌じゃない。脇役ですが、叔母さんや義理のお父さんの描き方が素敵。

  • 山口さんの本を立て続けに読んだけど、これが一番おもしろかったかも。他の3冊は主人公が強すぎてあんまり共感できなかったような。

  • そんな時代もあったんだ。
    なんだか、近所や家族で協力しあっていてほのぼのとした関係だな。今は近所といえども、ここまでの付き合いはないしね。それだけ、人の流れも激しくなってきたということかも。
    自分がやってみたい、やろうとおもったことに、とりあえず挑戦してみるというのは案外いいのかもしれない。そこからまた道が拓けそう。そうやって流されていけば、思わぬ拾い物をするかもしれない。

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著者プロフィール

1958年、東京都江戸川区生まれ。早稲田大学文学部卒業。松竹シナリオ研究所で学び、脚本家を目指し、プロットライターとして活動。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務しながら、小説の執筆に取り組む。2007年、『邪剣始末』で作家デビュー。2013年、『月下上海』で第20回松本清張賞を受賞。その他の著書に「婚活食堂」「食堂のおばちゃん」「ゆうれい居酒屋」シリーズや、『風待心中』『ゆうれい居酒屋』『恋形見』『いつでも母と』、共著に『猿と猿回し』などがある。

「2023年 『婚活食堂9』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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