- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408536651
作品紹介・あらすじ
激動の昭和30年代を生き抜いた、波乱万丈の人生!恋に破れた朝子は、新宿でウェイトレスをやりながら声優を目指すも、突然退職-下町の鋏工場へ嫁いだ。舅との確執、夫の不倫、愛人との闘い、工員の心中騒動、降りかかる難題を乗り越えて、たくましく生きていく。銭湯、洗濯板、初めてのテレビ、東京オリンピック…失われた時間が愛おしくなる、著者初の自伝的小説。
感想・レビュー・書評
-
表紙の絵が可愛い‼️
この作家、私と同い年。
昭和を描いてる本がとても多い。
東京が舞台で、私の両親は埼玉の田舎者だけれど、私の親にもこんな青春があったのかと、思わせる。
新宿に住んでいた叔父や叔母に小さい頃連れていってもらった、憧れの東京を思い出した。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
(15-54) フィクションだけどヒロイン朝子は作者のお母さんがモデル。どこまでほんとにあった話なのかすごく興味深い。結構実態に即してるようだし。私はお母さんと作者のちょうど中間くらいの世代なので、この小説の時代雰囲気がすごく分かる。
明るい性格の朝子は少々の苦労をものともせずに生きていくが、その苦労の程度はやはり恵まれていたのだと思う。朝子にも自覚があって、幸福と不幸を分けるのは運だと達観。
そんな朝子さんが大好き!お母さんへの素敵なプレゼントですね。 -
山口恵以子さんの作品は流れるように頭の中に文章が入ってくるから好き
この時代の人達って短い間にたくさんの経験をしてるなあって思う
今の人達が安定を求めすぎなのかな?
婚活食堂4 の時も思ったけど、終わり方が雑な気がする -
図書館で借りたもの。
舅との確執、夫の不倫、愛人との闘い、工員の心中騒動…。昭和30年代、下町の鋏工場へ嫁いだ朝子は振りかかる難題を乗り越えてたくましく生きていく。
モデルは著者の母。
朝ドラを観てるみたいで面白かった。
おおらかでたくましい朝子が羨ましい。
“「この世に完璧な人間なんていないのよ。誰にでも欠点はあるの。だから他人の欠点を気にしても始まらないし、自分の欠点を苦にするのもつまらないわよ」”
義父ともうまくやってて、なんなら夫よりも信頼関係を築いててすごかった。 -
「食堂のおばちゃん」つながりで読んでみたが、時代背景が私はこの後の世代のせいかいまいちピンと来ず…
ただ、この頃って家族同士でも敬語で話したりした時代。特に女性の言葉遣いの美しさが読んでいてとても心地良い。 -
山口さんのお母様の半世紀に基づいた私小説。山口さん自身の朗らかで楽天的な人柄が、お母様の人間像を通して、読後にとても温かい灯を心に点してくれました。当時生きる人たちは、戦後の不便で、不合理、不平等な時代とうすうす気づきながら、ひたむきに生きた様が、潔く、粋です。高潔な登場人物ばかりではなく、邪な人との出会いもあるのですが、そこは山口さんの筆力。嫌じゃない。脇役ですが、叔母さんや義理のお父さんの描き方が素敵。
-
山口さんの本を立て続けに読んだけど、これが一番おもしろかったかも。他の3冊は主人公が強すぎてあんまり共感できなかったような。
-
そんな時代もあったんだ。
なんだか、近所や家族で協力しあっていてほのぼのとした関係だな。今は近所といえども、ここまでの付き合いはないしね。それだけ、人の流れも激しくなってきたということかも。
自分がやってみたい、やろうとおもったことに、とりあえず挑戦してみるというのは案外いいのかもしれない。そこからまた道が拓けそう。そうやって流されていけば、思わぬ拾い物をするかもしれない。 -
著者の母を描いた自伝的小説
難題が降りかかってもたくましくいきいきと乗り越えていて素敵な生き方だなぁと -
2017 7/17
-
舅との確執、夫の不倫、愛人との闘い、工員の
心中騒動…。昭和30年代、下町の鋏工場へ嫁いだ
朝子は振りかかる難題を乗り越えてたくましく
生きていく。元祖食堂のおばんちゃん作家が
「母」をモデルに描く、初の自伝的小説。 -
2016.11.21
好きな作品
爽やかで人に思いやりがあって、前向きな主人公がいて
私も過ごしてきた昭和の時代。人と人がぶつかりあいながらも、真摯に向き合って生活してる
物を大切にして感動して、人間らしいってこういうことなんじゃないかな?!
朝ドラみたいって言えなくないけど、心が爽やかになった! -
著者のお母様、昭和を生き抜いた朝子さんのお話。
朝ドラを見てるようでした(笑)
朝子さんは、朝ドラのヒロインのように、生き生きと魅力的。
ドラマチックなことがある訳では無いのに、先が気になり、サクサク読了。
面白かったです。
私の母は、少しあとの時代の人だけど、今度会ったら、昔のこと聞いてみたいなと思いました。 -
「女の一生」、モーパッサンとか山本有三の作品がございますが、山口恵以子さんの「あしたの朝子」(2015.6発行)も間違いなく「女の一生」を描いた秀作だと思います。昭和4年、千葉県館山市の旅館の娘として生まれた朝子の生き様、昭和31年に長男、33年に長女世以子を産み、娘が食堂のおばちゃんを経て作家になって松本清張賞を受賞するまでの人生です。読み終わって、著者・山口恵以子さんのお母さんの物語であることがわかりました。そして、それはとりもなおさず著者の半生でもありました!懐かしい時代が描かれています。
-
平易でドラマ性に富む作品を書く作者が、自身の母親のことを書いた作品。
するする一晩で読めました。