- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408537016
感想・レビュー・書評
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旅気分の一冊。
18篇で紡がれた、ちょっとした旅気分を味わえるショートショートストーリー。
どれもオチがなかなかの味わいで面白い。
なるほど、というものもあれば、ドキッとさせるものもあり、不思議な余韻もあり、思わず笑いがこぼれるのもありで飽きない。
中でも「火の地」「虚無缶」「マトリョーシカな女たち」は着眼点から発想、オチまで、はなまるの巧さ。
思いっきり想像を膨らませたくなる「Blue Blend」も好き。
毎日ちょっとずつ異国の地、架空の地をゆらゆら旅しながら眠りにつく、そんな眠りのお供にも最適な作品。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
旅をテーマにしたのが成功の鍵かな。実際の旅もあれば、架空の地の旅もあり、心だけが旅立つ旅もある。こんなことはありえないというシュールというか幻想的な物語たちは、詩情に溢れていてとても読み心地がよかった。一服の清涼剤のようであったよ。「花屋敷」や「砂尞」に行ってみたい。
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T.N君お薦め
現代ショートショートの名手といえば、田丸雅智らしい。一話5分読み切り。「海色の壜」の「海酒」は、短編映画化され又吉主演でカンヌ国際映画祭で上映された。
「火の地」が怖い。火種がまるで稲の様に育つ村。噂を聞いてやってきたおれは、ついつまんでしまった火種で、雀の丸焼きのようになっている。
「マトリョーシカな女たち」妻がロシア旅行から帰ってきた。なぜか子どもが。妻はロシアでマトリョーシカのようにお腹から出てきたり、しまわれたりする女弟子たちを目撃する。全部本人だという。そしてあなたもできると。子どもはお腹から出てきた本人。ただ夫のね -
ショートショート^_^
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ショートショートというと最後にあっ!というものが多いけど、今回はそうでもなく旅を楽しむ感じかな。人間マトリョーシカは怖い。田丸さんぽい言葉遊びは理窟をこねるとか帰省瓶とか楽しい。
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綺麗系・ちょっと不思議系・ちょっと怖い系の3つ位の系統に分けられる話ばかりなので、頁を進めていくうちに、この話はこういう終わり方だろうな、と云うのが途中で読めてしまうのが残念ですが、著者はお若い方のようなので、今後の成長が楽しみです。
一話目の「ホーム列車」が一番良かったかなー。 -
18作品。ショートショート。
ちょっとステキな旅ができます。
好みだったのは「砂寮」と「star-fish」幻想的です。 -
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たった五分で世界一周、読んだら旅に出たくなる。
パリに東京、ペルーに○○――物語は魂の旅。
電車で、車で、飛行機で……カバンに一冊入れておきたい!
ショートショート界の新鋭による傑作「トラベル」小品集。
ホーム列車/ペルーの土地売り/ポートピア/生地屋のオーロラ/理屈をこねる/
シャルトルの蝶/火の地/風の町/東京/Blue Blend/虚無感/
マトリョーシカな女たち/花屋敷/Star-fish/帰省瓶/竜宮の血統/砂寮/
セーヌの恋人
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想像の斜め上をいく短い物語がたくさん並んでいて、気軽に読めるのに満足感は高い。クスリと笑ってしまったり、なるほどと感心させられたり、テイストもさまざまだし、世界のあちこちが舞台になっているので、それも愉しい。お得な一冊である。 -
旅や土地をお題にしたショートショート集。ホラー有、ちょっと感動もの有り。どちらかというと、風景を想像したら美しいなと思う物語が多かった。