プロトコル (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408550053

感想・レビュー・書評

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  • アルファベットを使った文字列が鮮明に頭に残り、また、ものごとを論理的に考える主人公の社会人5年目くらいの女性、有村ちさとが自身の力を活かしつつ、家族、友達、会社の人と繰り広げる、そのイライラやらホッコリやらで楽しく読めた。

  • 話を膨らませる度に、作者の意図が分からなくなってくる。
    結局どういう作品を作りたかったのだろうか。

  • 予想以上に面白かった。予想以上に、情報系のネタは少なかった分、タイトルで手に取らない文系のひとが勿体無いな、と思った。むしろ、文系の方が楽しめる要素も多い気がする。文系で理系(笑)なわたしには、楽しい要素いっぱいの一冊だった。
    淡々としたちさとの視点が、癖になりそう。
    2017.05.01

  • 真面目すぎるOLの ちさと。
    真面目すぎるが故になんであっても仕事と割りきって淡々と事を成し、それである事件に巻き込まれたりする。
    現代社会に欠かせないコンピュータを軸に、様々な人間関係が絡まっていく。
    今までのお仕事小説とは、少し違った味わい。

    2015.6.29

  • 仕事中にアダルトサイトを閲覧していたことが暴かれ懲戒解雇となった影山次長のカスっぷりに呆れるが、なんだか憎めないキャラだ。
    全体的な話としては特に派手な展開をするわけではないが、アナグラムをつかったあの仕掛けはおもしろいと思った。

  • ネット通販会社で働く女の子が主人公のお仕事小説。
    こんなテーマの作品の場合、得てして「慣れない間は失敗ばかりして、時には大ピンチもあったけど、頑張って大きな仕事を達成しました」みたいな内容を想像しがちですが、本作品は良い意味で予想を裏切りました。
    主人公である”ちさと”の極端なストイックさ、理路整然としたところにすごく好感が持てる。事件そのものの進行や落とし処にはすっきりしない感じもするけれど、予定調和のお仕事小説よりもこの曖昧さがリアリティかな。

  • ネット通販会社に務めるOLの有村ちさとは社内の派閥争いに巻き込まれ、間接的に景山という男をクビにしてしまう。その景山は有村を恨みに思い、彼女から会社の膨大な量の個人情報が流出するように画策する・・・
    「ポンコツというのは、言い得て妙だ。その語自体が既に語彙として歴史的使命を終えつつあり、それ自体のありようによっていみじくも自らの"ポンコツ"性を明示している。」

    表紙とタイトルでは何の話なのかさっぱりわからないですね。タイトルはともかく、何故表紙が馬なのかは結局解らず終いです。
    社会人とはこういうモノなのかと思わされました。
    非常に現代的な小説だと思います。

  • 膨大な文字列の中から特定の法則性を見つけだす特異な能力を持つ半面、生真面目すぎて人間関係には不器用な有村ちさと。社内の派閥争いや個人情報漏洩事件に巻き込まれ、仕事や家族、恋人に翻弄されながら彼女が手に入れるものとは?コンピュータ間のデータ授受の約束事を示す用語「プロトコル」を、人間同士の関係へと昇華させて描くキャラ立ち系・neoお仕事小説。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    面白かった!
    最初英語の話から始まってちょっと、やだこれ小難しい感じなのかしら…って構えたけどそんなこたなかった!
    都合良いなぁと思うとこもあったけど、読み終わったあとこの先にワクワクする感じがある。

  • 個人情報漏洩事件に巻き込まれた生真面目OL・有村ちさとの運命は!?一作ごとに変容する異才の傑作長編。

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著者プロフィール

平山瑞穂(ひらやま・みずほ)
小説家。1968年、東京都生まれ。立教大学社会学部卒業。2004年に『ラス・マンチャス通信』(角川文庫)が第16回日本ファンタジーノベル大賞を受賞してデビュー。著作には、『忘れないと誓ったぼくがいた』(新潮文庫)、『あの日の僕らにさよなら』(新潮文庫)、『シュガーな俺』(世界文化社)、『プロトコル』(実業之日本社文庫)、『マザー』(小学館文庫)、『四月、不浄の塔の下で二人は』(中央公論新社)、『午前四時の殺意』(幻冬舎文庫)、『ドクダミと桜』(新潮文庫)、『さもなくば黙れ』(論創社)など多数。評論に『愛ゆえの反ハルキスト宣言』(皓星社)、エッセイに『エンタメ小説家の失敗学』(光文社新書)など。

「2023年 『近くて遠いままの国 極私的日韓関係史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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