- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408550206
感想・レビュー・書評
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ビタースウィーツワルツ、コーヒーブルースと読んで、良い意味で裏切られた感満載。
大学時代を同じ家で過ごし、大学に通い、バントを組み、恋をして。今は40代半ば。仲間なの1人が事故で亡くなり、葬儀で20年ぶりに集まる。
葬儀が終わり、福岡から、横浜まで、ドライブしながら、大学時代に起きた、事件や、思い出話をしながら、故人を悼む。て、話なんだけど。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大学生の男子が5人で暮らすなんて、
絶対、楽しいじゃないか。
楽しいだけで終わらないのが人生だけど。
彼らもそうだ。
大人になって、「あの頃」を、思うのは切ないけれど、
「あの頃」と言える日々をもっていることは嬉しい。
みんな、それぞれの人生を少しだけおいて
「あの頃」の仲間と時間を思う。
故人にも生きていく人にも、大切な時間だと思う。
ロードムービーには音楽が必須。
「あの頃」を思い起こすには十分だった。
にしても、ビターな話だなぁ。 -
沈黙が何の邪魔にもならない友人関係を築けた人間は、幸せなのではないかと思う。久しぶりに会ってお互いの近況を話し合い喜び合う友人関係は、多くの人が築き上げているだろう。その後に、話すだけ話し合った後に訪れる沈黙に心地良さを感じることができる友人はどれぐらいいるだろう。
その沈黙に、ニュートラルなままに、いつもの自分をそのままそこに置いておける友人関係は、そうそう築けないのではないかと思う。
そこにいることが、ごくごく自然な関係。
本当にくだらないことを喋りながらぞろぞろとつるんで歩くことが、次の予定を何も考えずに一緒にいることがこんなにも楽しい。そして、ただそれだけのことなのに、それがとてつもなく難しいことになってしまった時の流れと年齢を思う
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この2文に集約される。
ぐいぐい読ませる展開に、途中でやめられなかった。最後はまさかの大どんでん返し!
茜さんとか妹とかは最後まで好きになれなかったけれど、男の子五人の、大学生の、いまの、空気感がたまらなく愛おしかった。
そして、もうすぐ終わろうとしているいつまでもだらだらできるこの時間のことを考えてみたり
話さなくても心地いい関係の人を考えてみたり
あの人はずっとだらだらしてるなとか
すごくいいトーンのお話しで、シューカツ中の身につまされる。
それにしても最後の大どんでん返し…。なんかおかげで彼の結婚も茜さんもどうでもよくなっちゃった、さすが。 -
年上の女性に翻弄される話って好きじゃない。でもこれは「翻弄される」のとはちょっとまた違うんだけど・・・。
終盤の、過去のことは過去のこととして、これからは前を見て生きていく、的な持って行き方は好き。 -
うんうんってなりながら、しんみりしながら読みました。社会に出て、親になって、また読み返したらきっと違った色を見せてくれるだろうなと思う一冊です。
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もう、やばい、一気に読んだ
『ブロードアレイミュージアム』読んだあとにすぐ買った本だから
余計に小路さんの本を読みたくてしょうがなかった。
まず表紙も素敵。
「格好いいおじさま方がいる!」と思ったら本に出てくるのは
「ちょっと老けた青年」だった。
そんなにいろいろ経験したことのある歳じゃない私でも
「懐かしいなぁ」って思えるような話。
男子が凄く羨ましくなる、ってか男に生まれたらこんな感じに
暮らしたかったなぁ、って。
小路さんはいつも「憧れる生活」を書かれるからもう!やんなっちゃう!好き!
コーヒーブルースも是非読みたいです! -
自殺を考えている友人を説得するために過去を振り返り、その時には分からなかった事が段々と明らかになっていくのだけどちょっと呆気なかったかな。