モーニング Mourning (実業之日本社文庫)

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  • 実業之日本社
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感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408550206

感想・レビュー・書評

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  • ビタースウィーツワルツ、コーヒーブルースと読んで、良い意味で裏切られた感満載。
    大学時代を同じ家で過ごし、大学に通い、バントを組み、恋をして。今は40代半ば。仲間なの1人が事故で亡くなり、葬儀で20年ぶりに集まる。
    葬儀が終わり、福岡から、横浜まで、ドライブしながら、大学時代に起きた、事件や、思い出話をしながら、故人を悼む。て、話なんだけど。

  • 大学生の男子が5人で暮らすなんて、
    絶対、楽しいじゃないか。
    楽しいだけで終わらないのが人生だけど。
    彼らもそうだ。
    大人になって、「あの頃」を、思うのは切ないけれど、
    「あの頃」と言える日々をもっていることは嬉しい。

    みんな、それぞれの人生を少しだけおいて
    「あの頃」の仲間と時間を思う。
    故人にも生きていく人にも、大切な時間だと思う。

    ロードムービーには音楽が必須。
    「あの頃」を思い起こすには十分だった。

    にしても、ビターな話だなぁ。

  • モーニング。
    続くシリーズのタイトルがコーヒーだったりするので、
    モーニングコーヒーから、朝かな?と思ったら、違った。
    (結果的に「朝」だが)
    出だしがなかなかショッキングで、どうもっていくのかとおもったが、
    意外と引き込まれれ最後まで一気に読んだ。

  • 文庫本のカバー絵を描かれているスカイエマさんが好きで、そちらのブログで拝見して気になっていた1冊。小路氏の本は初見です。

    大学4年間、同じ屋根の下に住んでいた男5人。
    そのうちの1人、「真吾」の葬儀のため、卒業以来20数年ぶりに再会します。ところが、その葬儀が終わったあと、「淳平」が突然、これから自殺すると言う。
    ダイ、ワリョウ、ヒトシの三人は、その自殺の理由を言い当てたら死ぬのをやめると淳平に約束させ、ロングドライブが始まる。

    そんなあらすじなのですが、2時間半くらいで読めちゃいました。おもしろかったのですが、個人的には涙もなく、そこまで感情移入することも無かったなぁ。主人公がおっさん4人(5人)だったから、というわけでもなく、なんだか、どこにでもありそうと見せかけていやいや普通じゃないでしょ、というこの人たちの関係やエピソードがちょっと引いた位置で感じたからかも。
    そして私にしては短時間で読んだからか、いまいち、読んでる間はそれぞれのキャラがよく分からなかったです…。のでちょっと登場人物おさらい。

    弓島大<ダイ>
    北千住の祖父母が住んでいた家に、祖父母が亡くなったあと一人で住んでいた。この家にみんなで共同生活をする。ギター。大学卒業後、東京でカフェを営む。

    大野淳平<淳平>
    大学卒業後、劇団に入る。最近テレビドラマに出て少し知名度が上がってきた。ボーカル。甘いマスクの二枚目。
    大学時代に茜と付き合っていた。

    美園和良<ワリョウ>
    一人称が「ボク」。キーボード。大学卒業後は、金沢で家業の豆腐屋を継いでいる。既婚。

    植木晃一<ヒトシ>
    ベース。大学卒業後は、水戸で教師をやっている。大柄。既婚。

    河東真吾<真吾>
    ドラム。淳平とは高校の同級生。童顔。メガネ。忘れっぽい。大学卒業後、裕美子と結婚し、娘をもうける。
    福岡在住だったが、交通事故で死亡。

    緒川茜<茜さん>
    ダイ達より5つ年上のOL。
    高校時代に自分のせいで野球をあきらめた男の「婚約者」とされているが、実際は償いのためいいようにされている。淳平と付き合っていたが、婚約者が単身赴任先から戻ってきた際に交通事故にあい、事故死。

    緒川裕美子<裕美子ちゃん>
    茜の妹。おとなしい姉に対して活発な女の子。
    真吾と結婚する。

    書きだしていてようやく整理ができたのですが、作品の良しあしとは関係ないところ…多分私は「ワリョウ」のキャラクターが好きではないのです(笑)なので多分読んでいてちょっと浸れなかったんだろうなぁ。


    4年も共に暮らしたのに、二十数年会わなかった友人たち。ただ、「あの時間」、「共に過ごした仲間」を思い出し、語り合う。その瞬間がしみじみと、月日の流れと今の自分の立ち位置を感じさせるような、そんな空気が作中ずっと流れます。個人的に、「ものすごく日本映画っぽい演出の小説だなぁ」と思いました。映画になったらよりおもしろいのかもなぁ。

    色々なところのレビューで見かけますが、きっと「大人」になってから読んだほうがいい作品なので、社会人になりたてくらいの人には、「こういうおっさんいるよね」くらいにしか感じないのかなぁとも思いました。

  • 沈黙が何の邪魔にもならない友人関係を築けた人間は、幸せなのではないかと思う。久しぶりに会ってお互いの近況を話し合い喜び合う友人関係は、多くの人が築き上げているだろう。その後に、話すだけ話し合った後に訪れる沈黙に心地良さを感じることができる友人はどれぐらいいるだろう。
    その沈黙に、ニュートラルなままに、いつもの自分をそのままそこに置いておける友人関係は、そうそう築けないのではないかと思う。
    そこにいることが、ごくごく自然な関係。









    本当にくだらないことを喋りながらぞろぞろとつるんで歩くことが、次の予定を何も考えずに一緒にいることがこんなにも楽しい。そして、ただそれだけのことなのに、それがとてつもなく難しいことになってしまった時の流れと年齢を思う






    *・*・*・*・

    この2文に集約される。
    ぐいぐい読ませる展開に、途中でやめられなかった。最後はまさかの大どんでん返し!
    茜さんとか妹とかは最後まで好きになれなかったけれど、男の子五人の、大学生の、いまの、空気感がたまらなく愛おしかった。
    そして、もうすぐ終わろうとしているいつまでもだらだらできるこの時間のことを考えてみたり
    話さなくても心地いい関係の人を考えてみたり
    あの人はずっとだらだらしてるなとか
    すごくいいトーンのお話しで、シューカツ中の身につまされる。
    それにしても最後の大どんでん返し…。なんかおかげで彼の結婚も茜さんもどうでもよくなっちゃった、さすが。

  • 年上の女性に翻弄される話って好きじゃない。でもこれは「翻弄される」のとはちょっとまた違うんだけど・・・。
    終盤の、過去のことは過去のこととして、これからは前を見て生きていく、的な持って行き方は好き。

  • 二十数年ぶり、親友の葬儀で福岡に集まったのは、大学時代の四年間、共同生活を送った三人の仲間と私。葬儀を終え、一人の仲間が言う。「レンタカーで帰って自殺する」。

    男性の友人達との空気感が凄く感じられる話。友人の自殺を止めるため、昔を懐かしみながらもその原因を探る3人。女性のグループならこうはならないと思う。

  • うんうんってなりながら、しんみりしながら読みました。社会に出て、親になって、また読み返したらきっと違った色を見せてくれるだろうなと思う一冊です。

  • もう、やばい、一気に読んだ
    『ブロードアレイミュージアム』読んだあとにすぐ買った本だから
    余計に小路さんの本を読みたくてしょうがなかった。
    まず表紙も素敵。
    「格好いいおじさま方がいる!」と思ったら本に出てくるのは
    「ちょっと老けた青年」だった。
    そんなにいろいろ経験したことのある歳じゃない私でも
    「懐かしいなぁ」って思えるような話。
    男子が凄く羨ましくなる、ってか男に生まれたらこんな感じに
    暮らしたかったなぁ、って。
    小路さんはいつも「憧れる生活」を書かれるからもう!やんなっちゃう!好き!

    コーヒーブルースも是非読みたいです!

  • 自殺を考えている友人を説得するために過去を振り返り、その時には分からなかった事が段々と明らかになっていくのだけどちょっと呆気なかったかな。

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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