おはぐろとんぼ (実業之日本社文庫)

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著者 : 宇江佐真理
  • 実業之日本社 (2011年4月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408550329

おはぐろとんぼ (実業之日本社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 江戸下町に生きる様々な人々が、それぞれに抱える事情を隠しながら、一生懸命生きる6つの短編集です。
    それぞれが、自分の幸せより、身近な親や子、そして兄弟たちを想う姿に、なんとも言えない優しさと切なさを感じます。

    表題作の、「おはぐろとんぼ」は、板前だった父親の姿を見て育った娘・おせんが、同じ料理人となった姿を描いています。
    どんなに腕の立つ料理人であっても、女性は板前になれない時代です。
    そんな彼女の元に現れた子連れの上方板前さん。
    子ども目線の言葉が、なんとも切なく微笑ましかったです。

  • ジョイ・ノベル発表の6編の連作短編。2009年1月刊。2011年4月文庫化。再読。「御厩河岸の向こう」は、不思な話で、楽しめました。宇江佐さんの不思議な話が好きですが、少ないです。他には、泣きの銀次「虚ろ舟」くらいでしょうか。「隠善資正の娘」はドラマチックで、とても好きなお話です。デビュー後20年に渡ってコンスタントに良質な江戸人情の世界を見せてくれたのは、とても貴重です。

  • 人情ものはやっぱり好きだわ~

  • 江戸を舞台にした短編集。
    死がず~っと今よりも身近にあった時代の物語。

    肉親の死がもたらす厳しさ、義理の関係のあれこれが描かれたりもします。

    そうして、凛として生きようとするひたむきさや昔ながらの「情」が、じんわり伝わってきます。

  • 心が疲れかけた時は宇江佐真理が効くなぁ

    この短編集なんて、宇江佐市井物の模範回答集みたいな感じで良い。基本に忠実でブレない物語運びが良い。悪くいやベタなんだけど、ベタって悪い事か?

    日常を一所懸命生きて、その日常の中に喜怒哀楽があって、色んな人との関わりがあって…

    食うに困らぬ程度には豊かになった現代の日本、何かとスピードが上がったのに寿命だけは延びてしまった現代の日本、そんな日本でも基本的な部分は江戸時代とあんまし変わっていないんだと思う。

    だからこそ、丁寧に一所懸命生きてきた江戸市井の人々の姿を読むと心がすっきり洗われるんだろうなぁと思う。

  • 最近お気に入りの宇江佐真理さん♪
    江戸下町の堀を舞台にした短編集。
    水のある風景って、好きです。

  • 江戸時代のじんわり人情物語短編集。

    『ため息はつかない』
    子供の頃両親を亡くし、叔母に引き取られた豊吉だが、クセのある叔母を煙たく思っていた。
    ある日豊吉に縁談の話が来る。
    母と子の情が染みるが、豊吉の縁談相手がユーモラスで楽しい。


    『裾継』
    遊女屋の女将が主人公。
    妻に駆け落ちされた男の後妻となったが、継子とうまくいかなくなった上、夫に浮気疑惑が持ち上がる。


    『おはぐろとんぼ』
    父の働く料理茶屋で幼い頃から厨房に親しみ、父の死後も女ながら料理人として働く主人公。
    大阪からやってきた料理人を最初は煙たく思っていたが、だんだん親しくなっていく話。
    割かしベタな恋愛話だけどこういうの好き。


    『日向雪』
    金に汚く、たかることしか考えていない兄を煙たく思っている主人公。
    兄が金を必要とする理由を知り、そこから人を愛する尊さを学ぶ。
    あまりに兄がクズすぎてイライラした。
    愛だからっていいのかここまで、というイライラが募り、感動にいたらず。


    『御厨河岸の向こう』
    不思議な力を持つ弟と姉の半生。
    ストーリーは一番平坦だったけど姉弟の関係性の描き方が優しくてよかった。


    『隠善資正の娘』
    かつて妻を殺害され娘が行方不明となった主人公が、
    娘が生きていれば同じ年頃の、妻とよく似た女を見つける。
    時代劇的大団円。


    どれも50ページ程度なのでサラサラと進む。
    展開やオチはベタでどんでん返しや驚く仕掛けはないものの、じんわりしみるいい話。

  •  「掘」を絡めた6つのおはなしたち。どれも江戸の日常を懸命にいきる人たちのおはなしで、読んでいて気持ちが良かった。
     表題作の「おはぐろとんぼ」が一番スキ。

  • 人情にほろっとくる。この作者のお話は滋味深い感じがしてほっとします。

    短編のそれぞれがどこかの堀近くでのお話し。

  • L 江戸の堀にからめた短編集

    ため息はつかない…伯母おますに育てられ、薬種屋の手代となった豊吉に薬種屋の次女おふみとの縁談が持ち込まれる。
    裾継…吉原の番頭新造だったおなわはこどもやの彦蔵の後添えになった。おなわと先妻の娘おふさとの関係。おなわの気持ちの持ちよう。
    おはぐろとんぼ…板前だった父の影響で料理人をつとめるおせん。女板前を認めない料理人の世界におせんはやりきれなさを感じつつも独り身を通そうと決めていたそこへ現れた上方の板前銀助。
    日向雪…百姓兄弟のうち竹蔵は兄弟に金の無心をするやっかいもの。竹蔵の行動に弟の梅吉は。
    御厩河岸の向こう…おゆりの弟勇助には前世の記憶と先見の力があった。
    隠善資正の娘…吟味方同心の隠善は16年前に行方不明となっている娘千歳はどこかで生きていると思っていた。ある事件で知り合った縄暖簾につとめる女おみよは先妻に似ていた。

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