感染夢 (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 191
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408550374

感想・レビュー・書評

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  • じわじわと日常に侵食していく様子は日本的?なホラー小説だなと感じる。

    夢というのは夢占い等古典の時代から重要視されていたことではあるが、この小説では夢がきっかけとなり日常が変化していっている。
    人は寝なければ生きていけないし、必要な行動であるため強く日常に根ざしている。そこから少しずつ変化していく様はまさしくホラーだと思う。

    終わり方は何となく「あぁ〜」という感じであった。

  • 一家心中した従兄弟の葬儀に参列して以来、恐ろしい夢を見るようになった主人公とその彼女。
    それと同時に、葬式で見かけた不気味な印象の女につきまとわれるようになる二人。
    実はその女性自身も別の力によって操られていた。

    タイトルから、多分広い範囲で悪夢が伝染していくのだろうと思っていたらスケールの小ささにガックリ。
    そしてそれほど恐くない夢の内容にガッカリ。
    ただ重苦しい-。
    話がまあまあ面白くなってきたのは女性を操っていた正体とその理由が描かれたあたりからでした。
    ただ問題の解決方法もありきたりだし、タイトルからは期待外れな内容でした。

  • やっぱり明野照葉は大好きだわー!!

  • この人の作品にはまり購入。
    やっぱりいい終わり方はしなかったけど2人で乗り越えていくような気もする。

  • ミステリー且つホラーという感じで、なかなか読まないジャンルだったけれど面白かったです。
    最後は丸く収まってハッピーエンド、に見せかけて最高に不穏だったのでゾッとしました。良い終わり方だと思います。

  • たまにはホラーでもと思って読んでみたけどやっぱりイマイチだったなぁ。なんだか全体的に盛り上がりにかける感じだったし、衝撃のラストって感じでもなくてありきたりな感じだったし、ただタキの人生とか殺され方とかはあまりにも可哀想で読むのが辛いところはあった。
    まぁもともとホラーは好きじゃないんでこんな感想になっちゃいました。

  • 不気味。この世界とは、関係のない世界で生きたいと思った。

  • タイトルを見たとき、「リング」のように呪いが感染していく話なんだろうなと、想像していた。

    最初のほうはなかなかいい雰囲気出ていた。
    何だか得体のしれない嫌な念を感じて。
    だけど謎が明らかになるにつれて、怖くなくなっていき。
    ラストは怖さ満載にしたかったのだろうが、なんじゃそりゃ?って感じ。

    しかもやけに関東の地名が詳細に出てきて。
    ここまで詳らかにする必要あったのだろうか?
    その割には、肝心な呪いの地である大分は簡単(というか架空の地名だし、当たり前だけど)に通過してるし。
    怖くなかったのと、上記のことが納得いかないので☆一つ。

  • 230820

  • 阿波渓輔は、順風満帆な人生を歩んでいたはずだった。穏やかで聡明な性格、大企業の出世頭で、妻と一男一女の待つマイホームもある。その渓輔がある日、一家心中という形で凄惨な死を遂げる。2人の子を絞殺、妻を刃物で刺殺したのちに、自宅マンションのベランダから飛び降り自殺をしたのだ。渓輔の従弟である阿波隼人は、その遺品にあったノートから、渓輔が生前、不可解な悪夢に苦しめられていたことを知って、驚愕する。自身も同じ夢にうなされていたからだ。そして、渓輔の前に現れたらしい謎の女が、隼人と同じマンションに引越してきて――。


    閉ざされた村の因習、人に憑依し苦しめる霊など、他の明野さんの本でも見たことのあるネタが満載。その意味ではお決まりとは言え楽しめた。しかし、やや単調で、追い詰められるような怖さが足りなかった。

    それから、お祓いが終わった後の描写が何だか不自然に感じた。あれだけ多くの人が亡くなったというのに、先祖が同郷だったからと仲良くなるものだろうか?「一生もののつきあい」だなんて、したいと思うものだろうか?むしろお互いにもう会いたくないと思うのではないか。束の間の平和を表し、その後の怖さを際立たせたかったのかもしれないが、白けてしまった。

    最後の理恵子の心情がどうも私にはわからない。たとえ「タキ」の胎児にとり憑かれようとも、今の生活を守るために波風を立てたくないということなのか。妻になり、母になったことで、自分の居場所を守ることだけに執着しているということなのだろうか。だとしたら理恵子もつまらない女だ。「仕事向き」だの何だの言っていたのもこのための伏線で、女はそういう恐ろしくてつまらないものだというメッセージ?だとすればやめていただきたい。

  • 大阪の本屋でポップをだけで衝動買い。どこかにあるような設定だが、読み始めたところからじわじわとホラー感を味わうことができた。久しぶりにちょっと気になる小説家と出会えたような気がした。

  • 土俗的な背景を持つややオーソドックスな形式でのホラー小説と言ってしまえばそれだけなのかも。冒頭の悪夢と謎の女がいかにつながっていくかという展開に期待はしたものの、やはり因縁・怨念ものに終息していくのかと。。。作者が女性なこともあってその辺りの描写はやや粘着っぽい気もするので、こういうのが苦手な人にとってはあまりお勧めできないかも。ありがちなイントロから始まって解決部のエクソシスト的な要素と因果はめぐるというエンディングまで予定調和なので、読んでいるうちに先が見えてくるのは否定しませんよ。
    ただこの作品を成立させている発端の事件が日本の至るところで起きていたことは間違いなく、それが民話や伝説によって現代に伝えられていることや地域の社での荒魂神的な存在によって明らかなように、ここで描かれているようなことは誰にでも起き得ること=誰もが殺人者の末裔であるという理由のみで怨念の洗礼を浴びるという意味で怖さを覚えてしまうという作品なのであります。血の絆や共同体幻想の負の一面を感じさせてくれるという面で、読了後に魘されそうな部分があるのです。

  • ベッタベタなホラーだが,臨場感があって怖かった。

  • 100年前位に殺された女に憑依された女。それをめぐる事件。

    導入部分は少し不自然かなと思ってしまった。最後も尻切れトンボのような気もした。

  • 思ったよりは面白かったですが、解せない部分がありました。ここからはネタバレっぽくなりますが…

    それはこの不可解な状況の原因を誰も疑わずに受け入れてしまっていること。
    こういうのを扱う場合、1人くらいは「そんな非科学的なことはあるわけ無い」って言い出すもんじゃないのかな、と思いました。それなのに誰もそんな事は言わない。受け入れることが前提となってしまっています。
    それと妙に同郷意識を全面に押し出しているところが気持ち悪く感じました。「昔々から私たちは繋がってるのね!」みたいに。
    過去の話は悲惨なものだけど、イマイチその無念さも伝わらず…。
    閉鎖的で学の無い田舎はモラルも無いなって思ったくらいです。

  •  風邪で寝込んでいる真っ只中で読了。病気が悪化しそうだった。
     そして。あぁ、確かに風邪で寝込むってことはこんな感じだと実感しつつ、うとうとしながら夢現のなかで読了したのだった。
     作者はその辺の体験からコレを書いたのでは?と思った。
     夢現…。よく言ったものだ。私は加えて不眠症だ。その不眠症が風邪で夢現となり、そのハザマで「ナニをいってんの!!」と叫んで起きてそこに誰もいないことを、あぁ、と納得して、本の続きを読みつつまたまどろみ(風邪なのでかなり苦しい)「できるわけない!」と出した自分の声で覚醒する。まどろんで覚醒まで5~10分。確かにどうにかなりそうだ。
     巻末の解説で海外ホラーを引き合いに出していたが、イヤ、ちがうよ、これは日本のムラ社会のハナシだよ、と思った。老後、のんびり田舎で?無い無い、そんなもの。それは幻想だ。

  • 幸せに暮らしていた従兄弟が、愛する子供や妻を殺して心中する。その従兄弟の遺品を親族の代わりに受け取った主人公阿部隼人は、従兄弟が残したメモを見て、自分が最近見ている悪夢と同じような夢に苦しめられていることを知って驚く。阿部の彼女も同じ夢を見ていることを知り、更に、二人の祖先の故郷が同じであることを知る。彼らの周囲で、夢に出てくる女が出没し、悪夢は進化していく・・・。

    主人公側のストーリーと、夢にでる女側のストーリーが交互に進んでいく形式で、謎も少しずつ明らかになるところが面白い。
    ちょっと、原因に納得性が弱い感じもするが、そんなことよりも物語が醸し出す妖しさに、ついつい読み進めてしまう作品。

  • う~ん 最後まで読めば面白かったかな~。
    でもちょっと荒い・・・気がする。
    無理やりぽい感じが否めない。

    ちょっと伏線多すぎて
    本の最後まで出てこなくない?と思うものも。
    続編があるならOKかもね

  • ストーリーと同じで読み終えたあと、からみつくような不快感が残る。オチがなんというか、残念。ホラーとしてよくてやも、話しとして、もう少し練って欲しいな。

  • いまいち。オチが弱すぎ

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著者プロフィール

明野照葉

東京都生まれ。一九九八年、「雨女」で第三十七回オール讀物推理小説新人賞を受賞。二〇〇〇年、『輪廻RINKAI』で第七回松本清張賞を受賞、一躍、注目を集める。ホラーやサスペンスタッチの作品を得意とし、女性の心理を描いた独自の作風はファンを魅了してやまない。『汝の名』『骨肉』『聖域』『冷ややかな肌』『廃墟のとき』『禁断』『その妻』『チャコズガーデン』(以上中公文庫)、『女神』『さえずる舌』『愛しいひと』『家族トランプ』『東京ヴィレッジ』『そっと覗いてみてごらん』など著作多数。

「2020年 『新装版 汝の名』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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