排除―潜入捜査 (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 409
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408550442

作品紹介・あらすじ

元マル暴刑事・佐伯涼が環境犯罪に立ち向かう「潜入捜査」シリーズ第2弾。日本の商社が出資した、マレーシアの採掘所の周辺住民が白血病に倒れた。反公害運動封じ込めのため、暴力的な見せしめを住民に行う日本のヤクザに、佐伯の怒りが爆発する。見せしめを続ける者たちの正体は、佐伯の宿敵・泊屋組の若衆頭。佐伯の古代拳法と、ヤクザとの死闘が始まった-。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ2作目。舞台は海外へ。因縁の相手、新市との対決に決着。とはいえトドメを刺したわけではなく、法で裁かれる状態になっただけなので、もしかして後日復活、再度佐伯と対峙する展開があるかも…、などと思ってしまいます。

    それにしてもヤクザの手口は残忍ですね、赤子を刺すシーンや車で相手を轢く、ガソリンを掛けて相手を焼くなど、読みながらも「うわっ」と思うシーンが多々あります(今野敏のこの手の描写もだいぶ慣れましたが)。おまけに彼らはいざとなれば銃で武装するわけで、そんな相手に立ち向かう佐伯の武器がお手製の手裏剣やパチンコ玉だけというのがなんとも心許ない。1作目のレビューで類似点が多いとした特殊防諜班シリーズで自衛隊などあらゆる機関を動かして味方につけていたのと比べると実に対照的です(ちょっと物足りないと思うこともなくはないのですが…)。

    だが、そこは佐伯流活法、山の民を彷彿とさせる「撃ち」などを駆使して相手を打ちのめしてしまいます。どんだけ強いんだ、と思わせる無敵ぶりですが、シリーズの進展に伴ってもっと強敵が現れるのかしら。

    それにしても環境犯罪研究所の所長の内村の出自がまだ明らかになっていないのが気になります。ここにまだ秘密が隠されているような気が、それも佐伯や白石の出自に関係するような秘密があるのではないか、そして3人は出会うべくして出会った、という展開なのではないか、と気になってしまい、先へ先へと読み進めてゆく流れになってきました。

    追伸:本作では海外が舞台ということで、マレーシアの人たちとの通訳を介したやりとりがちょっとまどろっこしいなと思いました。

  • 暴力団をとにかく撲滅させようとしている佐伯。
    暴力団は残虐でなんら認める事の出来ない設定となっており、ハードボイルドアクションエンターテインメントと言える内容だと思います。
    環境問題を軸に海外へも展開していく物語は、現在でも問題になっていることであり、興味を持ちました。

  • 潜入捜査シリーズ第2弾。今回も佐伯さん頑張りました。ヤクザの非道さにはちょっと引いてしまったが。景子さんの出自も明らかになりつつ、内村所長はまだまだ謎のままでこれからも楽しめそうです。

  • シリーズ第2作。

    コッテコテの上にさらにコッテリとした“ステレオタイプなヤクザ像”に、失笑。

    執筆されたのが20年以上前だと考慮すれば、許せる範囲内。

    極端にデフォルメされた(まあ、“芯”は
    外してないのだろうけど)環境犯罪の描き方も、どこか引っ掛かるものは残るが……ある意味では分かりやすい勧善懲悪なストーリーには、不思議な引力があるもので(笑)。

    十分に楽しく読めた。

    続きもきっと、買うだろうな。

    ★3つ、7ポイント半。
    2013.11.07.了。

    ※格闘場面は、かなりの迫力があった。

    ※90年代のヤングジャンプやビッグコミックスペリオールあたりで漫画化されたなら、人気が出ただろうな。
    (井上紀良とか、池上遼一とか、叶精作とか)

  • 2023.02.14 Audibleにて完聴

    潜入捜査シリーズ第2弾。
    in マレーシア

    相変わらず、ヤクザの腐った描写がエグい。

    爽快感はあるけど、ちょっと飽きてきた。

  • 今回の任務は、所長の内村に言われマレーシアに行く事になった。そこでアース採掘所に備蓄されている放射物質で村の住民が白血病になったからだ。しかし裏に坂東連合が絡んでいて、泊屋組の新市章吾は子供だろうが老人だろうが関係なく殺してしまった。佐伯涼は一人で排除出来るのか。今回は危険な目にあっても戦う事をやめなかった村人のお陰だと思いました。こんなヤクザのいない国にしたいです。

  • 潜入捜査第二弾です。
    マレーシアまで行ってくださいと内村さんに言われて 海外でも大暴れの佐伯さんでしたが
    とどめをささなくても よかったのでしょうか?心配ですよ。((((;゜Д゜)))

  • あまりに痛い描写、残酷な描写に「誉田さんだったっけ?」と思ってしまった。死んでしかるべき、と思うけれど警察に委ねるのか・・・。そりゃそうか。戦いのシーンで、ちょっと説明が多くて詰まりそうになったのだけど、説明がなければ佐伯が使う拳法の事は分からないだろうし、でちょっと読み手として複雑な気持ちでした。

  • 飛び道具は卑怯

  • 潜入捜査シリーズの第2弾。
    佐伯涼と白石景子は、内村所長の指示でマレーシアへ。
    レア・アース採掘所がある村の住民が次々と白血病になり、村民が訴訟を起こします。採掘の邪魔をされた日本の出資会社は、ヤグザを現地に送り込み、彼ら仕込みの脅しで訴訟を取り下げようとする。

    「ここまでヤクザを悪く描かなくても」と思ってしまうくらい、ヤクザが残忍なことをします。この小説を当時読んだヤクザが『今野、オラ!』ってならなかったのでしょうか。

    私が佐伯なら、二度と同じことをさせないために、最後はアイツを……。
    完全にハマっています。

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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