主よ、永遠の休息を (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408550978

感想・レビュー・書評

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  • こんな悲しい結末だったっけ…

    1つの過去の事件を追う新聞記者。
    読んでる途中はワクワクしたけど、段々最後に近づくにつれて先が読めてしまったのと、まさかの終わりにちょっと残念(´・ω・`)

  • 〝実録映像〟は何故出現した!?

    通信社社会部の記者・鶴田吉郎は、コンビニ強盗の犯人逮捕を偶然スクープ。
    現場で遭遇した男から、暴力団事務所の襲撃事件について訊ねられた吉郎は、
    調査の過程で、14年前に起きた女児誘拐殺人事件の〝実録映像〟が
    ネットで配信されていたことを知る。
    犯人は精神鑑定で無罪とされていた…。
    静かな狂気に呑み込まれていく事件記者の吉郎…。

    再読でした (*´ー`*)
    随分前に読んでいたのに、あまりに衝撃的・あまりに残酷で辛くなった。
    すぐに読んだ本の内容を忘れてしまう私でも大筋の粗筋は、
    記憶に刻み込まれていました。
    誰も救われない…。

    主人公の吉郎の視点と吉郎が偶然遭遇したコンビニ強盗事件。
    そのコンビニで働く桐江の視点で物語は進んでいく。
    桐江の一人称の視点での語りが切なかった。
    様々な要素が複雑に絡んでいますが、点と線が少しずつ繋がっていく…。
    誉田さんらしく、綺麗に回収され纏められている。
    宮崎勤の事件をモチーフにしているが、そこに母親を絡めた事で、
    苦しさが数倍にも増している。
    狂気に支配されている子供に翻弄される母親…切ないし、辛い。
    先日、丁度宮崎勤事件のスペシャル番組を観たばかりだった。
    そんな時にこの本を読んだのも何かの運命かなぁ。

    桐江の最後は哀しかった。
    救いが欲しかったなぁ。
    でも、現実ってこんなものなのかもしれない。
    そして、この本を読んで誉田さん、やっぱり流石だなぁって思った。

    本当に必要なのは、少なくとも真実や真相ではない。
    必要なのは説明と解釈、誰にとっても等しい真実はない
    印象的な言葉でした。

  • 記者の鶴田は、14年前に起きた女児誘拐殺人事件の実録映像がネット配信されている事を知る。犯人は精神鑑定で無罪とされていた…

    読み進めるうちに謎がとけていきその度に犯人への憎しみが湧き、胸が痛くなる。のめり込める作品です。

  • 新聞記者が事件を追うとなると本当に単独行動なので新鮮でした。警察ものはどうしてもグループ行動になるので、1人、途中から2人になる少なさと、警察の聞き込みと記者のインタビューの違いもへえぇとなります。
    意識の底に仕舞い込んでいたものが14年後に再びやってくる。永遠の休息、、、当事者には過去になんてならない。芳賀父の苦悩も、鶴田記者も同じ事するだろうとなるのも、不自然ではないし寧ろこうだろうと思います。でも今回は隠蔽しきれないだろうな…栗田と坪井にも捜査の手は伸びるだろうし。
    一介の記者が真実を語ろうなんてのはおこがましいにもほどがある。報道に必要なのは少なくとも真実や真相じゃない。お前はお前の真実を書け、それをどう解釈するかは読者が決めること……下世話にするのか、踏み止まるのかは人間性が出るなぁ。マスコミは基本的に下世話だとは思っている。
    姫川玲子シリーズの第一作になったかもしれないけど結果的には姫川玲子でなく新聞記者にされた作品。この事件で、被害者に同調するタイプの姫川玲子だと心理的な距離感がおかしくなってもっと酷くなりそうなので、鶴田記者で良かったのかも。鶴田記者も傷付いています。
    宮崎勤事件。全く覚えてないけれど80年代終盤ならたぶんリアルタイムで知っているはずだ。。

  • 宮崎勤事件を連想させる展開に、一気に引き込まれた。
    最後に事件が解明し、タイトルの意味もわかる。

  • 最後の1ページを読んだ瞬間、涙がこぼれた。
    もう稲垣が胸糞悪いし、、桐江とお父さんの人生を思うと、、今まで読んだ誉田作品の中で本作が一番救いがないかも。。
    『主よ、永遠の休息を』って、なんでこんなタイトルにしたんだろう。。
    あー、本当に気分が落ち込んだ。
    でも誉田中毒。(>人<;)

  • ほとんどイッキに読み終えたとき、周りの空気が一瞬薄くなったような気がした。
    そして何より、まったくこの話のとおりではないにしても、似たような被害にあった子供や稲垣みたいにな人間がいるという現実に気が滅入る。

  • 誉田哲也さんの作品は姫川玲子シリーズに始まり、今まで沢山読んでいます。
    正直、あまりに残酷で辛くなるストーリーも多々あります。
    今回もそういう感じでした。
    真実はあまりに残酷。
    誰も救われない。
    読み終わって、しばし呆然...
    そういうタイプの。
    それでも、誉田作品は気になってしまうんです。
    心の闇って、時に人を惹き付けるんでしょうか...
    だけど...出来ればあまりにも不幸な展開ではなく、救いも欲しい、そう思います。

    この本の表紙は好きです。素敵だと思います。
    唯一の、「救い」かな。

  • 大好きなはずの誉田哲也を久しぶりに♪

    けれど……。
    心底むなっくそ悪いハナシだった。
    テーマがテーマなだけに、娘をもつ身には辛すぎる物語。

    ま、ストーリー展開自体は誉田さんらしいと言えるし、だから“いやもう、誉田哲也きらいになるゎ”とはならない点は、やはりさすがだな、とは思う。

    Web上で、「黒い誉田と白い誉田」なる造語を目にしたことがしばしばある。
    彼の白さも黒さも、どちらも好きではあるけれど……。

    「月光」を読んだ時にも思ったが、
    こういう“黒過ぎる”モノが紛れ込んでいるのが、珠に傷かな…。

    白なら“部活少女の物語”
    黒ならやっぱり“苺”あたりが、一番好き。

    ★3つ、7ポイント半。
    2014.12.16.了。


    以前、知人の妹(少女6年生)が「月光」を手にしてるのを見かけた時、哀しい気持ちになったのを思い出した。

    今や人気作家となった誉田哲也は、青少年の読者も多いはず。
    全部とは言わないが、明らかに
    “R-14指定”くらいは必要な作品がいくつかあると思う。

    男子でも女子でも……、少なくとも、ランドセル背負うような子には読ませたくない。

  • 青春小説「武士道シックスティーン」と同じ作家さんだとは・・・と驚きながら読んだけど、なるほど・・・会話の後の心の声など乙女チックな描写を読むとなんとなくうなづける。内容は胃もたれするほど救いようがない。途中で結末をあえて読者にわからせるように書いてるのがよけいに辛さを倍増させる。

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著者プロフィール

誉田哲也
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。主なシリーズとして、『ジウⅠ・Ⅱ・Ⅲ』に始まり『国境事変』『ハング』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ノワール 硝子の太陽』と続く〈ジウ〉サーガ、『ストロベリーナイト』から『ルージュ 硝子の太陽』まで続く〈姫川玲子〉シリーズ、『武士道シックスティーン』などの〈武士道〉シリーズ、『ドルチェ』など〈魚住久江〉シリーズ等があり、映像化作品も多い。

「2023年 『ジウX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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