全部抱きしめて (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
3.22
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本棚登録 : 150
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408551418

作品紹介・あらすじ

42歳の奈津子は7歳年下の同僚・関口諒と激しい恋に落ちた。だが家庭ある身のふたりの恋は引き裂かれ、奈津子は仕事も家庭も失った。それから一年、ひとり暮らしを始めた奈津子の前に、再び諒が現れる。「恋人でなくてもいいから傍にいたい」という諒の真意を訝りながらも、孤独に苛まれる奈津子は誘いを拒むことができない。一度壊れた恋は蘇るのか、それとも…。

感想・レビュー・書評

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  • ★3.5

    友情でもダメか」
    ふいに諒が言った言葉が意外すぎて、理解するのに時間が掛かった。
    「友だちになりたいって言うの?」
    理解すると同時に、やっぱりおかしくなった。おもしろいというより、ばかばかしい。
    「いまさらお友だちなんて」
    最初は会社の同僚だった。友だちと言ってもよかっただろう。私はそのままでもよかったのだ。それ以上を望んだのは、諒の方だったのに。
    「それとも、私に罪悪感を抱いているから、せめて友人として助けたいってこと?」
    「そうじゃない。……ただ、奈津子の傍にいたいだけだ。どんな形でも。友だちでも」
    「結局、よりを戻したいってことじゃない。いまさらそんな。虫がよすぎる」
    諒の顔が傷ついたように歪んだ。それでも、言わずにはいられなかった。
    「起こってしまったことは戻らない。私たちは別れたんだし、いまさらやり直すなんてできないわ」
    「俺は別れるつもりはなかった。奈津子がひとりで決めたことだ」(本文より)

    出版社で編集の仕事に携わる42歳の奈津子は、7歳年下の同僚、営業部に勤める関口諒と激しい恋に落ちた。
    だが、家庭ある身のふたりの恋は引き裂かれ、奈津子は仕事も家庭も失ってしまう。
    それから一年、ひとり暮らしを始めた奈津子の前に、再び諒が現れる。
    「恋人でなくてもいいから、傍にいたい」と訴える元・恋人の真意を訝りながらも、
    孤独に苛まれる奈津子は誘いを拒むことができない。一度壊れた恋は蘇るのか、それとも……。
    大ヒット『書店ガール』の著者による渾身の書き下ろし。“究極の"不倫小説!




    読み始めは寂しくて孤独な女の人の質素な生活
    侘しさがせつなかったです。
    徐々に過去に何が起こったなか
    どうしてこの生活になってしまったのぎ少しずち理解出来てきたした。

    奈津子は同僚の諒と激しい恋に落ちた
    ふたりとも家族がありながら…。
    こういう恋愛を全否定し憎んでいる人
    とても沢山の人々がいます
    私は、結婚してても周りをとても傷付けの
    わかってても止められない気持ちあると思う。

    人間ですもの

    ふたりが幸せになって良かったなぁと

  • 母と娘
    義理の姉
    編集者
    小金井の町
    散策

    「情事の終わり」を先に読みましたが、読む順番はあまり関係ないかもしれないです
    でも共感は……できないかな

  • 前作の『情事の終わり』を読んでから3年も経ってしまった。
    その後どうなったのかは気になっていたけど実際に完結できたからよかった。奈津子というヒロインの人柄から歳の差を超えて大人の恋が実った結末は微笑ましいくらい。そして奈津子の周りの人全てが幸せになっていくことを願うばかりだ。きっとそうなることを予感しながら読了できた。

  • 碧野先生の新作、しかも小金井が舞台と聞いて買って読んでみたら、とてつもなく官能的な不倫小説でびっくりした。エロかった。赤面しながら電車で読みますた汗

    でも、作中に出てくるはけの名所の数々、奈津子と諒みたいにデートしてみたい。もちろん不倫関係じゃなくて、ちゃんとした人とね笑

  • 続き物だと知らなくて前作を読んでないけれど、そんなになにもかも上手くいく事ねえだろ〜〜〜
    等々力渓谷はとても行ってみたい場所です。

  • #不倫 #その後 #7歳年下 #元編集者 #離婚 #高齢出産 #一人暮らし

  • 「情事の終わり」の続編。どちらから読んでも大丈夫だが、やっぱり「情事の終わり」からがお勧め。
    リアルな感じだった。

  • 不倫、退職、離婚を経た女性の話。
    途中で、気づいたのだけれども、以前読んだ「情事の終わり」
    http://booklog.jp/edit/1/4408550833
    の続編でした (^_^;)

    その後例の彼と、よりを戻して、子どもが出来て…幸せになる話。
    ストーリー的にも楽しめず、主人公カップルにも共感できず。
    ただ、「はけ」のことは、この小説で知ることができ
    散策してみたいな、と思いました。

  • 「情事の終わり」を先に読みたかったが、図書館に両方予約していたら、続編である「全部抱きしめて」が先に来てしまった。
     でも、話が通じなくて困るということはなかった。

     初めのうち、どんよりして救いようがない感じだったのでやめようかと思ったほどだが、そのうち上向いてきて一気に読んだ。
     しかし、あまり感情移入できなかった。恋人の諒に魅力を感じなかったからかもしれない。
    私はこんな(元?)チャラ男はお断りだから。

  • 人には理屈ではなんともならないことがあるんだなぁと、現実味を感じながら読んだ。恋ってこういうものなんだろうね。考えてもなんともならないし、周りにも理解されなくても、その2人の世界で生きていける。そのエネルギーがすごい。

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著者プロフィール

愛知県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。フリーライター、出版社勤務を経て、2006年『辞めない理由』で作家デビュー。大人気シリーズ作品「書店ガール」は2014年度の静岡書店大賞「映像化したい文庫部門」を受賞し、翌年「戦う!書店ガール」としてテレビドラマ化され、2016年度吉川英治文庫賞にもノミネートされた。他の著作に「銀盤のトレース」シリーズ、「菜の花食堂のささやかな事件簿」シリーズ、『スケートボーイズ』『1939年のアロハシャツ』『書店員と二つの罪』『駒子さんは出世なんてしたくなかった』『跳べ、栄光のクワド』などがある。

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