星がひとつほしいとの祈り (実業之日本社文庫)

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著者 : 原田マハ
  • 実業之日本社 (2013年10月4日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408551456

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星がひとつほしいとの祈り (実業之日本社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 綺麗なタイトルに惹かれ購入した。様々な年代の女性の姿を優しく描いた短編集。
    不倫していたり、不義の子を妊娠出産していたり…登場人物にはいまいち共感できなかったが、少し泣ける優しい話は気持ちが静かになれて良かった。色々な土地を舞台にしており、それぞれ方言で書かれているので、それがまた優しい雰囲気を作り出している。
    「長良川」と表題作、そして先日読んだ『さいはての彼女』にも登場したハグとナガラが出てくる「寄り道」が特に印象的だった。

  • 切なかったり悲しかったりするけれど、その倍清々しい。
    7つのお話から成る短編集なのだけど、全ての物語に共通してそんなことを感じた。

    予定外の子どもを身ごもってしまったOL、不倫中のコピーライター、神経症の娘を持つ母親、かつて義理の娘だったミュージシャンの逃亡を助ける初老の女性など、現在進行形で問題を抱える女性たちが主人公で、状況はそんなに簡単に良くならないけれど、先にうっすらと光が見える。そんな読後感を与えてくれる物語たちが、とても愛おしかった。
    旅の場面もいくつか出てきて、自然が多い描写も清々しさがあって気持ち良かった。

    凝り固まって頑なになっていた人の心が不意にほどける瞬間。ふっとささやかな笑顔がこぼれたり、打ち明け話が始まったり。
    親しさとか付き合いの長さは関係なく、空気とかタイミングで訪れる、後から振り返ってみれば不思議な時間。
    実際にもあるそういう瞬間がリアルに描かれていて、そういう温かさがあるから人は生きていけるのかも知れない。そんなことを思った。

  • 眠る前に軽く読むには、丁度良いくらいの
    短編集。

    …と、思っていたのだが
    就寝前の語り部として原田さんは如何なものか。
    「さ、おしまいですよ。もう眠りましょう。」
    と、お布団をかけられ、トントンされても
    心がうるうるしちゃって眠れないっ。

    それでもいつの間にか朝になり、
    (泣きながら眠るなんて、
     少女の頃以来だなァ…。テヘ。)
    なんて、鏡に向かうと
    写っていたのは真っ赤に腫れた目が痛々しすぎるただの現実。

    就寝前泣きの小説には要注意かな。

  • 方言の優しさを感じる短編集。

    主人公は人生の過渡期にいる女性たちで、「楽園のキャンバス」から原田マハさんを読みはじめた身としてはこんな作品も書くんだと意外。

    とくに「椿姫」と「夜明けまで」が…もう、ぐっときます。

    「椿姫」は、不倫相手の子どもを身籠った女性のささやかな決意の話。
    「夜明けまで」は亡き母の遺言で大分県の夜明という名の駅へ向かう娘の話。

    どちらも、というほかのどの短編も一切浮ついてません。でも、重たくない。

    解決の一歩手前、どうにか乗り切れそう…という希望の一筋が見えてくるところで終わるので清々しい読後感でした。

  • いろいろな女性が主人公の短編集。
    自分の地元が舞台になったお話もあって嬉しかった。
    私たちの話し言葉って文字にするとこんなふうになるのかな。なんかちょっと違う気が…。想像で書かれていないことを願ってしまいます。
    夜明け前のお話と朱鷺のお話が好きです。

  • 人生の寄り道とか岐路に立って、ふと立ち止まる(立ちいかなくなる)状況になった、働く女性が主人公の短編小説7編を収録。

    誰にでも起こりそうな、どこにでもありそうな話なんだけど、なんだかホワっといい話。力業じゃなく、すんなり誘導される感じで読後すっきりする気持ちよさ。筆に思いがこもってるから何気ない日常がドラマになる。

    「翼をください」はあまりにも提灯持ち臭さが鼻についてげんなりしたけど、この短編集では肩の力も上手い具合に抜けた感じがして(冒頭作だけちょっと苦手)、原田小説を見直した。合う合わんが作品ごとに出る小説家やなぁ。そういう意味でも油断できない(笑

  • 女性の様々な世代に渡って人生の節目、決断をする時などと
    様々な物語が綴られています。

    原田さんの作品は好きなので何冊か読んでいますが、
    「さいはての彼女」、「生きるぼくら」などのように
    力強く明るいものでは無いですが、
    静寂の中に切なくもあり、その中でゆっくりと小さな光が
    注がれているという感じで読み終わってからも
    じんわりと味わうものがありました。

    原田さんの作品では旅の中での物語がよくあり、
    今回も殆どにありました。
    それで地元の方言や美しいその時の風景などが丁寧に描かれているので
    とても読んでいて心地良いものでした。

    解説にもありましたが「さいはての彼女」に収録されていた
    「旅をあきらめた友と、その母への手紙」のハグとナガラが
    この作品にも登場されいて続編のようになっているので
    少し得をした気分になりました。
    こうゆう小さな所で以前の作品が登場するというのも
    他の作品を読んできた面白さを振り返ることが出来るので良いです。

    どの作品も良かったですが、中でも良かったものは
    「星がひとつほしいとの祈り」と「長良川」です。
    「星がひとつほしいとの祈り」は他の作品とは少しテイストが違い
    昔話かおとぎ話でも聞いているような気にもなりました。
    丁寧なヨネさんの喋り方や慎ましくも力強い人生、
    そして心温かい人柄とても心が打たれました。

    「長良川」では亡き夫との思い出やエピソードが語られている部分は
    夫と優しさや人柄がとてもよく出ていてそれがまた涙をそそられました。
    こんな風にお互いを思い合える夫婦が素敵だと思い、
    それをまた娘夫婦が軌跡として繋いでいるのが微笑ましかったです。
    夫がふと語る言葉がどれも素朴でいて可愛らしくて好きです。
    中でも 
     川があって橋が架かって、人々が行き来して。
     川辺があって、家が並んで、釣り人が糸を垂れて。
     水鳥、魚、鵜舟、大昔から続いている、人間の営み、
     その中心を、静かに流れていく川。
     人間ってちっつちゃいよな。でも、ちっちゃいなりに、
     川と一生懸命に付き合っているんだな。
     人間って、なんだか可愛いな。
     そんなふうに思って、おれもちっちゃい、可愛いもんだ、って。

    特別インパクトある言葉がある訳でもなく、
    普通の言葉ですがどこか心を和ませたり、癒されることがあり、
    それによって人生の節目などで落ち込んだ時に読んだら
    背中をそっと押してくれそうな作品ばかりなので
    また再読したい一冊になりました。

  • 現代人は誰でも多かれ少なかれ心に重荷をしょっていると思う。現在進行形の辛い恋であったりしっくりこない親子関係であったり、あるいは大切な人を亡くした喪失感であったり。そんな重荷をほんの少しだけ軽くしてくれる物語。

  • とっても悲しいけれど、とてもあったかい気持ちになれる一冊でした。
    "長良川”が1番好きでした。
    不覚にも涙が溢れて止まりませんでした。
    何故かどの地方の方言も懐かしく感じられ、読後は甘酸っぱい切なさと優しさで心がいっぱいになりました。

  • とくに「星がひとつほしいとの祈り」と「長良川」が気に入った。
    感情が心に響いてくる。心を掴まれて、搾られて、不意に涙が溢れ出す。
    様々な場所が舞台になっているこの短編集、読んでいるとその土地の情景が浮かんでくるようだった。
    友人と白神山地へ、家族と佐渡島へ、大切な人と長良川へ行きたくなった。

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星がひとつほしいとの祈り (実業之日本社文庫)の作品紹介

売れっ子コピーライターの文香は、出張後に寄った道後温泉の宿でマッサージ師の老女と出会う。盲目のその人は上品な言葉遣いで、戦時中の令嬢だった自らの悲恋、献身的な女中との交流を語り始め…(「星がひとつほしいとの祈り」)。表題作ほか、娘として妻として母として、20代から50代まで各世代女性の希望と祈りを見つめ続けた物語の数々。

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