- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408551456
感想・レビュー・書評
-
*
夜明けまで
星がひとつほしいとの祈り
寄り道
斉唱
長良川
沈下橋
全7作
女性の人生における分岐点での其々の判断、
その判断よって開けた時間と閉ざされた道。
どれを選べば正しいと決まっていないし、
どれを選んだから間違いでもない。
さまざまな土地の方言が物語に生々しい命を与え、
登場人物が話の中で今も生きて息をしているように
感じさせる。
正解なんてない、だから失敗もない。
星がほしいなら星を求めて進む。
寄り道だって無駄じゃない。
例え一度手放した花でも、
永遠に手にできないわけじゃない。
抱えきれない思いがあるから夜明けを瞼に
焼き付けて踏み出すことも選べる。
声をかぎりに求めて叫ぶこともできる。
本人が望めば、思い出や記憶は悠久に続く
穏やかな川の流れのように絶えることはない。
仮に沈むことがあっても、
じっと耐えて水を受け入れて
時がたち未だ浮き上がればいい。
色んな人の時間を見せていただきました。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
7篇からなる短編集。
どの作品も主に「母と娘」を描いています(母の様な役割をしていた女性も含めて)。
唯一「椿姫」にはそれがないですが、望まぬ妊娠をしてしまった香澄と自分の意に反してお腹を守ってしまう手の描写などから、同じ類、そして本書のオープニングに相応しい話だと思いました。
「母と娘」と言えば、湊かなえさんを連想してしまう。
同じ「母と娘」でも、原田マハさんが描くとマイルドで、読みやすく、優しい感じでした。
これだから読書は面白い。
個人的には、「椿姫」、「夜明けまで」、「長良川」、「沈下橋」が好きです。 -
色んな女性に焦点をあてた短編集。
リアルが強く感じられるので、すごく胸が引き裂かれるような思いもしながら、少し温かみを感じられる物語でした。 -
立場の異なる主人公たちの拠り所にまつわる短編集。
不倫相手の子を妊娠した若い女性、盲目の年老いたマッサージ師、大麻使用で手配された芸能人の育ての親など。
それぞれがそれなりに困難に遭った時に心の支えとなったものの物語。
最初のほうは、これを読んで何を思えば良いのやら、と思ったぐらい何も感じなかったが、読み進めていくとなんとなくわかってくるような気がする。どんな人にも拠り所となるものがあるよね、なのか拠り所があると強くなれるよ、なのかわからないけどたぶんそんな感じかなと。 -
んー。
なんとも。 -
あんまりだった
-
長良川が一番かな!
とりあえず各話毎に書いてみる。
・夜明け…素敵な駅名だなあ。
・寄り道…同じ晴れ女として。笑 寄り道は良いもんです。無用の用。
・斉唱…トキも気になる。佐渡島。
・長良川…鵜飼うっすら興味あったんだけど、長良川を読んで、見物行きたくなったなあ。夏の描写がまたなんとも。
しかし、一生をかけて幸せに、っていうのは?
一緒幸せに、じゃないのかな。
お父さんの言葉で、漏れなくうるうる。
椿姫と、表題の星が…はしんどくて読めないや。
しかし何故、こんなどうしようもないヤカラばかりなのかね。そんなものに足を止めたり引っ張られたりする暇はないのよ。
いや、もういっそ、
全部抱えて向き合って生きていく器の大きさは無いものかね。
意志っていうのは、気持ちがあればいいという意味じゃなく、
まず気持ちがなければ行動なんてとても出来ない、ということなのよ。
行動しなければ、ただの自己満足と同じ。
ビジネス書然りね。笑 -
心温まる小説ばかりの短編集でした。
-
各編とも明日に向かって前向きに終わりました。
話が都合よく展開してると感じました。 -
2018.4.8
奇跡の人を読んだばかりなので、星の話には既視感を覚えた。
これだけ多作な作家さんだから、ある設定から枝分かれする物語が次々始まるのだろうなどと余計な邪推。
でも、さすが、メインタイトルになる良い話だった。良き時代のせつない美しい話。好き。
もう一遍、長良川では涙した。
あと三冊原田マハさんの本を購入した。全部追っかけします!