桜の首飾り (実業之日本社文庫)

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著者 : 千早茜
  • 実業之日本社 (2015年1月31日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408552095

桜の首飾り (実業之日本社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 桜をモチーフにした、寂しい女の人が多く出て来る話。
    切ないような冷たさが、よく合っていて、読んでいると自分まで苦しくなってくる。

    冒頭、管狐の話はハードカバーからずっとお気に入り。
    人に接するのが苦手な主人公が、思いっきり変わった世界を持つ男にゆっくり近づいてゆく。

    夫への復讐に他の男と遊びながら、癒されてゆく女や、遊びでしかなかった関係を引きずりながら日々を過ごす男。

    求めているものが手に入らない苦しさの中で、桜という刹那の美がそれぞれの瞬間に彩りを添えていく。
    決して美しいだけではない、ぶるっと寒くなる感覚も多いが、空気感の好きな作品。

  • 桜の季節、タイトルに惹かれて購入。7作品収録の短編集。派手さはないけどしみじみと良い短編集だと思う。全ての作品に桜の情景が出てきて情緒がある。印象に残ったのは支配したがる母に密かに反発しながらも優しい人との出会いによって母を温かく受け入れる少女の話「初花」と、厳しかった亡き祖母の他人に見せていた別の顔と主人公にしか見えない少女の正体とその意味が深い「樺の秘色」

  • 桜に纏わる短編集。一言で『桜』といっても、一話一話趣向が凝らされていて、狐憑きや、幽霊が出てくる話もあれば、本物の桜ではなく刺青の桜の話もある。『エリクシール』『背中』『樺の秘色』あたりが色っぽさもあって好き。千早さんが描く桜は青空に映える薄ピンクなものではなく、花曇りの中で見る桜のよう。ただ、どの話も最後には雲間から薄く光が射しこんでくるように感じられて良かった。物語でいいお花見をさせて貰った気分です。

  • 昔読む時の雰囲気はなくなったみたいけど、「背中」と「樺の秘色」はまあまあいい。

  • 今年の冬は暖冬とかで、高松市で、梅が開花したと、報道していた。

    梅と違って、桜は、なぜか日本人の心の花のような感じがする。
    「歳を重ねると、後何年この桜を見ることが出来るのだろう?」と、言っていた人たちを、毎年春になると思いだす。

    この小説は、桜と人生を描いた7つの物語が、描かれている。作者が、アフリカのザンビアで、満開の紫のジャカランダと言う名の花を見て、桜と同じ荘厳さを感じたことから、少しずつ構想を練って描いたものらしい。
    最初の「春の狐憑き」は、幻想小説の様な話なのかと、おもったが、「白い破片」は、小池真理子風の様な男女の話。
    「初花」は、ステージママと少女。
    「エクリシール」は、夫が死別した妻と同じようになるように、現在の妻に仕向けることにショックを受けた妻の心境。
    「花荒れ」中年男性と初老の男性。の会話で、愛人(?)と、甘党の話。
    「背中」大学の資料館でのアルバイト青年と刺青に興味のある女性との話。
    「樺の秘色」は、祖母が亡くなった庭に少女の幽霊が見える女性と、カメラマンの話。

    どれもこれも、共通するのは、桜の花のみ。
    変な人?、変わった人達が、登場するが、人それぞれ、問題を抱えながら人生を歩んでいる。
    親子でさえ、完全に分かり会えることはないけど、つながる事が出来る。
    美しい物、優しい物、心動かす物、等に触れあった時に、そして、それに共感を覚えることが出来たら、幸福だと、感じることが出来る。

  • なんて言ったらいいんだろうな・・・。
    桜をテーマにした短編集。
    各話は独立していて、関連性などは無いです。
    大きな事件とかで話の起伏があるわけではないので、好きな人は好きなんだろうな、って感じの作風でした。

  • 桜は不思議な存在。幸せな気分にしたり、切なくしたり、時には狂わせそうなくらいな時もある。その桜にまつわる各々の話…そんな話を読みながら
    私にとっての桜は…なんて想いを馳せてみる

  • 表紙に惹かれて購入。桜をめぐる短編集。
    残念ながら私には合わない作品だったようです。

  • いまの季節にぴったりだった。
    それぞれどの短編も、最後には少し前を向けるような気持ちになれた。

  • 桜をめぐる7つの短編集。
    丘の上の美術館や、長い石段、神社の境内など、一つの街を舞台にした物語たちであることも示唆されている。
    それならばきっと、彼らが見ている桜の花も、違う桜ではないはずだ。

    少しセンチメンタル過剰な気がしないでもなかった。
    けれどそれはまあ、桜の樹の精の霊力みたいなもののせいということだろう。もしくは管の中に棲む狐の瘴気に中てられたとか。

    「人が完全に分かり合うことはできないと私は思う」
    とあとがきで述べられているけれど、確かにそうだと自分も思う。
    けれど、同じものを同じ場所で見ることはできるはず。
    だからと言って、隣でそれを見ているあなたが、私と同じことを感じているはずなんてないのだけれど。

    「桜を毎年見たいと思うのはね、その美しさを共有できる人がいるって思いたいからだよ」

    図らずも私たちは、この景色を共有してしまっている。
    この景色だけは。

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桜の首飾り (実業之日本社文庫)の作品紹介

あの人と一緒に桜を見たい-桜と人生をめぐる7つの物語。あたたかい桜、冷たく微笑む桜、烈しく乱れ散る桜…桜の季節に、人と人の心が繋がる一瞬を鮮やかに切り取った、感動の短編集。現代に生きる男女の姿を、気鋭の作家が描き出す。

桜の首飾り (実業之日本社文庫)はこんな本です

桜の首飾り (実業之日本社文庫)のKindle版

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