現場痕 (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 33
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408552354

作品紹介・あらすじ

損害保険代理店を営む志摩平蔵は元刑事。警察官の妻を事故で亡くし、子育てのため転職したのだ。轢き逃げに見せかけた殺人、事故を利用したアリバイ偽装など、交通事故が生み出す莫大な保険金を狙う犯罪はあとを絶たない。死者と遺族の無念を晴らすため、地道な現場調査から真相を炙り出す"正義の保険屋"志摩の奮闘を描く傑作ミステリー集!

感想・レビュー・書評

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  • 盛岡のさわや書店店頭のオススメで購入。岩手県出身の作家さんで、地元の地理が分かっていたらもっと楽しめただろうなぁ、ということでマイナス星一つ。でも、充分楽しめるミステリーでした。

  • 保険金目的の殺人事件はあり得ると思う。
    あくまでも私の周囲だけの話だが・・

    交通事故や若くして病気で主人を亡くした奥様は
    良くも悪くも派手に生活している。
    下世話ながら「幾ら貰ったんだろう?」と
    勘ぐってしまうほど派手派手!
    彼女たちは最初に家を建てるか家を改築する。
    そして高級車を購入して
    その後ゴルフの会員権を買って
    ゴルフ場へ出入りする。と言うパターンが多いなぁ。

    男性とのトラブルが絶えない人もいる。
    皆さん(あくまで私の周囲だけ)
    旦那さんが生きていた頃の方が
    堅実に生きていた。
    既に生活レベルが大きく異ってしまうため
    その後付き合うことは無い。

    あぶく銭は身を滅ぼす・・・貧乏人の遠声

    こういうことを思い出すほど
    リアルな話ばかりで面白い。

  • 保険屋観点のミステリとは面白いと手に取った本作。短編集でありながら作品ごとの視点の違いが主人公の世界を巧く作り出している。ハードボイルド的な展開はいわゆる警察小説らしさだが、人臭さを表現することを忘れないあたりが憎い。なかなかいい爽快感をもらった。

  • 表題作を含め全6篇。
    ちょっと警察の扱いが軽いと言うか、この手の元警察官が主人公のお話にありがちなダダ漏れの捜査情報が気にはなったが、さくさく読み進められた。

    志摩のキャラクターは結構好き。子供とのエピソードは少な目でハードボイルドな印象を持たせつつ、ところどころの子煩悩ぷりを思わせる台詞が良かった。
    事件の全容が読者にも明らかになったあたりで、それ以上を書きすぎずに終わるあたりも、何となく志摩の人柄を表しているようで(余計な事は語らない)全体の雰囲気も良かったが、できれば短編ではなく、じっくりと登場人物に触れられる長編を読んでみたい。

  • 自動車事故に関連するミステリー短篇集。
    まぁまぁ面白かった。特にブロッコリーの話。
    ただ、タイプが違うとはいえ自動車事故の連続なので読み続けると確実に疲れる。

  • 生損保代理店を経営する著者だからこそ描ける正統派連作ミステリー短編集。元刑事の損害保険代理店を経営する志摩平蔵が盛岡市近郊を舞台に様々な事故や事件の真相を暴いていく。損害保険代理店の所長が事故の裏に潜む事件を解決する面白さとリアリティ溢れる交通事故の描写と意外な展開が非常に良い。

    『偶然の証明』。盗難車による轢き逃げ事故と被害者の妻の物損事故。二つの事故をつなぐものは…

    『現場痕』。著者のデビュー作。四人の男女の死亡事故。志摩は大家の柴原の依頼で事故の真相に迫る。

    『センターライン』。単純なセンターラインオーバーによる正面衝突事故は意外な方向へ…

    『茶の葉とブロッコリー』。もっともミステリー趣向の強い短編。意外な動機と意外な証拠。

    『事故車の証言』。用水路への転落事故は思わぬ展開を見せる。

    『未必の故意』。一年前に起きた交通事故と新たな交通事故をつなぐ意外な真相…

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著者プロフィール

1950年岩手県生まれ。ミステリー短編「現場痕」でデビュー。第三回北東文芸賞受賞。著書に『種の終焉 The Killer Virus 殺人菌』『クラッシュ・ゲーム』『種の復活』『戒厳令1999』『種の起源 The Origin of Species』『闇の殺戮者』『呪葬』『白兵』『火炎都市』『現場痕』『鬼哭青山遥かなり』『吸血蟲』『死霊列車』『異郷の夏』など。

「2018年 『謀略軌道 新幹線最終指令』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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