映画にまつわるXについて (実業之日本社文庫)

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著者 : 西川美和
  • 実業之日本社 (2015年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408552477

映画にまつわるXについて (実業之日本社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ドイツの混浴温泉で同郷の男性と出会ってしまった時の、素っ裸の言葉を交わさない腹のさぐりあいのエピソードが好きでした

  • 自分の中にある、醜さ、いやらしさ、至らなさを露悪的に描く人なんだろうか。
    書き物に共感を覚えるけれど、実物の西川さんは、すらりと立っていて、同世代の冴えないおっさんの共感など峻拒するんだろうな。
    なんだか、太宰治の恥、みたいな感想になってしまった。
    また、この本の「足りない女」というエッセイに書かれた、西川さんが向田邦子さんに向ける思いと、自分が西川さんに感じる思いは、驚くほど相似形のものだった。
    まぁ、なんとかやってくしかないんだと思う。

  • 「役者がこんなことを言うのはおかしい。俺だっていつもなら脚本に、監督の演出にすべて従うことにしている
    。けれど、もしも一生の内、役者が脚本に対して意見することが許されるカードが、仮に三枚だけ与えられているものだとしたら、俺は迷わずその一枚を今ここで使うよ。・・・・・」
    以上が、映画『ゆれる』での香川照之氏と監督とのやり取り
     
     『夢売るふたり』ヒロインを演じた松たか子さんが、役柄でフォークリフトを運転するシーンで、実際に監督と共に免許を取得する話など、興味深く堪能できた。

  • 『蛇イチゴ』『ゆれる』『ディア・ドクター』『夢売るふたり』
    をDVD で見た。監督が 西川美和だった。

    濃密な人間関係をえぐり出す西川美和が、書いたエッセイ。
    どんな感じの文を書くか と思って読み始めたら、
    朝青龍の ヒールについて、なんで ヒールにされるの?
    ヒールがヒールと思っていないけど、ヒールにされてしまう。
    そのことについて、愛着を持って、濃密に綴る。
    なるほど、この感性は、どこかで、ねじ曲げられて、
    屈折して、自分の体内に、なにものかを押さえ込んでいる と思わせた。
    その得体の知れないものに、いらだったり、ひりひりしたり、
    独特の こころの中の揺らぎが、「ヒール」や「女子重量挙げ選手」に
    共鳴 共振したりするのだろう。

    裸のエッセイもいい感じだ。
    きれいな裸でなく 正直に 生活の陰をひきづっている裸に注目する。
    裸って、やはり、正体 つまり人生をあらわすんだよね。
    それを描いていく筆致が なんともいえず 鋭い。
    谷ナオミの今のこだわりも、「裸」を売り物にした生業を心得ている。

    オーディションでみえた 少女の ニンゲンへの洞察が、
    きちんと生きてきた 証しが 見え隠れする。
    そういう 中にあるものを 的確に つかみ出そうとする。
    西川美和の したたかな 観察眼に 驚く。

    映画 ではなく、フィルムに 想いがあり、
    デジタルの安易さが 好きになれない。

    途中に 気の緩んだような 昔のエッセイがあり
    それが 刺身のつまみたいで 軽く読める。

    ゆれるの 脚本から キャスティング そして
    香川照之との出会い 鬼が来た。
    オダギリジョーの なんともいえない 風情を
    きちんと 文字の中に 閉じ込めていく手腕。

    こういう したたかな 感性があるから、
    ちょっと、質感の違う 映画が きちんと生まれるのか
    と 納得した。

  • 産業としての映画、芸術としての映画、その間で揺れ動きながら制作に臨む監督の生き様がすごくかっこいい。普段から、ノイズ(いい意味で)をたくさん吸収して、咀嚼して、映画に詰め込んでいる人なんだなあと思った。
    いろいろなノイズが溢れてて、そこから人間の深い深いところを読み取れるのが映画の面白いとこだし、そういう映画をいまの日本で産み落とせるって、ほんとすごい。

  • 難しいけど『ゆれる』を観て以来気になってチェックしてしまう西川美和さんのエッセイ。
    エッセイは個人的に軽い読み味が多くて読みやすいから好きなのだけれど、文章が硬質というか、内容が小難しい訳ではないのに読みやすくもない。でも、西川美和さんの考えている事が少しでも分かって面白かった。映画は自分にとっては難解な部分も多いのですが、意外やこんなに自虐的だったりされるんだ…と思ったり。
    『ゆれる』や『夢売る二人』の裏話が読めたのは嬉しかった。

  • 西川美和さん、綺麗ですよね。(内容カンケイない)

  • 国内外で高く評価される映画監督の初エッセイ。映画「ゆれる」や「夢売るふたり」などの舞台裏から映画製作に関わることなど監督・脚本家ならではの視点で書かれた数々は西川作品の新たな魅力が見出せる。小説と同様にエッセイも面白い。

  • 西川美和さんのエッセイを読んだ。論理的でスピード感があり、力強い文章。映画制作の過酷な現場や監督の苦悩が垣間見れる貴重な一冊だと思う。「ゆれる」を見返したくなった。

  • たった数秒のワンシーンのために注ぐ膨大な時間と努力をこの人は「自分には才能がない、天才でないから」と言う。それこそが才能なのに。ゆれる、も夢売るふたり、も。観返したくなった。この人のこだわりの詰まった苦しみの時間を想いながら。

    『一度、何らかの深いところに潜ったのだな、』なんていう、人の胸の奥底にひっそりと横たわる感情を掘り起こすのが上手すぎる。才能だ。だからこそ彼女の作る映画も小説も、ぐっときてしまうのだ。

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映画にまつわるXについて (実業之日本社文庫)の作品紹介

横綱、裸、眠らぬ猫、夜の闇-気鋭監督が切り取る35の風景。主演女優とフォークリフトの免許を取り、ワンカットのためにネズミを育てる。増殖する本に苦悩し、深夜に出会った男の行方を案じ…。取材や脚本の執筆、撮影など映画制作現場でのエピソードをはじめ、影響を受けた映画や本、作家について、鋭い観察眼で描く。『ゆれる』『夢売るふたり』など、国内外で高く評価される映画監督の初エッセイ集。

映画にまつわるXについて (実業之日本社文庫)はこんな本です

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