微笑む人 (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 213
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408552613

感想・レビュー・書評

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  •  展開がいい

  • 読んでいて人間の怖さというか、特に害のなさそうな人に見えてる人が実はこうだったというヒトコワだなぁと思った。

    他の人が感想で述べているように結末でスッキリすることはない。

    ただ怖さが面白い。

  • 読み終えた時カミュの「異邦人」の不条理を思い出した。スタイルもストーリーも全く異なるけれど、人間の不可解さ、納得感が得られない不気味な存在であることがザワっとした感覚として残る。人間は、自分に都合のよいようにバイアスをかけて「解釈」して生きているのだと。

  • 期待して読んでいたが、戦慄のラスト!という巻末の説明はすこし違うかも

    結局 仁藤はなんだったのか。

    「わからないことを認めてしまえば、たちまち不安になるから。」

    殺人犯に対してなぜ殺したか、と聞かれた時に他人に納得してもらえないから
    そうじゃないとしても人が納得する理由を答えてしまう犯人もいるかもしれない

    読んでいる我々も納得する結末を勝手に期待して読んでしまっていた

  • 定期的に訪れる貫井さんの作品。
    貫井ワールドには中毒性があるのよね。

    『慟哭』ほどではないけど、たまに表れる難しい言葉は貫井さんらしさを感じる。
    「訥々」とか読める?意味わかる?
    「のうのう」でも「ないない」でもないよ。

    内容も貫井さんらしいやつ。
    殺人事件が起きて、それを追っていくパターン。

    でもそこは貫井ワールドですから。
    定番ルートは通りません。
    何が貫井ってるか読んで感じてくださいな。

    「100%相手のことがわかったら、お互い超能力者ですよ」みたいなフレーズがお気に入り。
    これ真理よね。

    相手のこと、わかってますって自信持って言える人って、わかってないとこに気付いてないだけな気がするのよね。
    自分自身ですら自分のことわかってないのに、わかるわけないよな。
    あんまり言いすぎると、また偏屈扱いされるのでこの辺で…。

    貫井さんの作品は結構読んできたと思うけど、なかなかにクセも強いし色んなパターンがある。
    ストーリーというより、『伝えたいこと』を伝えてるって感じなのよね。
    合う合わないってこともあるから、1冊目で苦手とならず、色々読んでほしいなぁと。

    俺自身も合わなかったものはあるけど、それを理由に読まないのはまじで勿体無い。

    有意義な読書タイムをありがとうございました
    この読後感を噛み締めつつ

    こちらも実写化作品。
    U-NEXTにあったのでそのうち観ようと思います。

  • 微笑んでいるっていい感じがするのにね。
    外見だけではわからないということなの?
    他人の考えてることなんてそもそもわかるわけないということだよね。こうなんだろう、こうじゃないかな、と想像して期待するから、そうでなかったときの落胆が……。

  • 本の置き場所がないから妻子を殺す。
    ゲーム機が欲しいから同級生を殺す。
    犬が怖いから飼い主を殺す。

    そんな事で?と思ってしまう程些細な動機だからこそ今まで捕まらずにいたのではないか。

    誰もが彼はいい人と言い、誰も彼を悪く言わない。
    そんな彼は何故殺人を繰り返すのか。。

    過去を調べて分かったのは彼が小学生な時仲良くしていたショウコが義理の父親に性的虐待をされていてそこから抜け出す為にショウコが義理の父親を殺したのを見たのが原因じゃないかと思い至った。

    バレなければ殺してもいい。
    邪魔者は排除する。

    しかしショウコが語ったこの話を嘘だと言う人が現れた。

    人間は分かりやすい物語が好きだと。
    理由のない殺人なんて理解出来ないからどうにかして理由を作るのだと。

    確かにその通りかもしれない。
    信じられない事件が起きた時、犯人の過去に何かしら問題があった方が納得する。

    人間は信じたい事だけを信じるように出来ているのかもしれない。

    しっかし最後まで薄気味悪くスッキリしない内容だったな。

  • 一体どうなるのかとどんどん読み進めました。
    実は以前ドラマで観た松坂桃李の演技がゾッとするほど怖かったので原作を読みたいと思っていたからですが、こちらはモヤモヤしてしまいました。
    カスミがなぜあのような行動をとったのかもさっぱりわからず、謎めいたまま終わりました。
    その謎が不気味な微笑みと繋がるんでしょうか?
    できればもう一度ドラマを観たいと思いました。

  • えええええ読み終わっちゃったけど…けど…という読後感こそがテーマと通ずるのかもしれない。けど、けど…ううううむ

  • 時間も掛からずに読み終えたが、今までの幾つかの作品の様に結果がなくモヤモヤ感が残った。
    読み終えた後に色々結末を想像するのも面倒だが、小説家の推測が物語を誘導している感じが強く少し抵抗を感じた。

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著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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