独走 (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408553306

感想・レビュー・書評

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  • スボーツの原点は何なのか。僕らも仲島くんのように楽しんでスポーツする人を応援したくなります。一流と言われる選手がプレッシャーを感じて必死な姿は胸が痛みます。選手のみなさんは楽しんで競技してください。

  • 好きなように走れる市民ランナーでよかった。
    何にも考えなくていいからね。
    お気楽、お気楽。

    それにしても話に出てくるスポーツ省よりも現実のスポーツ庁の方が後出しとは驚き

  • 構想がすごい。現実を先取りしている。陸上のスポーツ小説としても面白いし、官僚の世界という観点でも描写がリアル。

  • このシリーズすき

  • スポーツで頂点を目指す者にとってオリンピックは紛れもなく最高の舞台である。 この作品は、そのオリンピックでメダル獲得数増加を目指す管理スポーツの有り様に一石を投じる作品だった。 国や競技団体がどんな関与をしようとも、血が滲む汗と涙を流しているのは選手自身である。 東京オリンピックに向けては国が相当関与するのだろうけど、選手が最善のコンディションで競技に臨み、悔いのない試合をしてくれることを切に望む。

  • スポーツとは、個人のためか・国のためか。
    競技する立場、競技する人をサポートする立場での考え方、ジレンマを感じる小説でした。

  • オリンピック強化選手の長距離ランナーが自由に走ることを求めて独自の大会に出るまでの話

  • 「チーム」シリーズの方が面白いなと思いながら読み終わったが、解説読んでビックリ!
    堂場瞬一恐るべし。

  • おすすめの作品です!

  • トップアスリートにとってアマチュアリズムは本当に成立するのだろうか?
    プロスポーツとアマチュアスポーツとの違いは?色々考えさせられた。

  • 日本にスポーツ省なるものがあり、オリンピックでアスリートに金メダルを獲らせるために、ありとあらゆることを管理する。
    それにより、金メダルを獲り幸せになるものばかりだといいのだが。
    そんな能天気な選手ばかりではなく、主人公の苦悩が面白い。
    この作家さんの描くスポーツの話は入り込めて面白い。

  • 良かった!スポーツってオリンピックが代表的な例やけど、純粋であるべきなのに純粋になりきれない。でも、やっぱり選手にとって楽しいスポーツであるべき。

  •  この著者のランニング小説も4冊目。今回はちょっと趣向が変わって長距離トラック選手と五輪向け強化指定をめぐる話。スポーツ省とかSA指定とか現実の似たような仕組みを先鋭化させてカリカチュアライズしている。これは極端にしてもメダル至上主義のこの国ではありそうな話なところがミソ。何のために走るのか。日常生活まですべて指示・管理されて、自分のための走る楽しみがスポイルされてゆく。そんなところへUGという五輪の商業主義を排したトップレースが企画される、という筋立てはよくできているし、主人公の仲島や沢居にクセのないごく普通のキャラをもってきたところもうまい。しかしそこへ行きつくまでが単調で長い。つくられた友人関係やライバルも浅くて食い足りない。どよんとぬるま湯につかっている感じ。

  • 「チーム」や「ヒート」を読んでいたので、これも堂場さんの陸上小説だしと思い少し前に購入。

    政治的な要素が絡んでくるところが、さすが堂場さん。
    若い子のスポーツの話なので、もっとさわやかなエンディングかと思ったが、そこそこドロドロな感じで終わったのでちょっとびっくり

  • 走るって単純だからこそ難しくもあり楽しくもあるんだな。改めて自分にとっての「走る」って事を考えさせられ励まされた感じ。続きが読みたい。

  • トップクラスのスポーツ選手は世界大会に日本代表として出場する。日の丸を背負うその最たる大会はオリンピック。競技団体は世界大会で勝てる選手を強化選手として支援する。それが競技団体ではなく政府主導になったら。実際にそのような形の国はあるし、日本にもスポーツ庁ができた。
    強ければ自然と強化選手指定の声がかかる。それが当たり前として応援を糧に金メダルを取った柔道選手と、指定選手になったがために管理される状態に違和感を感じていく10000メートル選手の話。選手は誰のために競技をするのか。日の丸を背負うため?そんな根本的なそもそも論を考えさせられる。

  • この人のスポーツモノは外すことがない。
    ・・・前もそう書いた記憶があるな・・・何度でも思ってしまうんだ。

  • それなりに面白かったけど、最後が思い出せない。走る事への感動の話しではなかったかな

  • スポーツのあり方を考えさせられる一冊。

    オリンピックの柔道で金メダルを獲得した沢居はスポーツ省というスポーツ庁のようなところで、引退後に第2の人生を送ることになる。スポーツ省ではオリンピック候補選手をランク付けして、一番高いレベルのSAになった選手には億の手当て、トレーニング施設、専属コーチ、栄養管理、そして住まいが提供される。そのかわり、GPS機能を使って個人行動は全て管理される、極秘下に友人もライバルもスポーツ省によってコントロールされている。
    金メダル量産のためにスポーツ省が目星を付けたのは、陸上。その将来有望株として仲島の監督役に沢居は抜擢される。
    特別強化指定選手になった仲島は大学にも、推薦枠で入ることがゆるされるが、箱根駅伝への出場はできないという契約。
    選ばれた大会にしか出れないという制約。
    自由を全て失われてしまう。

    走ることがただ好きなのに。

    五輪のあり方、選手の気持ち、金とスポーツのことなど、これから問題になりそうな小説だった。

  • スポーツ大国を目指す(おそらく)近未来の日本を舞台としたスポーツ小説。メダル倍増を目標に設置されたスポーツ省が国家プロジェクトとして有望なアスリートの強化を管轄している状況下、陸上長距離の仲島は最もランクの高いS指定選手に選ばれます。恵まれた強化環境、練習メニューだけでなく食生活までも管理される競技環境に「籠の中の鳥」のようだと違和感を感じ始める仲島。オリンピック金メダルを至上目標に掲げるスポーツ省の方針に対し、スポンサーの利権など様々なライセンスに絡む拝金主義に傾倒する強化方針に疑問を感じ始めた仲島は、ついにその籠を自ら飛び出す行動に出る。そしてその結末は…。
    現代のオリンピックが最早様々なスポンサーや放映権料をはじめとするメディアとは切り離せなくなっている状況に対して問題を提起するスポーツ小説です。スポーツの臨場感よりも現代スポーツの置かれている環境に力点を置いた異色の切り口の小説でした。

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著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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