- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408592695
感想・レビュー・書評
-
幻想ミステリの作品集。
現代日本だけでなく、中国や平安時代の日本をモチーフにした話もあって、どれもすごく面白かった。そこかしこに、探偵小説(なかでも誰もが子どものときに読んだ怪人20面相とかの子ども向けの物語)への愛が感じられて読んでいて楽しかった。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
森江春策に会えなかったのは寂しかったが、乱歩や鮎川哲也と言ったミステリの偉大なる先達へのオマージュ、中国や平安朝を舞台にした時代ものなど、ミステリに限らず、小説の面白さを満喫できた。それにしても『白樺荘事件』は読みたかったな。時代がかった名探偵や怪人や少年探偵を不自然さなく扱える手腕は、芦辺さんが当代一だろう。
-
芦辺拓の非ミステリ・ノンシリーズの短篇集。全11篇収録。 半数が「異形コレクション」に発表されたとあって、怪奇幻想レトロ小説の雰囲気が濃厚に漂う作品ばかり。現実と、虚構であるがゆえに豊かで艶やかな「物語」の境界を行き来したゆかう作品も多く、眩惑される。「物語」のあちら側の世界へ行ってしまいたいという誘惑と戦うのが大変でしたわ。くらくら(笑)。 もしかして日本人の原風景なのか?レトロ探偵小説がお好きな方にはたまんない作品集かもしれない。作家芦辺拓氏の深い愛情をひしひしと感じる。愛が高じて作品のみならず、作品を生み出した作者らへのオマージュ作品まであるんですから!素晴らしい! そして幻の商業誌デヴュー作品、プレ芦辺作品まで収録されていて、今回読めるのも嬉しい。ミステリ出身の作家さんだとばかり思っていたんですが、根っこは幻想怪奇作家なのか。 作家芦辺拓、これから要チェック!!