経済学 (ブックガイドシリーズ 基本の30冊)

制作 : 根井 雅弘 
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784409001103

感想・レビュー・書評

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  • 本書は、経済学を学ぶ人のためのブックガイドである。構成は5部に分かれており、それぞれの分野における重要な著作の紹介がされている。本書では、できる限り複雑な数式などが出てこないように配慮はされているが、決して気楽に読める本ではない。一般向けに書かれた本というよりは、これから本格的に経済学を学ぼうという学生や社会人に向けて書かれた本だと言えるだろう。取り上げられている経済学者の中には、ケインズやアダム・スミス、マルクスといった一度は聞いたことがあるであろう名前から、スラッファやミュルダールなど一般にはあまり馴染みのない名前までが網羅されている。先述したように本書は5部に分かれており、それぞれ趣が異なる。たとえば、1部から3部までは経済学のベーシックな部分を学びたい人にとって重要な著作になっている。その中には、ケインズの『雇用・利子および貨幣の一般理論』のような古典からサムエルソンの『経済学』やマンキューの『マクロ経済学』など経済学のテキストとして名高いものなどが含まれている。5部は市場経済について考えるため重要な著作が取り上げられている。金融系で働く人はもちろん、他の社会人の方にとっても学んでおくべき市場経済の思想に触れることができるであろう。

  • マーシャル「経済学原理」
    マーシャリアンクロス=供給曲線と需要曲線
    短期では需要で決まり(一時均衡)、長期では供給で決まる

    ピグ-「厚生経済学」
    経済的厚生を向上させることは、非経済的厚生を含めた総厚生を向上させる。その指標は国民所得が最適である。
    貧者がより貧しくなっていないなら国民所得が増加することは望ましい。
    国民所得が現象していないなら、貧者の所得が増加することは望ましい。
    外部性に対する補償として補助金やピグー税による政府の介在が必要。

    シューペンタ-「経済発展の理論」
    静態と動態。創造的破壊。不況は新結合によって想像された新事態に対する経済体系の適応過程=ケインズとは異なる。不況は新結合の遂行による一時的な現象。

    ケインズ「雇用・利子および貨幣の一般理論」
    セイの法則(供給された量は必ず需要される)を受け入れているのは古典派とした。
    有効需要の原理=乗数理論と流動性選好説

    サムエルソン「経済学」
    長らく教科書として改訂された。競争的市場の不具合(情報の非対称性、外部不経済など)に対処するため政府の果たす役割がある。
    効率性と公平性のバーター性=フリーランチは存在しない
    情報の非対称性は競争均衡と反する
    ストックはフローの鏡か?正確な鏡になっていない

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