宋学の西遷: 近代啓蒙への道

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  • 人文書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (536ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784409041000

作品紹介・あらすじ

16世紀から18世紀にかけてのイエズス会士による中国思想情報は、近代ヨーロッパ理性の形成においてきわめて大きな役割をはたしていた。本書では、ルイ14世の後押しをうけた宣教師クプレ、人文主義者ノエルによる儒教文献のラテン語訳を、中国語原典と丹念に照らし合わせて実証する。実は、宋明の儒教のうちには、神の「要請」なしに理性の自律的な純粋作用が存在しうること、当時ドイツ啓蒙のリーダーであったヴォルフの理想に照応しうる理念が、先在・潜在していた。さらには彼はフリードリッヒ大王から敬意をうけ、ライプニッツとカントをつなぐ人物でもあった。中国思想に影響をうけたヴォルフの哲学は、啓蒙理性の時代の知識人に広く感染流行し、近代啓蒙のプロトタイプとなる。儒教思想のヨーロッパ受容を、厳密なテクストクリティークによって検証する労作。

感想・レビュー・書評

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  • 中国語の文献とそのラテン語訳を参照しながら進めていく議論には見るべきものが大いにある。

  • 2010.02.21 朝日新聞で紹介されました。

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著者プロフィール

2018年4月現在
波大学人文社会系教授

「2018年 『はじめて学ぶ中国思想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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