絵本をひらく: 現代絵本の研究

制作 : 谷本 誠剛  灰島 かり 
  • 人文書院
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本棚登録 : 35
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784409180020

感想・レビュー・書評

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  • 取り上げられている作品は約30。1作品あたりは7ページ。よって短評というかたちだが、本質を突こうする努力は全編感じられる。より濃度のある評論を読んでみたくなった。

    ・はじめに:絵本は子どもだけのものではありませんが、その中心に子どもという難しい読者がいるからこそ、かえって力をえているのではないでしょうか?
    ・内田りんたろう:絵がなければ立つことのない文と、文がなければ立つことのできない絵が互いに相手を必要としながら、創る表現世界
    ・石井直太:ナンセンスは、いまここのルールとは別のルールをあれこれと示すことで、わたしたちをやわらかくしてくれる。この『はたらき』の絵本の第一人者は、たぶん長新太だろう。
    ・韓国人にとって絵本をつくると言うことは、自分の子ども達に固有の文化を伝えたいと言うことと同時に、自分たちの精神的基盤を確認し、未来のあり方を探る道程でもあった。
    ・昔話で、語りの特徴(こちらから向こうへ)と絵本の特徴(ヨコ動き)。絵本の文章は語りと異なり、区切りがある。そして、このめくることで生まれる言葉の間合いに、絵がどのように関わるかによって、絵本としての効果がまるで異なってくる。
    ・はらぺこあおむし:生きることはまず食べること。これは命あるものに定められた鉄則。
    ・アンジュール:最初。酷薄きわまりない世界。最後も愛の成立について留保。これが現代人の共感を呼ぶ。
    ・あおくんときいろちゃん:レオーニ:非常に奇妙な話しですが、幼い子どもがこれを本だと思わずに、一個の人間見たいと思っている例が実際にある。
    ・ブルーナ:絵を単純なものにすると、子どもたちにイマジネーションの働く余地が大きく残される。
    ・うさこちゃん:正面向きの顔。目が二つある大切さ。

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