隠された神々: 古代信仰と陰陽五行

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  • 人文書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784409540404

作品紹介・あらすじ

日本の古来の信仰、神々の体系を一変させた白鳳期の国家的呪術。「近江遷都の謎」「改葬された天武天皇陵」「高松塚の被葬者は誰か」「北斗七星と伊勢の祭り」「陰陽五行を隠した天皇の即位式」-。異国の神々、異国の信仰を巧みに取り込み、その後の日本人の神事や行事、生活を律する新たな原理を生み出した天武・持統朝の歴史学・民俗学上の最大疑問を見事に解き明かすさまざまな視点。

感想・レビュー・書評

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  • 伊勢参拝紀行を書くときに参考にした本が、この『隠された神々―古代信仰と陰陽五行』です。伊雑宮の御田植式のお話しや、太一神、内宮と外宮の関係などが詳細に書かれています。陰陽五行という考えは、中国からやってきた思想ですが、その外来の思想に、日本独特の解釈や、土着の風習が加わり、各地にお祭や神社などの歴史が受け継がれています。伊勢神宮もその中の一つなのでしょうが、最も体系化が進み、式年遷宮という最も洗練されたものへと昇華されたもののようです。この伊勢神宮の成り立ちを推測する著者の視点は、時にスリリングで、読む我々の心を楽しませてくれます。

     太一とは、北極星を現します。北極星は動かない星で、天の中心です。その周囲を廻るのが北斗七星ですが、外を巡るので、外宮として北斗七星を祀ってある・・・・。天の動きと地の動き、そこに住まう人間。伊勢神宮はこういった壮大な宇宙観を示したシステム。そこには人知を超えたものが宿っているのでしょうか。

     吉野裕子さんの著書はわかりやすく、陰陽五行を解説した本がたくさん出ております。陰陽五行を使って治療をする古医書派の鍼灸師をはじめ、陰陽五行や日本の習俗に興味がある方にはとても参考になり、刺激をいただけます。岩波新書からも出ていますので、ご興味のある方はこういったものから読んでみてはいかがでしょうか。

  • 日本の神話かぶれが治った本です。

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著者プロフィール

吉野 裕子(よしの・ひろこ) 1916年東京に生まれる。1934年女子学習院、1954年津田塾大学、各卒。 1975~87年学習院女子短期大学非常勤講師。 1977年『陰陽五行思想からみた日本の祭』によって東京教育大学から文学博士の学位を授与される。 2008年没。 著書:『扇』(初刊1970年、再刊1984年、人文書院)、『隠された神々』(初刊1975年、再刊1992年、人文書院)、『陰陽五行思想からみた日本の祭』( 初刊1978年 再刊2000年、人文書院)、『五行循環』(人文書院、1992年)『十二支』(人文書院、1994年)、『ダルマの民俗学』(岩波新書、1995年)、『陰陽五行と日本の天皇』(人文書院、1998年) 、『易・五行と源氏の世界』(人文書院、1999年)、『古代日本の女性天皇』(人文書院 2005年)『吉野裕子全集』(全12巻、人文書院、2007~2008)など。

「2021年 『十二支 新版 易・五行と日本の民俗』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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