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- Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
- / ISBN・EAN: 9784409940099
作品紹介・あらすじ
医療の世界には技術、法、倫理の制約がある。しかし、それら外からの規範とは別に、看護師や家族、患者の間には、個々の状況に応じた自発的な実践のプラットフォームがうまれ、病のなか、苦しみのなかで、かすかな創造性を獲得する。それは自由と楽しさの別名でもある。重度の精神病、ALS、人工中絶など存在の極限に向き合う看護師の語りの分析が、哲学に新たなステージを切り拓く。
「生まれてきてそして亡くなるという表現を野崎さんは何度も繰り返した。つまり死産の子どもにおいても「生」を確保することこそが重要になるのだ。実際には生きたことがないが野崎さんにとって仮想的に「生まれてきたぞ、そして亡くなったぞ」とみなされた赤ちゃんの「短い一生」の長さとはどのくらいのものであろうか。これはどのような持続なのだろうか。哲学のなかにこのような時間を語る言葉があるのだろうか。」(第八章より)
感想・レビュー・書評
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終末期やALS患者のケアにあたる看護師の語りを分析しておられる村上先生の著書は、私にとってとても興味深いものばかりだ。現象学の特徴上、インタビューの要点だけを集めた会話ではなく、どもりや繰り返しにも着目しており、現象学という点からだけでなく看護師を志す人々にとってはインタビューのリアリティさが色濃く残されているので、ぜひ読んでいただきたいものである。
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