- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784413008129
感想・レビュー・書評
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身近で食べているものの、裏事情からカラクリまで。
賞味期限切れや近くなった物を加工して
誤魔化している、というのは良く聞く話。
何故国外と国内のチョコの味が違うのか、から
マヨネーズが腐らないわけなど、そうなのか! な
話が盛りだくさん。
トマトも苺も、甘いものが好まれる故に
どんどんと甘くなってきている。
そしてそれは梅干しも…。
梅干しと言えば、すっぱいもの、と思っているので
確かに甘いのは変な感じがします。
味覚が変わってきた、と言われれば、それまでですが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
十年の情報。とは云えど興味深い話もチラホラ。覚えていられればのことw
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食べ物に関する雑学集といったところ。
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【私の評価】★★☆☆☆(68点)
■食べ物にまつわるトレビアを
集めた一冊です。
人と雑談するときの
ちょっとしたネタとして
使えると思います。
■たとえば、友人と名古屋に行って、
赤みその味噌汁を出されたら、
「名古屋は赤みそなんだ~。
ところで赤みそと白みその違いってわかる?」と
聞いてみるわけです。
・赤みそは大豆を蒸してつくるが、
白みそは大豆をゆでてつくるのである(p58)
■ゴールデンウィークなら、
高速のパーキングでお茶を買って、
「ペットボトルの原価知ってる?」
と聞いてみましょう。
よい本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・緑茶・・・500ミリリットル入りペットボトルは140円くらいするが、
その原価は30円程度といわれている。しかも、その30円のうち、
容器代が半分の15円を占め、緑茶と水だけの原価はわずか15円ほど(p100)
・日本で師範されているミネラルウォーターは、殺菌、除菌を
義務づけられている・・・ヨーロッパでは、
ミネラルウォーターとは、ミネラルを多く含んだ天然の鉱泉を、
自然の状態で容器に詰めたもの。(p40)
・現在、市販されているブロイラーは、だいたい55日前後で
出荷されている。その二倍、100日以上飼えば、納得できる
味に育つはずなのである。だが、現実には早いうちに出荷されて
しまう。そのもっとも大きな理由は、採算性の問題だ。(p197) -
■万能ねぎ
野菜の値段が全国的に値下がりし、福岡県園芸連の東京事務所では、何か首都圏で売れる野菜がないかと頭をひねっていた。
そのとき目をつけたのが、東京ではまだ高値で取引されていた「あさつき」。
食べてみると、福岡県の「青ねぎ」とよく似ている。
名前を「万能ねぎ」と変えて販売、首都圏の主婦にうけ、販売初年度1億円を突破、翌年には15億円を超えるヒット商品となった。
首都圏での販売額の約半分は、福岡ー羽田間の空輸代。
■カリフラワー
カリフラワーがブロッコリーに惨敗したのは、その「色」が原因だと言われている。
健康ブームで「緑黄色野菜を食べましょう」ということが盛んに言われるようになった。
■バナナ
半世紀前もほぼ同じ値段で売られていた。
1952年頃、コーヒー1杯50年。バナナは1本100円。今の物価に換算すると、1本500円以上。
戦前、台湾から移入されていたバナナが、輸入再開となったのは、1949年。輸入量が厳しく制限されていた。
1964年、輸入が自由化され、台湾やエクアドルから大量に輸入されることになり、値段が一気に下がった。
さらに、70年代になると、フィリピンから大量に輸入され、値段がさらに下がった。
■野菜ジュース
多くの場合、各メーカーが地元の農家と契約して、土壌チェックや農薬の使い方などを相談しながら栽培している。
産地の近くに工場が建てられ、収穫された野菜は、その日のうちに製品化される。
製品化の方法は、濃縮還元法とストレートジュースがある。
ジュース用の外国産野菜は、アメリカやオーストラリア、中国、チリ、トルコなどで栽培され、現地で濃縮加工して輸入している。
トマト汁は中国やチリ、トルコ、
にんじん汁はオーストラリア、
りんご果汁はアメリカ、
レモン果汁はイスラエルなどから、濃縮状態で輸入されている。
■御料牧場
皇族が毎日お食べになっている食材は、栃木県の御料牧場で作られている。
東京ドーム200個分の広さ。乳牛、馬、豚、鶏、羊、日本キジなどが育てられている。
野菜類も作られているが、農薬はもちろん化学肥料も使われていない。肥料として使われているのは馬糞。
「蒸気消毒」
土壌殺菌剤の農薬を使う代わりに、ホースを埋め込み、厚い蒸気を噴出することで、病害虫を退治している。
■ほうれん草
昔のほうれん草は、たくさんの切れ込み画あってギザギザしていた。今のほうれん草には、浅い切れ込みが2つ、3つあるだけ。
1970年代、ギザギザの和種から、西洋種の雑種F1へ切り替わり始めた。西洋種がほうれん草の大敵である「べと病」に強かった。
sまた、和種は収穫期が秋~早春だったのが、西洋種は春~夏だったので、1年中栽培されるようになった。
■たまねぎ
30年前は1分半ほどで炒められた量を炒めるのに、今は5分以上かかる。原因はたまねぎの品種改良。
昔のタマネギには、大地の恵みである水分がたくさん含まれていた。そのため、強火でいためると水分がどんどん蒸発して、短い時間でしなっとした。
消費者ウケを狙って、外見のいいものが作られるようになった。生産者むけに量産のきく品種に変えられ、さらに流通業者のために耐久性のあるタイプに改良されてきた。
その結果、含んでいる水分量が少なくなった。
本来のうまみや甘味も少なくなった。
■トマト
生産地と消費地が離れるようになって、熟す前の青い段階で収穫されることとなった。
輸送段階で赤くなったトマトが、八百屋やスーパーの店頭に並んでいる。
しかし、完熟する前に収穫されたトマトは、無論味が落ちる。そこで、赤くなってから収穫し、その後長距離輸送しても大丈夫という品種を開発してできたのが「桃太郎」だった。
■みかん
みかんの糖度が上がるかどうかは、健全な葉がたくさんあって、光合成を活発に行える環境にあるかどうかにかかっている。
ハウス内は冬の寒さから守られていて落ち葉も少ない。みかんの葉は気温が10℃以下になると光合成が鈍るが、ハウス内では室温が高く保たれるため、冬の間も光合成が盛んに行われ、たくさんの糖を蓄積できる。
■きゅうり
きゅうりの木が若いうちは、ブルームも少なく味もよい。
ところが、木が大きくなってたくさん実をつけるようになると、ブルームが増え味が落ちてくる。
そのため、研究者のなかでも「ブルームレスのほうが美味しい」という考えが広がり、開発された。
ところが、後の研究で、ブルームと味とは何の関係もないことがわかった。若い木のきゅうりがおいしいのは、木が新鮮で健康だから。
しかし、後の祭り。すでに広くブルームレスきゅうりが栽培されるようになった。白い粉を出さなくなったことで、もともと病気に弱かったきゅうりは、様々な病気に見舞われることとなり、農薬を繰り返しまかねばならなくなった。
■ぶどう
ぶどうの栽培では、若芽の吹く春から収穫の秋にかけて、農薬が20~30回散布される。皮についた農薬はよく洗えば落ちると言われるが、皮の内側へ入り込んだ農薬は、そう簡単には取り除けない。
ぶどうは残留農薬がもっとも心配な果物ではないかという声もある。
■農薬
使う理由
①経済効率の問題
面倒な助走作業が必要なくなった。
②農作物の体質が変化
消費者に好まれるような品種改良で、ひ弱になった。
③病害虫が強くなった
農薬に対する免疫力をつけ、さらに強い農薬を開発し対抗しないといけない悪循環。
■農地
耕地利用率の低下
水田裏作が少なくなった。
早稲は田植えの時期が遅くなるため、裏作ができない。また、早稲のほうが晩稲よりもおいしい品種が多く、台風の影響を避けることもできる。
兼業農家の増加により、裏作をしなくてもよくなったという経済的な背景もある。
食料自給率の低下の原因で、大量の飼料穀物の輸入が挙げられているが、裏作で飼料作物をつくっていれば、いまのような状態にはならなかったのではないか。