歴史に観る日本の行く末: 予言されていた現実

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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784413031301

感想・レビュー・書評

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  •  本書のタイトルからは日本の将来予測に関するものと思われるかもしれないが、小室氏の他の著作に従って「~原論」と改めるならば、本書は「教育原論」とするのが最もふさわしいだろう。
     2015年のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の舞台となっている松下村塾。この塾を開き、多くの維新の志士達を育成した吉田松陰の教育を見直すべきと著者は言う。
     確かに小室氏の指摘するように、現代の日本の社会が抱える諸問題の根底には「アノミー(規範の欠如がもたらす社会的混乱)」が横たわっているように思われる。そして、教育改革の必要性も理解できる。ただし、その方向性が家庭内での父親の権威復活と言われると、やや結論を急ぎ過ぎているような感もある。
     1932年生まれの小室氏の視点から見れば、おそらくそれが現実的な解に見えるのであろうが、時代も人の価値観も戦前のそれとは変わり過ぎている。小室氏の問題提起は真摯に受け止める価値はあるが、その対応策については現代に生きる我々が見い出さねばならない。

  • 教育の極意は、絶対的権威と絶対的平等。また、その子の良さを偏差値で決めるのではなく長所を見てそこで決めるべき。
    日本の教育がどれだけ衰退したかがよく分かる。

  • 2018/08/01:読了
     吉田松陰はすごい。彼が行った教育も、彼が受けた教育も...という本なのかな。
     エッセイ集みたいな感じ。
     通しで読みにくい。

  • 天才小室直樹先生の日本教育再生論です。小室先生は既に亡くなられていますが、
    先生の意志をついだ弟子達は今の日本社会で大いに活躍されています
    (橋爪大三郎、副島隆彦、宮台真司、山田昌弘、伊藤真など)。

    先生は「日本の教育は死んだ」と指摘しています。そして「吉田松陰」に学べと。
    ビジネスマンが読んでも大いに参考になると思います。
    教育の一番根源的問題をあぶりだしています(なぜ勉強嫌いが生まれるのか)。
    博覧強記かつ最高の学問体現者であり、
    また人を育ていることに一生を捧げた方の日本の教育へのメッセージになっています。

  • 歴史というより教育の本、かなり右よりな内容でしたが、吉田松陰が確立した教育とその思想の源流をたどる下りは長州出身の自分としてはかなり興味深かったです。日本の教育が死んでるのは納得できるし、この本がヒントになる可能性はあると思いました。(2006/8/8読了)

  • はじめに、日本を救う唯一の方法が書かれています。日本の行く末と教育と社会を知り、唯一の救済策を講じたい人が読んでみてはどうでしょう。

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著者プロフィール

1932年、東京生まれ。京都大学理学部数学科卒。大阪大学大学院経済学研究科中退、東京大学大学院法学政治学研究科修了。マサチューセッツ工科大学、ミシガン大学、ハーバード大学に留学。1972年、東京大学から法学博士号を授与される。2010年没。著書は『ソビエト帝国の崩壊』『韓国の悲劇』『日本人のための経済原論』『日本人のための宗教原論』『戦争と国際法を知らない日本人へ』他多数。渡部昇一氏との共著に『自ら国を潰すのか』『封印の昭和史』がある。

「2023年 『「天皇」の原理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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