中国元がドルと世界を飲み込む日

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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784413037501

作品紹介・あらすじ

暗躍する華僑ネットワークと黒社会、金の大量購入と「人民元基軸通貨計画」。大メディアが絶対に伝えられない真実とは。

感想・レビュー・書評

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  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
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  • 今から2年程前(2010年)にベンジャミン・フルフォード氏によって書かれた本です。将来的には中国元がドルに代わって基軸通貨になるというシナリオが書かれています。ポンドからドルに基軸通貨が取って代わられたのに何年かかったか分かりませんが、私が現役で働いているこの10年程度の間にそれが起きるかというのが個人的には非常に興味があります。

    まだ世界における貿易はドルで決済されているのが実情と思っていたのですが、世界はどんどん変わっている(p152)ようで、今後も「人民元」の動向には目が離せませんね。

    特に不気味に思ったのは、現在大量に発行されているドルにおいて、国際通貨として機能するドルと、そうでないドルの2種類がある(p115)という情報でした。

    また、2008年9月より以前に発行された米ドルは、1ドル=金1グラムの28分の1のレートでの金本位制になっている(p189)という考え方は驚きでした。

    以下は気になったポイントです。

    ・中国は世界一の外貨準備高(2010.1で2.39兆ドル)として膨大に積みあがったドルを使って、世界の商品先物市場を買い占めたうえで、現物の引渡しを要求している(p18)

    ・1054トンに増加した外貨準備における準備金(gold)の多くは、国際市場で購入したものではなく、国内から産出された金であり、その供出価格は国際市場価格よりかなり低い(p28)

    ・ラストエンペラー溥儀は替え玉であり、本当の皇帝の血筋は今の続いている、当時の皇帝は台湾に逃れて、今はその孫が財産を相続する権利がある、70年の契約期間が切れる2001年、金融資本家に対して訴訟を起こした。アメリカ海軍警察とFBIはその債券が2001.9.12に償還された時点で、関係者を逮捕を準備する計画をしていた(p30)

    ・中国が現物買いをしているのは、致命的な混乱が起きたときには、対米追従の欧日の通貨ではなく、金地金や原油、鉄鉱石、穀物などのコモディティであるから(p56)

    ・中国鉄道省は、2009年以降の3年間で総額2兆元以上投じて、現存する8万キロに加えて2万キロ敷設する(p62)

    ・10年以内に中国は、世界輸出総額の4分の1を占める可能性がある、それは1950年代にアメリカが達成した18%を超える数字(p68)

    ・中国はアフリカに進出する場合、政治的、人種問題には一切口出ししないで、インフラを整えて、現地に中国人コミュニティを作って恒久的な関係を築く(p79)

    ・アメリカではフードスタンプ(食糧配給券)を受けた人は、2009.9で前年同月比で 558万人増えて、3700万人を突破、これは国民の12%、オハイオ州では、ウッド郡で77%、ヴァンワート郡で84%(p99)

    ・日本では地方自治体の財政赤字が一般会計の20%を超えたら再建団体に指定され破産宣告、ネバダ州は38%、ニューヨーク州は24%、カリフォルニア州は22%(p106)

    ・リーマンショック後にアメリカへ向かう船の数は減った、バルチック海運指数は最盛期の10分の1、これはアメリカを抜きにした貿易の形が出来上がっていることを示している(p112)

    ・金融危機以後(2008.9)にFRBが発行した13兆ドルは普通ならハイパーインフレになる、世界に出回っているドルの量を、アメリカの実物経済の価値で割ると、今の1ドルは 0.03セントにしかならない(p115)

    ・2008.9以降に、FRBの刷ったドルが世界中から国際通貨として認められなくなった、札に印刷された符牒=紙幣番号により、世界で国際通貨として機能するドルと、しないドルのふたつが存在することになった。符牒のあるドルは現在、1ドル=金1グラムの28分の1である(p115)

    ・GCC(ペルシア湾岸協力機構=サウジ、クウェート、アラブ首長国、バーレーン、カタール、オマーン)は世界の4割の原油を握るが、中国・ロシア・日本・フランスと協議して、石油ドル建て取引をやめて、円・元・ユーロ・金地金等と通貨バスケットを使う予定と発表した(p117)

    ・FRBの株主は、JPモルガンチェースと、シティバンク等の金融資本家であり、両銀行が過半数の株を所有しているとわれる(p119)

    ・FRBは民間企業なので、ドルを買い取る義務は無い、ある日突然、今までのドルを廃止して「ニュードルを発行する」ということも可能(p121)

    ・2010.1には中国とASEANでFTAが発効、これで人口19億人という世界最大の単一市場が誕生(p151)

    ・中国は2008年の段階でロシアと両国の中央銀行によるルーブル・人民元決済業務を拡大することを合意、韓国やブラジル、イランなど人民元での決済を広げている(p152)

    ・ロシアでは観測地点のうち20世紀末に温暖化傾向を示さなかった地点の気温データをすべて削除し、25%にすぎない都合の良いデータを使った、全データで分析するとロシアでは20世紀半ば以降、気温は上下動している(p162)

    ・1946年2月17日の新円切り替え時には激しいインフレ(戦前の200倍)に見舞われていた、市中に流通していた5円以上の銀行券6券種14種類を通用停止、新円への交換は一人100円で11日以内、100円以上の旧円は無かったことになった、預金封鎖は2年5か月後に解除、その間のインフレ進行で円の値打ちは4分の1になっていた(p173)

    ・個人が資産を守るためには、金(ゴールド)の購入を推奨する(p180)

    ・クリントン政権時に、130万本の400オンスのタングステンを製造し、そのうちの64万本に金メッキが施されてフォートノックスに出荷されたと中国は指摘、残りは国際市場で売られるとしている(p183)

    ・2008年9月より以前に発行された米ドルは新通貨体制を採るハイレベルの協議において、1ドル=金1グラムの28分の1のレートでの金本位制になっている(p189)

    2012年8月14日作成

  • ドルに騙されるな!元に飲み込まれるな!!

  • “2010/6/1:
    少し読みが浅​いのではと思う”

  • これからは中国だという本と、いやいやアメリカの底力を侮るなという本が巷にあふれている。読むとどっちも正しく思えてしまう。最終的には自分の判断なのだが・・・

  • 3/1

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著者プロフィール

1961年カナダ生まれ。ジャーナリスト。上智大学比較文学科を経て、カナダのブリティシュ・コロンビア大学卒業。米経済紙『フォーブス』の元アジア太平洋支局長。著書に、『日本がアルゼンチン・タンゴを踊る日』(光文社)、『メルトダウンする世界経済』『闇の支配者に握り潰された世界を救う技術』シリーズ(イースト・プレス)、『分断される世界経済』『戦時体制に突入した世界経済』(清談社Publico)、『一神教の終わり』(秀和システム)、『破滅する世界経済と日本の危機』(かや書房)など多数。

「2023年 『ディストピア化する世界経済』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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